第2章 旅仲間5
「名前を教えてもらえるかな?年はいくつ?」
少女はメリアの問いに恐る恐る答える。
「私はルーナです。14歳です。」
「私はメリア。年一緒だね。この森は危険なのに、どうしてついてきたの?ルーナは冒険者ではないよね?」
けれど引き返す様子もなく、何か言いたそうな表情はするものの、悲しそうな顔をして俯いてしまった。
「大丈夫。誰も怒らないから。話があるなら言ってみて。あまりゆっくりはしていられないけど、聞くことは出来ると思うから。」
「・・・あの・・・お願いがあるの。・・・私を一緒に・・・旅に連れて行ってほしいの。」
少し間があったけれど、ルーナは切羽詰まった表情で話し出した。
けれど、簡単に頷ける内容でもない。
「ルーナ。俺はハワンド。親御さんはそれ知ってるのか?」
「・・・親は・・・いません・・・。」
親がいないということは捨てられたのだろうか。
捨て子であったとしても保護者がいる場合もある。
揉め事は少しでもなくしたい。
「でも、保護者や家族はいるだろう?」
「・・・いません。」
女の子が一人で生きてきたということだろうか。
これが事実なら、誰も手を差し伸べてはあげなかったということになる。
「依頼が終わってから詳しく聞こう。」
そういうハワンドに同意した。
「帰ったほうがいいと言いたいんだけど、一緒にいたほうが安全よね?」
「そうだろうね。メリア、ルーナを頼んでいい?」
俺の頼みにメリアが頷く。
周りが暗くなってきている。
そろそろ魔物が本格的に動き出す頃だろう。
魔力や気配を探っていくと、討伐対象の魔物が見つかった。
少し歩けばすぐにわかるだろう。
ハワンドも気づいたようですぐに動ける態勢になっている。
この程度の魔物は俺やメリアからしたらたいした強さではない。
けれど、今は制限をかけていることもあり、あまり目立つようなことはしたくなかった。
ルーナをメリアに任せ、俺とハワンドですぐに見つけた魔物を討伐する。
ハワンドもランクの割に苦戦している様子はなく、簡単に倒すことができた。
「終わったよ。村に戻ろうか。」
依頼の討伐を終えて村に戻る。
ルーナは後ろでメリアから離れずついてきている。
メリアよりも身長が低いルーナは顔つきも幼さを残していることもあって、メリアより年下に見えてしまう。
村に戻ると、村長と数人の村人が待っていた。
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