第4章 隠された湖4

メリアが言った言葉にハワンドもルーナも驚きを隠せないようだ。


今まで魔法を一度も使ってないメリアの発言。


俺も魔法を2人の目の前で使ったことはない。


もちろん俺も魔法は使えて、制御も可能だ。


使う必要がなかったから剣だけで今までやってきたというだけの話なのだが。




「メリアは魔法を使えるのか?」




簡単に説明をする必要がありそうだ。


特に魔法を使えることに関しては隠してはいない。




「今までは剣だけでなんとかなってたから使わなかっただけで、俺もメリアも魔法は使えるよ。」



「そうか。俺は魔力はそれなりにあるらしいが、魔法は当てにならない。」




確かに、ルーナだけでなく、ハワンドもルーナほどじゃないにしても、それなりに魔力はある。


一番いい方法があるけれど、知ってる人ならだれもが思いつくことだろう。


ただ、かなり難しいことなのは確かだが。


今日はもうこのまま休むことにした。


明日から、弓の練習と平行して魔力の制御を覚えていこうということになった。


同じ女のメリアのほうがルーナも安心するだろう。


それに、魔力の制御に関しては、俺たちはよくわかっている。


生まれながらに高い魔力を宿しているのだから。


ルーナの父親も探さなければならない。


今の所、何一つ手がかりはない。


高い魔力は竜と契約するのに必要な条件の一つとなる。


ルーナの魔力は父親譲りなのかもしれない。






次の日からルーナの魔力の制御の訓練が始まる。


訓練と言ってもまずは自分の魔力を感じられないと先に進まない。


それから魔法の練習に入り、周りへの危険がなくなるまで練習を重ねる。


物心ついたときには魔法を使い、自分の魔力も、他の者の魔力も感じられるようになっていた自分たちとは違い、ルーナは14歳にして初めて魔力を扱うことになる。


ルーナがどこまで出来るようになるかは、ルーナの才能にかかっている。


ハワンドは自分でも自覚しているように、今のままでは上手く魔法を使えないだろう。


ルーナとメリアのやり取りを見ながら、自分はどうだっただろうかと思った。


けれど、俺は物心ついた時には魔力を自在に扱っていたことを思うと、俺は指導役には向かないなと思う。




「ケシル、俺も魔法使えるようになるんかな。」




考え事をしていると、メリアとルーナを黙って見守っていたハワンドに話しかけられた。




「練習して使えないとダメだろうね。練習はしてみた?」




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