You only line twice (デブは二度並ぶ)

 近所にゴーゴーカレーが出来た。ゴーゴーカレーというのは、金沢で有名なカレー店らしい。俺は出来るまで知らなかったが、年上の男(時々Hというイニシアルで書いている男なので、今回も以後そうする)が知っていて、結構前から「雅島君の家の近くにゴーゴーカレーできるみたいですね」と言っていた。


 で、24日の夜に通りかかったとき、このゴーゴーカレーが2月25日午前11時55分にオープンするというチラシが貼ってあったので、Hに一応連絡したみた。


「ゴーゴーカレー、11時55分にオープンだそうですが、何時から並びますか?」

 と。こういうのを不自由な二択という。二択じゃないけど。


 そしたら、「11時頃に様子見てみますか」と返信が来たので、まあいいとこかなと思って、翌朝11時に行ってみたら、6人くらい並んでる。めちゃくちゃちょうどいいタイミングじゃあないですかね。ま、今日は幸いそんな寒くもなければバカみたいな雪も止んだし、7-8人目で入るんだったらさすがにファーストロットで入れるだろうから、1時間くらい待ってもいいんじゃないですか、と言って並び始めるが、Hが並ぶの下手すぎてちょっと笑った。

 確かに多動な男なのだが、42歳とかですよ、確か。それがたかだか1時間待ちで、ずっとなんかこまごませかせか動いていて、「寒い」とか、「こんなに並んでいるんだから早くオープンすればいいのに」とか言っている。「寒いのはまあともかく、並ばせておくことである種の宣伝効果もあるし、取材も来てるし、まあ時間通りに開けるんじゃあないですか」と説明してみたが、いや開けてもいいと思いますよといって聞かない。当然と言えば当然だが、11時55分に開いた。いやしかし、札幌にも並ぶ店ってあるはあるわけですよ。まあ、二郎とか。それはちょっと特殊としても、スタバとか行列結構できてますからね。ジンギスカン屋とかも結構並ぶ店が多い。「そんんなに並ぶの下手で、普段どうしてるんすか?」って聞いたら、「酔っぱらってるとわりと並べる」ということだった。じゃあ酒を入れてくればよかったですね。


 ほんで、提供はバカ早いので、入ったらすぐ出てきて、そんで、中サイズでも腹いっぱいになるくらいの食べ応えがあり、結構満足した。一口目は甘いのだが、口の中と後味で辛いというちょっと不思議なルーで、まあ、カツには合いますね(デフォルトでロースカツとキャベツの千切りが載っている)。スプーンではなく、歯の太いフォーク一本だけで食うようになっていて、まあ、カツ食うにはすげー食いやすい。取材に来てた金沢テレビのカメラマンによると、「むしろこれが普通」らしい。へー。面白いですね。唯一気になったのは、コメがぬるいところだが、まあ、初日だし、なんかしばらくコメだけ皿に入れて並べておいたのかもしれん。もうトッピング無料券いっぱい貰ったし、体重がもう少し落ち着いたらまた食いに行こうと思った。


 でまあ、このように、朝からというか昼からカツカレーを猛然と食ったわけだが、別に考えがなかったわけではなく、ま、「これで終わり」にしとこうと思ったんスよ。本当に。信じてくれ。だから、昼に結構がっつり食べる。そのかわし、そのあとはちゃんと活動もするし、夜は食べないか、食べてもなんかサラダだけとかそんなにしといて、体重を維持ないし減少方向に向けようと、ちゃーーんと思っていた。


 で誤算の一つは、俺が自分で自分を見積もっているより遥かに無能であることだった。


 これさー。たまに自覚するんだけど、その時はすごいなんかダメージがありますよね。その、例えば、「カレーを食って一回家に帰って歯を磨いてから仕事しようと思ったところ、配信されたムジュラの仮面をやってしまって、そんで何もできなかった」という場合って、別にそんな傷つかないんですよ。だって、俺はムジュラの仮面をやっちゃってるわけだから。もちろんそのー、本来やるべきことを放置して、ムジュラの仮面をやる、ということはそれは確かに無能の所業なんだが、しかし、一方で、「この時間に作業をやってればなー。きっとこんなに進んだのに」と思い続けることができる。ところが昨日は、ちょっとワケがあって、ひとたび職場に入ったら定時まで外出とかサボりが難しい状況にあった。というわけで、俺も特にサボらず、というかなんだったら提示を1時間過ぎたくらいまで、割と黙々と作業をしていた。まあ、最後の1時間は、「いやこれ前買ったと思うが、その買ったやつがどこに行ったかわからない……」で、探し物兼デスクトップ整理みたいなことをしてたので、ここはまだ言い訳できるんだが、13時から17時半は全然言い訳が効かないんだよ。


 何が言いたいんだよというと、つまり、俺は13時から17時半まで、かなり全力を注いで仕事をしたんだが、成果物はA4で4行の文章だったのであった。


 やっば。4行て。お前。マジで? このペースで行ったらこの作業、今年の年末くらいまでかかるのでは? おいおいおいおい。大丈夫か? こんなに能力が低くて……。って、結構落ち込んだ。こんなことならムジュラをやっていれば……と思うが、まあ、ムジュラやってたらこの状況に気づけなかったですからね。早く気づけて良かったか……でもリカバリーの方法が全然思いつかないけど……。


 で、落ち込んでしまって、俺は2つ目の過ちを犯した。この話をより無能な人間にしたのである。だから本当は能力がある人間に相談して、どうしたらいいかとか、まあ、他に人を入れてもらうとか、あとはまあ手伝ってもらうとか? そうするべきなんだろうが、なんかそれはより深く己の無能と向かい合うことになるじゃあないですか。それはちょっとさ。時間が必要だよ(時間が過ぎるとより問題は深刻になるのだが?)。そんで、とりあえず一回問題解決に寄与絶対しない無能に話すだけ話したくなるわけよ。ということで話した。そしたら、


「じゃあ、まあ気分転換に、ポケモン交換しますか。ボックスも整理したいし」とくる。これだよ~。無能に相談する効能。すべてをどうでもよくする。最終成果にとってはどマイナスだが、短期的には麻酔的な効果がある。で、いいよーって言って、駅で合流することにした。


 が、水曜の日記に同じこと書いててぜーんぜん学習してないが、だから「まん防」まだやってるんだって!! そうだったわ。無能が二人揃っちゃうとそれを誰も指摘しねえんだわ。またこの、俺じゃない方の無能がちゃんと俺と同じこと言ってるもんね。「酒が出ない店は20時に閉まって、酒が出る店は21時まで開けていいの、意味わかんなくないですか?」


 ほんとそう思う。ほんとそう思うけど、お前と俺がそう思うってことは、もしかしたらスゲー賢い施策なのかもしれないな……。


 で、結局、ふらふら歩いてたら、行列ができてる店を見つける。そこは、一応酒も提供している(が、酒はすぐラストオーダーになる)ので、21時まで営業が出来るらしく、札幌中の無能がそこに集まって列をなしている。じゃあまあ並ぶかね~つって、また並んで店に入った。で、本来は、茶でも飲みながらポケモン交換できればそれで良かったのに、結局、本来は酒を供する店に並んでまで入ったわけですよ。まあ、並んでる間はポケモン交換して待ってたので、朝と違って余計なごたごたはなかったんだけど、でもまあせっかく並んだしな……ってことで、なんか、結構いろいろ食い物を頼んでしまってね。結局朝した「昼はがっつり食べたから夜は抜くか軽くしよう」という誓いは雲散霧消してしまった。


 まあしかし、101 kgあたりをうろうろしていたからな。基本の体重が101 kg台で納まっていれば、以前102.5 kgのところに壁があってここから下に行かない!! って言ってたときよりは状況が改善したといえる。まあせいぜい101.5 kgとか、その辺に納まるだろう。そこで反省すれば、また100 kg台に戻り、3月を90 kg台で迎えるというのもまだ不可能ではないはずだ!!


 2022年02月26日 09時09分の測定結果

 体重:102.50kg 体脂肪率:33.50% 筋肉量:64.70kg 体内年齢:49歳


 「自分を知れ…」

 「そんなオイシイ話が」

 「…………あると思うのか?」


 「お前のような人間に」


 深く納得しました。おとなしく無駄無駄ラッシュを受けようと思います。それではまた。


 

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