第3章 ルーナの決意6
「ルーナの服とバッグ、あとは食材は買ったから、次は防具と武器?かな?」
「もうすぐお昼になるから食べてからみんなで行こう。早めに終わりそうならそのまま出発でもいいと思ってるが、それでいいか?」
ハワンドにみんなで頷く。
ルーナにもいろいろと教えなければならない。
それに強くなりたいのなら、安全な場所ばかりにいても仕方がないのだ。
「そういえば、ケシルもメリアも防具つけてないよな?大丈夫なのか?」
「俺もメリアも服が防具になってるから。旅に出る前に親が作るからって職人呼んで作ってもらった。」
ハワンドが驚いた顔をした。
「珍しいの着てるな。それ相当高いだろ?防具にもなるってことは特殊な素材と加工がされているからな。職人の腕も良くないと作れないものだし。」
「長く旅してるだけあって、さすがに詳しいな。」
俺としては当たり前と思っていたことは、実はすごいことだった。
ドランさんは実は有名人だったりするのだろうか。
専属として装備を作ってくれているけれど、どこかで多少の装備を売ったことがあるとも言っていた。
俺とメリアの服だけでなく、腰につけている剣もドランさんの力作だ。
ひとつの装備を扱う店を見つけて、立ち止まる。
「ここで見ていくか。」
そう言って店に入っていくハワンドについて行く。
品数も多く、それなりのものを扱っているようだった。
「ルーナはなんの武器がいいだろうな。何か使ってみたいのあるか?」
「わかんない。何がいいんだろう。私、どれなら出来るかな。」
悩むルーナと一緒に武器を見て回る。
ハワンドも真剣に悩んでいるようだ。
「弓はどうかな?私に出来るかな。」
「やってみたいなら弓にしたらいい。最初から出来るやつなんてほんの一握りだ。出来ないなら出来るまで練習したらいい。」
ハワンドに頷くルーナ。
弓に決まりか。
「弓にしてみる。向いてるかはわからないけど、練習するよ。」
「弓をするなら、防具はこのあたりか。よしこれにしよう。」
そう言うと、ハワンドは店員を呼んで会計を済ませる。
すぐに身に着けられるものを選んだようで、その場で装備をつけていく。
俺たちの前にきたルーナが、微笑んでこっちを見た。
「ケシルさん。メリアさん。装備が揃ったよ。どうかな?」
「うん。似合ってるよ。私のことは呼び捨てにしていいからね?」
「いいと思うよ。俺も呼び捨てでいいよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます