「ドモホルンリンクル・マン」という設定の整理、笑ってしまうくらいすべてが上手くいかない日、突きつけられる人望の無さ

 時々書いている、「ドモホルンリンクル・マン」絞りってなんやねんということを改めて整理しておくと、そもそものことを言うと「ドモホルンリンクル(化粧水?)を抽出しているところを見守る」という仕事があるというCMが昔あったんですね。で、2022年現在、「ドモホルンリンクルを抽出しているところを見守っている人がいる」ってのがどれくらい社会常識なのか、現在でもまだドモホルンリンクルが抽出されているところが果たして見守られているかは知らんが、とにかくかつてそういう仕事があった。そしてこれに似た仕事は現代にもあって、俺は時々そういう仕事をしているのであった。というわけで、比喩として、「ドモホルンリンクルを抽出されるところを見守るような仕事」ということを言っていた。


 ところがこの仕事が本当に「ドモホルンリンクル」のような非生命体を扱っていればよいのだが(ドモホルンリンクルが非生命体から抽出されているというのは、知識とかCMでやってたとかではなくて、単に俺の願望である)、実際のところは生命がちょっと関与している。しかして、その生命部分を詳らかに書くとなんか面倒くさいことになるかもしれない。あのー、別に動物愛護団体とかが騒ぐとかそういうことではないです。これは本当。信じて。どんな命も全く棄損していない。ただ一応言っておくと別に動物実験というものを否定しているわけでもないです。えー、話がごちゃついたが、短くまとめると、生命が関与することがあるが、その生命について詳しいことを書くとダルくなる可能性があるという話だね。というわけで、どうせ比喩で説明しているのでこの生命部分についても比喩で書こうと思った。それがドモホルンリンクル・マンである。


 ドモホルンリンクル・マンというのは、非実在生命で、そのー、だから、まず知性はないよね。当然。あったらコトですよ。で、あと人権もない。当然のことながら。「マン」って書いているけど、それはだからその見た目から名付けられただけのことであって、例えばじゃあ、「タコスッポンダケ」はタコでもスッポンでも人間の指でもないが、見た目だけみて「タコ」とか「スッポン」とか「死者の指」と呼ばれているわけだ。そういう感じです。ドモホルンリンクル・マン。


 そのドモホルンリンクル・マンからドモホルンリンクルを抽出する。まあ、これは比喩だから分からないが、「頭」に相当するところを万力で締め付けたりすると、苦悶の叫びのようにも聞こえる音を上げながら、ぽたぽたと何かを垂らすんじゃあないですか。たぶん。想像上の話なので、「そうだ」と言い切ってもいいんだが、言い切るとちょっとなんか酷いことしているみたいになりそうだから、伝聞形式にしておきますね。で、近所にこのドモホルンリンクル・マンの【収容所】と【処理場】があるんだが、土日は稼働してない。というわけで、土曜日には時々この【処理場】とドモホルンリンクル・マンの使用料を支払って、いわば闇ドモホルンリンクルを抽出している。で、闇ドモホルンリンクルをドモホルンリンクルより安く売る。そうすると、お客さんは安く買えてうれしい、俺は使用料との差額が儲かる、【処理場】は使用料も払って貰えるし、一度ドモホルンリンクルに触れた「ユーザー」は「リピーター」になりがちで、で「闇」の方は何せ俺が個人で土曜にたまに精製しているだけだから、そんなに数が出回らない。つうことで、リピートするには正規品を買うしかない。そういう意味ではこの闇ドモホルンリンクルでの利益損失は広告費と考えることもできる。そういうわけで、ある意味三方一両得みたいな状態になっている。


 今後、「ドモホルンリンクル・マンを絞る」と書くときには、間が空いたらここを参照しようと思いますので、ここまで読んだら該当記事に戻ってください。ずっと読んでて「知ってるわ」という人はくどくどとすみませんでした。


 でまあとにかく金曜の夜に【器具】のセッティングをして、土曜日には【処理】をしに行ったわけだが、なんと、一体のドモホルンリンクル・マンが逃げたっていうんですよ。これは困った。衰弱死してましたとか、動かなくなっていましたとか、とにかく、状況が分かってできないんだったらいいが、「逃げた」はまずい。確実な「確保」をしなければならない。ってのでちょっとバタバタして、結論として、ドモホルンリンクル・マンはちゃんと見つかったし、なんか鍵の管理方法が間違ってたことが分かったので、っぶね~じゃあ今後気をつけようね~つって、午前の部は徒労だけで終わった。まあ、こういうこともあらァな、帰って時間が出来て良かったねって、11時くらいに一回帰って、15時に再集合した。


