第4章 隠された湖3
メリアも見えてはなかったようで、2人でハワンドとルーナの元へと行く。
「何があった?」
「ルーナが水属性の魔法を使った。たぶん無意識だろう。」
それはルーナが水属性の魔法を得意とするということだ。
大抵は1つの魔法しか使えない。
「魔物の気配が殆どなくなってるね。ルーナがやったのかな。」
ハワンドが頷いた。
「ルーナの魔力がこれほどとは思わなかった。防衛本能が働いたんだろう。魔物が集まってきたと思ったら魔法が発動した。とりあえず、依頼は達成したから安全な場所まで移動しよう。ルーナも落ち着かせないといけないしな。」
「なるほどね。ハワンドは怪我してない?」
「俺は大丈夫だ。」
そういうハワンドは本当に大丈夫らしく、立ち上がって、歩き出した。
ルーナにはメリアが寄り添って、移動を始める。
安全な場所まで来て、一息つく。
「ルーナ。大丈夫?」
「・・・うん。」
落ち着くまで少し時間がかかるだろう。
俺とメリアからするとルーナの魔力はたいしたことはない。
それは俺たちが例外だからであって、普通はここまでの魔力を持つことが珍しい。
「私・・・。うぅ・・・。」
「ルーナ。大丈夫。私たちはルーナの味方だよ。」
ルーナは落ち着くどころか泣き出してしまった。
メリアが宥めているけれど、少し時間がかかるだろう。
「ルーナ。俺は大丈夫だ。だが、その魔力の制御を覚えたほうがいい。俺はルーナの保護者だ。どこまでも付き合うよ。」
「ハワンドさん・・・。ありがとう・・・。」
ハワンドの言葉に少し安心したのか、ルーナに少しずつ笑顔が戻ってくる。
俺もルーナに笑顔を向けた。
大丈夫だと思いを込めて。
こんな時何を言ってあげたらいいかわからない。
「魔力の制御を教えたいんだが、俺には才能がなくて、魔法は得意じゃない。そうすると魔法師か・・・。俺の知り合いには魔法師いないんだよな。ケシルとメリアに誰か魔力の制御を教えられそうな人いないか?」
ここまで魔力が高いと、制御はそう簡単に出来るものじゃないだろう。
同等か、それ以上の魔力の持ち主が必要になる。
竜族と魔族以外はそう簡単に見つかるものじゃない。
俺はメリアと顔を見合わせた。
メリアが小さく息を吐き、仕方ないという顔をした。
「私がルーナに魔力の制御を教えるよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます