スランプ

白い白い紙の上

私の持つペンは

私の手の近くを転がったまま

目的を果たさず紙の上

私の脳内もこの紙のように

何も浮かばない白いまま

何かないかと脳内を絞る

でも

私の役立たずの脳を

雑巾のように絞ったって

アイディアなんて

一滴も出て来やしない

それでも

私は脳内をぎゅっと搾ります

だって

私は自身をやればできる子だって

信じているから


絞れば絞る程

空の瓶から水を強請るように

私の脳みそは乾いていく

アイディアを求めて

からからに乾いていく

いつしか息も苦しい


作りたい

私の望むモノ

作りたい


水を求めるように

悲鳴をあげる脳みそを絞る

でも

出来るものはゴミばかり

ゴミなんかで人が喜ぶわけないじゃないかと

悲鳴をあげる体を絞る

望むモノが作れないのに

求める声が段々大きくなる

応えられない声

耳を塞ぎたいのに

私は耳を塞げない

私は精いっぱい脳を絞る

すっからかんの脳は悲鳴もあげやしない

私が絞られていく

私が乾いていく


絞りかすになって

からからと乾いた私に

お医者さんは言う

「あちらの病棟で一か月休養をどうぞ」

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