伝わらない言葉について

 前々からSMAPファンのファンをやっているのでなんとなくSMAPの動向は追っている。やはり4/30オンエアの「まつもtoなかい」はファンを狂乱の渦に巻き込んだそうで、5/7の「7.2 新しい別の窓」でも何かが語られるのでは? と盛り上がってる。


 で俺がSMAPファンの何が好きかというと「解釈力」なのだが、今回ちょっと凄いとこまで行ったなと思うのが、香取くんが中居くんにメールしまくってた件の関連事項である。


 まず、そもそもSMAPに関心ない方に向けて説明をしておくと、2016年のSMAP解散以来、木村拓哉(ジャニーズ在籍)、中居正広(最近ジャニーズ退社して「のんびりな会」設立、独立)と稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛(ジャニーズ退社、「新しい地図」設立して独立)というのは共演の機会がなかったわけ。しかし、香取くんが結婚した時とかには各々おめでとう的なコメントを出したりして、それなりにはつながりがあった。あと、中居くんが実は病気してて、2022年末付近からしばらく休養してた。このへんがとりあえず知っておくべき知識であろうか。


 そんでこの病気休養期間に、「新しい地図」メンバーにも取材などが行ったと。で、そん時香取くんは、「少し連絡してました」と言うようなことを言っていたらしい。ところが、実態はというと、二ヶ月毎日メールで連絡していたと。まずこれでファンは大号泣だったというのが「表の」物語である。


 いやこれはもう十分素敵な話というか、いい話だなあと思うわけ。ところがこのいい話、いい話すぎて、これだけで終わらせるの勿体無い。と思ったのか知らないが、今アツいのは次のような話である。まず香取くんは毎日連絡していたと。で、中居くん的には、「剛や吾郎に言われて連絡してたのかなあ」と思ったが、そうではなかったことが番組で発覚したと。それに驚いた中居くんが言うわけ。


 「剛は『どう?』とかあったのに、吾郎は二ヶ月、三ヶ月、全く連絡してこなかった」


 と。


 問題。ここから読み取れるメッセージを述べよ。


 あのー、パラグラフ・ライティングとか、パラグラフ・リーディングと言われる、あれはなんですか? 技法? でいいの? なんかそういうのがある。どういうことかというと、一段落には基本的に「1個」言いたいことを決めて、それを言いましょうとか、逆に、名文というのはそうやって書かれているので、だから段落から一個の言いたいことを読み取りましょうとか、そういうことだと思う。このパラグラフ・リーディングから言えば、「稲垣吾郎は連絡をしてこなかった(から寂しい)」が正解となるであろう。


 違わいッ! と言うんですな。ファンは。


 いや別に吾郎ちゃんが連絡をしないことが「違う」と言っているわけではないんだけどね。つまり、この言葉というのは、「木村拓哉は連絡をしてきた」を意味するっていうんですよ。え……そうか……? 


 稲垣吾郎という男は余計な連絡をしない男なんですって。だから、森くんが脱退する時も、なんか一人だけ連絡をしなかったと。そういう美学を持った男だということをファンはみんな知っているし、ファンがみんな知っていることを中居正広は知っている。じゃあなんでわざわざそんなこと言ったか? というと、連絡のは吾郎ちゃんだけ、つまり、木村拓哉は連絡をしてきた! ということを伝えるメッセージなんだよぉ〜〜ッ!!


