第2章 旅仲間4
メリアの作った料理を食べて、一息つく。
「眠れそうなら寝ちゃいな。まだ成長期だろ。」
「ハワンドは?」
野宿ということは、安全そうな場所だとしても、魔物が襲ってこないとは言い切れない。
「俺の事は気にするな。何かあれば起こすし、俺も眠れそうなら寝るから大丈夫だ。」
「わかった。メリアはもう寝てるし。俺も寝るよ。」
食事の後片付けを終えて先に寝ると言ってメリアは寝た。
メリア自身も警戒は解いていない。
戦おうと思えばすぐに応戦できる。
俺も警戒を解かずに寝ることにした。
俺とメリアは生まれ持った性質なのだろう。
家にいたとしても、敵意を感じればすぐに目が覚める。
何事もなく朝になるのならそれでいい。
依頼のあった村にたどり着いたのは、街を出発して3日後の夕方だった。
途中何度か魔物と遭遇したけれど、どれもそれほど強くない魔物だったせいか、予定より遅くなることはなかった。
村に入り、違和感や視線を感じながらも依頼主の元へ確認のために向かう。
討伐する魔物はAランク。
何人かの怪我人が出るなどの被害がある。
死者が出ていないだけまだいいのだろう。
魔物は夜行性が多いため、このまま討伐に向かうことにした。
3人で森へと入っていく。
最近では人が入ることは殆どなくなった森は、夜が近いこともあり、足音が聞こえるほど静かだった。
ふと、近づく気配を感じた。
誰かついてきている。
敵意を感じないことから、こちらからは攻撃をしないでおく。
魔力も気配も、音さえ消すことがない者は、俺たちだけでなく魔物にも気づかれてしまう。
近くに来すぎたせいか、姿が見えた。
「誰だ!?」
「・・・・・・。」
流石に気づいたハワンドだったけれど、ついてきた者は返事をしない。
俺はため息をついて、隠れている者へと話しかけることにした。
「ねぇ、出てきなよ。君、ずっとついてきてるでしょ。」
気づかれていたことがわかったのか、少しずつ姿を現す。
薄暗い中、目の前に出てきたのは、メリアより幼いと感じる少女だった。
「女の子!?メリアと同じくらいか?」
ハワンドが驚いた顔で話す。
村の子供だろうか?
それとも、何か事情でもあるのか。
怖がらせないために、会話を年の近い同性のメリアに任せることにした。
少女の目の前に行き、メリアが話しかけた。
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