 ほんで、俺はもうここでかれこれ14年くらい闇ドモホルンリンクル絞りをしているわけだが、まあそのなんか定着率が悪いんすよね。やっぱみんな真っ当な仕事に就いちゃうんですよ。すぐ。というわけで、しょっちゅう新人と入れ替わる。今回も新人と入れ替わってたんだが、まあ、前任者にちゃんと引継ぎしとけっつったわけ。言ってて、引継ぎの様子もある程度は満たし、なんなら前任者と新入りを交えて一回は絞ってた、にも関わらず、やっぱ新入り一人で機械操作任せると、進まねえんですわ。まあこれはある程度織り込み済でもあるから、しゃあない、ゆっくり、暖かく見守ろう……と思ってたのであるが、ドモホルンリンクル・マンを絞り始めた後で、機械がうまく動きませんと来る。で話を聞いてると、何週間か前に別の機械でも起こった問題のように思った。つまり、その機械はライセンス契約をしているタイプの機械で、Office365みたいな。たまにアカウントにサインインしてアクティベーションしてあげないと動かなくなるみたいな性質がある。ってことで、「ああ、それ前任者がアカウント持ってるはずだけど、聞いてない?」って聞いたら、「聞いてない」という。いや何週間か前にビッタシそれでトラブったやろがい。なんでその後引き継がないんだよ。って思いつつ、じゃーしょうがないから、こっちのアカウントを教えるよって言って、俺の機械の方でウェブサイトにアクセスして、アカウントを教えた。で、俺の方の機械を再起動したら、今度は俺の機械がウンともスンとも言わなくなる。


 良く良く調べてみると、この機械は、別の機械(これは【処理場】の誰かが作った機械)からの入力を変換して、また別の機械に送り込むためのものなんだが、「別の機械」からの入力自体は受け取っている。ただ、送信部分――ここがライセンス契約している外注のところ――がどうも機能しなくなっているらしい。たぶんだが、さっきのアカウントのくだりで、俺の機械の方に自動アップデートがかかってしまい、そのアップデート処理の結果、自作機の信号がうまくエンコーディングできなくなったみたいな感じだと思われた。で、こうなると、ライセンス機の方はなんせ外注の汎用機なんで、俺らのためにどうにかしてくれとは言えないので、自作機の信号を変換するか、変換機をかますかしないといけないが、変換機はすぐには作れないし、自作機の信号を変えてしまうと通常の工場稼働の方に問題が出るかもしれない。というわけで、ここで絞りをストップせざるを得なかったんだが、絞る「前」だったら良かったんだが、絞り始めてすぐ止めちゃったので、ドモホルンリンクルはほとんど取れてないのに、使用料と時間だけめっちゃかかるみたいになった。もー。参ったぜ。


 でも、まあ、繰り返すがそういうこともある。仕方ない。それで、とりあえずこの信号機をどうするかってのを工場と打ち合わせなきゃなあってメールなど書いて、片付けを終えて、時間はもう19時半とかになっていた。おそらくこの新入りも疲れただろうし、失敗で少し落ち込んでいるかもしれない。ここは先輩として、晩飯でも奢ってやるか。と思って、部屋のクロージング作業手伝ってたら、「あ、あとやっとくんで、帰っていいですよ」と言われる。でもそのー、実際のところ、「あとやっとく」って言っても、部屋自体の掃除とか片付けって、大半は俺がやったんですよ。残りの「あとやっとく」部分って、自分の荷物をまとめて鞄に入れるとか、ほんとにそれくらいしかないのよ。俺も長く生きてきて、だいぶ人の心が分かるようになってきた。これはそのー、同じタイミングで部屋を出ることになると、例えば地下鉄駅とかまで一緒に歩かないといけない感じになるが、それはちょっと気まずいから嫌だってことだな? ってことは、たとえ奢りであっても、晩飯一緒ってむしろ罰ゲームだなっ感じだな?? ということを察知したので、「了解、お疲れ様」と言って何事もなかったかのように帰りました。いやー。無いですねえ。人望ってヤツが……。


 なんか強く虚無に襲われそうになったので、珍しく一人で飲んで帰りました。


 2022年09月18日 11時02分の測定結果

 体重:102.50kg 体脂肪率:33.10% 筋肉量:65.05kg 体内年齢:49歳


 増えなくて良かったです。それではまた。

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