 という。いや全SMAPファンの共通解釈かは知らんけど、俺は少なくともそういう話を聞いたよ。なんかすげーなと思って。『船』は『二隻』あったッ!! みたいな。ジョジョのバトルの解釈かよという。アツい奴らだよな。SMAPも、そのファンもよ……。


 しかし一歩間違えると『世にも奇妙な物語』ゾーンに突入しうるなとも思った。


 ってのはそのー、だから、これで仮に吾郎ちゃんが香取と一緒になってメールを送ってきたとするじゃあないですか。その場合、それはそれで「アツい絆だぜ」になるわけでしょ? 普段はメールをしない男が、今この時ばかりは繋がろうとしたんだ……! になるわけですよね。で、メールをしなかったらしなかったで、「アツい絆だぜ」になる。じゃあもうアツい絆以外を実行できないわけじゃあないですか。いや本当にアツい絆があってそれを読み取っているんだったらそれで全く問題ないのだが、もし「いやもうアツい絆もいいかなあ、いい年になったしね」ってなった時、どう言えばそのことが伝わるのか? というと、これもうどう言っても伝わらねえんじゃあないのか? という気もしちゃうんですよね。いや別にそんな気持ち伝える必要ないじゃんかというのはそれはそうなのだが、だから度々言うけど後年にSMAP研究者がいたとしたら、「文献」として残っているのはそういうアツいファンたちの解釈であるから、SMAPの「絆」は生涯途切れることはなかったのであった……って解釈が一般的になる気がするんですよ。実際はそれでいいと思うんですよ。でも、もし、万が一、「そう思われるならば死んでも死に切れぬ……」みたいな気持ちの人がいたらど〜すんのかなって。ちょっとそう言うことを思っちゃうなって、いやこれはあり得ない仮定ですけどね……。


 全く別件で、そんでこれめっちゃくちゃ不敬な話なので、皇室を敬愛している人は読まないでください。


 なんか、Twitterは関連トピックで「お前これ興味あるんちゃう?」と言うのをサジェストしてくるというのを前も書いたが、「ドモホルンリンクル架空のトピックです」タグってなんかたまに変なのを拾う。最近は「婚活」アカウントとかまでピックアップされてて、まあその婚活する人が「ドモホルンリンクル」を使ってるとかね。自己アピールの一種に「ドモホルンリンクル使ってます」とか書いてたりして、いやー本質的には全然関係ない

なってツイートもたまに出てくる。そこに、なんか、怪文書のような文面があった。


 詳しくは言わないんだが、まあなんか悪意を感じる文章である。ただ、マジで何言ってるか分からない文でもある。誰かに悪意を伝えたいこと自体は明瞭なのだが、その意味内容が読み取れないという不思議な文で、なぁんじゃこれって思ってその人のツイートを遡っていくと、まあなんか本当によく分からんのだが、上皇后陛下に対して熱いヘイトを抱いている人たちがいると言うことが分かった。それで、「なんか熱くなってしまったのでブログを書きました」みたいなことを言っているので、ついそのブログを読んでしまったんだが、これがすげーーんだよ。


 例えば、「皿パリン」という言葉がある。Twitterでも検索してみると、なんか独特な用法で使ってるなあと言う人がいると思うんで、それを見ると分かるのだが、あのー、別になんかこの人と敵対したいわけでは全くないので、それは言っておきますね。全体に皇室に対して愛憎がありません。


 とにかく話を戻すと、「皿パリン」と言う言葉が、なんか呪詛的な文脈で使われており、皇后陛下以外の誰か(皇后陛下はその人には人気あるみたいでした)に対するなんらかの揶揄であろうということだけはわかる。けど、それが指す意味内容がまーーーったく分からない。で、まあ「界隈」では有名な言葉なのかなあと思って調べても、すぐには出てこないんですよ。検索ワードを工夫して調べて、ようやくなんか、上皇后陛下がかつてお被りあそばされていた帽子が皿のように見えると言うことがわかり、まあ一般的にパリンというのは皿が割れる擬音語である、と言うことは……あやっぱ呪詛なんだ……と言うのがわかるっていう。で、この一語だけじゃあないんですよ。かなりの部分が専門用語で構成されていて、だから、繰り返すようだが、「呪っている」と言うことだけがわかる。何を? どう? と言うのはトーシロには全然分からない。一方、伝わってる人は確実にいて、なんか親身なコメントがついてはいる。こういうブログなんですね。すごすぎる。


