第4章 隠された湖

町からある程度離れた俺たちは、ルーナの弓の練習のために、少し早めに昼食に出来そうな場所を見つけ、近くで矢を放つ。


ヒュン、ヒュンと音を立てて、矢が飛んでいく。


けれど、どれも飛んでいく方向はバラバラで、定まらない。


ルーナが気合いを入れている。


意外と負けず嫌いなのかなと思った。




「ルーナ。獲物に当たれば、今日の昼食ゲットだ。」



「お昼ご飯。やってみる!」




ルーナの討伐する魔物の肉も食べられるものだけど、このあたりにはいない。


もう少し先にいかないといないだろうな。


明日には生息範囲に行けそうだと思い、少し食材を取っておいたほうがいいだろうと俺も剣を抜いた。


木の上のほうに白雅鳥がいるのが見えた。


高い位置だろうと俺には関係ない。


気づかれないように、白雅鳥に近づき、すばやく捕獲する。


すぐ調理出来るように処理をして、保存袋になる革袋へ入れ、魔法によって収納が増えている異次元空間となるバックへと放り込んだ。


一息ついたころルーナの声が聞こえてきた。




「兎ゲットー!やったぁ。」



声が凄く嬉しそうだ。


ルーナの元へ行ってみると、周りの木に矢がいくつも突き刺さっていた。


何度も放って、やっと捕まえた兎らしい。


初日にしては上出来なのだろう。




「最初にしては上出来だ。」




ハワンドの言葉に満面の笑みを返すルーナはやっぱりまだ幼く感じた。


今日は兎と鳥か。


そう思いながらメリアが待つ場所へと戻った。


ルーナも料理を覚えたいと言って、メリアと一緒に調理をすることになった。


俺がバッグから処理した白雅鳥の肉が入った革袋を取り出し、メリアに渡す。




「白雅鳥いたから捕っといたよ。」



「白雅鳥の肉って美味しいんだよね。ありがとう。兄さん。」




鳥の中では白雅鳥の肉は買うとかなりの金額になるだろう。


見つけたからといって、すぐに捕れるものでもなく、素早さと、高いところに行ける者だけがなんとか捕れる鳥なのだ。


そのためにそれなりに高めの金額がついてしまったようだ。




「白雅鳥なんてこの辺にいたのか。結構高級なのに。悪いな。ルーナに付きっ切りだったから俺は食材捕れなかったよ。」



「それは仕方ないよ。ルーナの弓が上手くなれば、依頼も楽になるだろうし、食材も楽に捕れるんじゃない?」



「そう言ってくれると助かるよ。」




自分が食べたい物を捕ってきたというのが正解なのだけど。


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