前のエピソード――不審なのか、やさしさなのか／今回「せっかくだから飯」多すぎるかもしれません

　そこそこ兵庫県をうろついているが，神戸空港⇄三宮間（特に神戸どうぶつ王国），三宮中華街，神戸市街，飛んで姫路しか行ったことがない。今回，仕事は終わってのんびりできるはずだったのと，会議が金曜に終わる予定だったので，まあじゃあ土曜日もう一泊どっかでするかと思って，有馬温泉に宿をとった。

　で、これは本当にあんまり良くないなァと思うが，最近旅行前にその地域のことを調べることとかをぜ〜んぜんしなくなってしまった。別にそのなんか，一期一会の旅だみたいな思想があるわけではなくて，本当はちゃんと計画したほうがいいと思っている。でもなんかダルいというか，気づいたら旅行当日になっているというかね。そういう感じなんで，現地の様子とか移動方法とかを何一つ知らないまま着いて胡乱な観光をして過ごすことになる。今回もそうで，とにかく10時に姫路をチェックアウトして，まず三宮まで出る。これが昼前だったから，昼飯はこの辺で食うのが正解だった気がするが，何せなんも調べてないから。こっから有馬温泉はどうやって行くんだ？　ってだけ調べて，早速移動する。しかし近いスなあ、有馬温泉。三宮から谷上だったっけ，なんかそんなところまで地下鉄で移動して（10分くらい？），そっから有馬口まで電車で行って（10分くらい？），最後有馬口から有馬温泉まで行けば（なんか数分だった）着く。これは定山渓より近いかもな。

　草津温泉は群馬中心街，高崎だっけ，あの辺から結構電車に揺られるんですよ。蔵王町も結構遠かったイメージがある。道内で言うと，札幌からだったら朝里川温泉も登別温泉もそれなりに距離があるでしょう。定山渓はすぐそこだが、すぐそこつっても25 kmくらいはある。なんと，有馬温泉から三宮までって12 kmくらいしかないんですよね。頑張れば遠足で来れる。へえ〜こんな近いんだって感じ。

　ってなわけで，めっちゃすぐ着いてしまったので、チェックイン時間まで結構間がある。俺としては，まあせっかくの温泉宿であるし，これはちょっと何度か湯に浸かって，文豪気分で小説でもものすかと思ってた。ていうか仕事終わってないから，まあ，最悪仕事もちょっと進めるかと，そんなことを考えていた。おあつらえ向きに泊まってるホテルには，いわゆる「金泉」（定義不明）(鉄分多めの赤い風呂が金泉なんかな)と屋上の展望露天風呂がある。最低2回は入れる。よしよし。ここで英気を養って、10月を頑張って乗り切ろう！！　って思ってたんだがチェックインまで2時間半くらいあるわけよ。で、有馬温泉駅からホテルまでの間に，炭酸せんべい屋とかお土産物屋は確かにあるが，ちょっと2時間半は潰せなさそうである。ちょっと離れたところに，太閤の湯っていうスーパー銭湯っていうか，なんかレジャー風呂施設っぽいところはあるらしい。7000平米もあって，大人の入館料二千六百円みたいな。あれか？　常磐ハワイアンセンターみたいなもんか？　そのノリではないんだよな。

　まあでも，何しろ飯を食ってないのです。腹も減ってないけど，ま、なんか食うか。まずは飯屋でも探すか……ということで，宿に荷物預けてフラフラ〜と歩き出した。

　で、タイトルに戻るが，有馬温泉は六甲山の麓にあるんですよね。だから基本山で、周辺が坂だらけなんだよ。まずなんとなく坂道を登ると炭酸泉源がある。はー、ってそれを横目にまた坂を登ると，稲荷神社がある。結構な石段があって，うわーここでお百度参りした場合，この石段を百往復するのか。死んじゃうよ。でもそれくらいしないとご利益ないのかなあ……ってくらい，既に絶望的な石段なのね。でもまあ時間もあるし。登ってみるか！！　って思ってその石段を登るじゃん。したら，登り終えたところに、登山道の最初くらいの坂道が続いてて，「こっから神社本体まであと200m」という旨の表記がある。真剣に絶望したよね。でもせっかくだから登って見るじゃあないですか。もうヘットヘト。神社の前のベンチでハアハア言いながら休んで，そんでまた商売っ気がないというか，自販機もないのよ。お茶が必要だった……とか思いつつ，景色見ながらちょっと休憩して，下る。いやー良い運動をしてしまったぜ。あとは昼飯どっかで食おう，って彷徨っていると，「愛宕山公園」の表記が見える。なんか，秀吉がなんかしたなんかがあるらしい。へえ〜。公園ね。行ってみるか。って一歩踏み入れたらまた階段。で、これも「山？」みたいなところを登らされて（まあ，愛宕「山」だもんな……），ようやくその秀吉のなんか（「亀の手水鉢」）を見たら，まだ上があるという。もういいよ〜〜と思うが，ここまで来たから登るじゃん。もうヘトヘト。もうこれ以上標高が高いところはコリゴリだよ〜〜って思って歩いてたら，ロープウェーがあるんすよ。まあ，ロープウェーは俺が歩くわけじゃあないしなって思って乗ってみた。

　これは結構良かったです。つってもまあ，シンプルにロープウェーの景色がいいだけで，山頂ではそんなに何もしていないが。一応山頂にレストランとかフードコートがあるんで，そこで飯を食う。

　ちょっと余談だが、そのフードコートとかのすぐ近くに，なんかアートなんとかを謳っている施設がある。ここが五百円の入館……入場料を取るのだが、個人的な感想としては、「いやー無料で良くない？」って感じだったのでいちおう言っておく。

　なんか，そもそも展示が少ねえの。で、その展示自体も、うーーん。まあ美術を解さない人間なんで、なんとも言えないけど、まあ、俺にとってはそんなでもなかったですね。英国国立美術館入館無料だが？　って思いながら、15分くらいで観終わっちゃった。微妙だなー。余談終わり。

　今六甲山はアートをやるぞってなってて、あともっと散策すると色々アートに触れ合えたようだが、まあいっかと思って降ってきた。近くに水上アスレチックゾーンみたいなのがあって、あれは子連れで来たら楽しいでしょうね。でもまあ、もう十分だなって思ってちょっとお土産かってロープウェーを降りたら、16時。風呂入って、飯食って、風呂入ったらヘトヘトになって、かなりぐっすり眠ってしまった。

　まあ、トータル癒されたと言って良いと思うんだが、なんか、「のんびり過ごそう」と思ってた割には歩き回ってしまったなァという感じです。別にいいけどね。風呂はかなりいいです。近いことはわかったし、もう稲荷神社も見たから次は坂を登らなくて済むし、また来ようと思いました。今日は札幌に帰りますが、帰る前には中華街寄って飯食おうかなと思うのと、今日も今日とて実は結構飯食っている（山頂で明石焼き・豆乳うどん、降りてきてすだちそば、天丼）ので、体重計には乗りたくないです。でも自分を見つめなおさないとな。

　朝は男女の風呂が入れ替わるそうなので、もう一回入ってきます。そんではまた。次は札幌から日記を書きます。