第2章 旅仲間3
俺たちは今回も歩きで行くつもりだった。
「俺たちは今まで歩きで旅をしてきたから今回も歩きで向かうつもりなんだ。ハワンドが馬がよければ馬でもいいよ?」
「依頼が急ぎでもないからな。俺も基本歩きだから、馬はなくていい。出発するか?」
俺たち3人は街を出て、歩きで目的地へと向かった。
数時間で着く距離ではないために、途中で野宿になるだろう。
夜になるまでに何度か魔物に遭遇し、その都度ハワンドが先頭きって倒していく。
今までは俺がしてきたことをやってくれているため、俺は楽をしている。
少し申し訳ないと思いつつ、任せてしまう。
この程度なら何も問題ないのだろう。
ハワンドは旅に慣れているのか、野営の手際もよかった。
安全そうな場所を見つけ、夜は冷えることもあり、枝を集めて火をつける。
途中倒した魔物の中に、食べることのできる魔物がいたこともあって、肉をとっておいた。
メリアに渡すと調理を始める。
「料理できる仲間が出来てよかったよ。俺は肉を焼いて食べるくらいしか出来ないからなぁ。ケシルは料理出来るのか?」
「俺も出来ないよ。今まで料理はメリアに全部やってもらってる。」
正直俺も、肉を焼くくらいしか出来ない。
「そういや、お前ら結構旅に慣れてるよな?旅に出て長いのか?あっ・・・歳聞いてなかったな。俺は21歳だ。」
「俺は16歳。メリアは14歳。旅は1年くらい前からだよ。」
ハワンドは21歳ってことは、キウス兄さんと同い年か。
「親は心配してないのか?いつどこで何が起きるかわからないし。」
「心配はしてると思う。でも、修行してこいって放り出したの親父だし。ハワンドはどうなの?」
流れで聞かれたから聞いてみたけれど、ハワンドは少し寂しそうな顔をした。
何か旅に出なければならないような事情があるのだろう。
俺のように家の決まりとかそういうのとは違って、家族のためとか、何かに困っているとか。
「俺は旅は10年くらいだな。親は小さい頃に村が魔物の大群に襲われたときに死んだよ。まぁ、姉がいて10年前までは一緒だったんだが、どこいったんだかなぁ・・・。」
聞くべきじゃなかったか?
旅をする理由は、姉を探しているとか、家がなくなったとかって理由かもしれないな。
メリアのほうをみると、調理しながら黙って聞いてるようだった。
「親が放り出したならいいのかもしれないが、たまには帰ってやれよ。」
「うん。そうするよ。」
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