 だからそのー、このブログの目的というのは、「既にその言葉に辿り着いた人たち」にメッセージを伝えること以外になくて、例えば俺とかがそれを読んで開眼するべき、とかは全然思ってないんだと思うんですよね。だからまあ、短く言えば「お前なんかお呼びじゃないよ」と言うことなんで、勝手に呼んで勝手に分からんって言うのは本当に言いがかりに過ぎないわけだが……なんか考えちゃうよね。


 以前、「真に言葉を必要としたのは陰キャである」と唱えた(https://kakuyomu.jp/works/1177354054881038781/episodes/1177354054919367047 )。言葉というものが社会を構成したのは間違いないと思うんだが、ここでいう「社会」というのは、ぜんぜんグローバルじゃあなかったんだろうなあと思う。むしろ、ごくローカルな小集団が、その同質性を維持し、同質性を相互確認するために言葉が発展したのではなかろうか。そう考えると、話せばわかるなんて無理だよっての、当然すぎる帰結であって、むしろ分からないように話して分かるやつだけが友達なのが言葉というものの本質なのかもしれないなあと思う。


 「凱旋打ってて、どう考えても通常Aのところで遅れて、これはもらったっしょって思ったんだけどハズれてたんで、じゃあ準備だったか〜と思って追ったけど結局即抜けで20本負けですよ」は、

「『ミリオンゴッド神々の凱旋』というパチスロ機種には、通常A、B、天国準備、天国ショート、天国ロングなどの「モード」と呼ばれる状態があって、「天国」状態にモードが移行しない限り、大当たりを引くことが極めて困難である。今いる状態は「出目」と言われる液晶に表示される数字等から推測できるが、この数字が明らかに「通常A」にいることを示唆しており、特段モード移行の契機になるような特定役(図柄の一定のパターン)を引いたわけでもないので、「通常A」モード、すなわち当たりにくいモードにいると思っていた。すると、メダルを投入して、レバーを叩いたあと、リールの回転と同期して「ピヨッ」という音がするが、今回、リールの回転に「遅れ」て「ピヨッ」という音がした。この演出が意味することは4つある。


 1.1/8192で引けるGOD揃いが成立した.

 2.約1/7000(確か)で成立する赤7揃いが成立した.

 3.約1/500くらい?(自信なし)で引けるフェイク赤7(まあ、端的に言えばハズレ)を引いた 

 4.現在天国準備状態以上にいることを示唆する演出が発生した.


 このうち、「どう考えても通常A」から4.は否定される.第一リールを停止したところ、赤7が停止しなかったので、2.と3.も否定される.ということは1だ! と思ったがGOD揃いも成立せず。ということは、意外にも「4」だったので、じゃあ当たりやすい状態に近づいているのかあと思ってもう少し回したが、結局あたりを引けず、2万円(「サンド」と呼ばれるメダル貸出機には1,000円単位で入金することから、パチスロ界における「1本」は1,000円を指すことが多い)負けてしまった」


 を意味するが、スロット知らない人にこんな話してもしょうがないので、この話をするのは知ってるであろう相手だけであって、そうすると例えば世界に公開しているブログであっても、「誰にも伝わらない言葉」になってしまうとこういう寸法である。


 言葉というのは何かを伝えるためにある。しかし、いろいろな形で結果的に「伝わらない言葉」が存在する。その伝わらなさの背景には小集団の存在がある。つうことは、言語で持って世界を繋げようとするの無理ゲーなんじゃあないですか? もうなんか、ドロドロになって溶け合って一つになるか、それかもう断絶を許容して小集団で生きていくか。そういうニヒルな気持ちになってしまうね。


 2023年05月05日 10時06分の測定結果

体重:105.90kg 体脂肪率:34.60% 筋肉量:65.65kg 体内年齢:52歳


 とか言ってたら1日が終わりました。あとは……ガチ風呂掃除もした。優先順位的には高くは無かったが……。でも掃除をすると、少なくとも今日は虚無では無かったと思えるからいいですね。それではまた。










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