「冷たい水がうまい」ってなんだよ

 世界三大謎というのがあって、一つ目は「豆乳ごまだれ鍋がやばいくらい旨いと感じることにはどういう進化生物学的利得があるのか」、二つ目が「天ぷらにして食うとありとあらゆるものをうまく感じるのはどういう進化生物学的利得があるのか」、そして三つ目が「冷たい水がうまいというのはどういう進化生物学的利得があるのか」である。


 そのー、「しょっぱいもの」がうまいのわかりますよね。人体にナトリウムは必須。ナトリウムイオンを細胞内から追い出す専用の装置があって、そこにATPを使っているくらい……って言うとめちゃくちゃいらないもののように見えるな。いるんだよ。まあ、こんなん説明しなくてもわかるやろ。塩は必須。『「振り返ると塩の柱になる小道」にモンスターを誘い込んで、採取した塩を元手に交易をしてぼろ儲けした結果wwwwwwww』みたいなラノベありそうでしょ(どうかなあ)。


 言い募るだけいらなそうになっていくので、もうやめて、次、甘いものが旨いのもまあわかるんじゃん。糖質は高エネルギー体なので、もうちょっと栄養が悪かった時分には、糖類をうまいうまいと言って食える個体は生き残りがち。ね。


 「豆乳ごまだれ味」が好む個体だけが生き延びられる時期が歴史上存在したか!?


 してるわけねえだろ。じゃあなんでこんなにうめえんだよ。謎すぎる。

 天ぷらも大体同様の理屈です。熱いものがうまいのはわかる。でも衣つけて大量の油でサクっと揚げてめんつゆつけたらハイパーうまうまモード突入、は、そんな生物滅びると思いますよね。コスパ悪すぎるから。でも実際のところ我々はそれをうまく感じるようにプログラムされているわけ!! どーなってんだよ。なあ。


 で、「冷たい水がうまい」だよ。これも意味わからんというか、まあその、茹でた 水(お湯という言葉を知らないのかな?)がうまいのはいい。殺菌してるからね。冷やすのは単純にどう考えても高コストじゃん。のわりに殺菌作用そこまでないじゃん。エントロピーってのは基本的に増大するのよ。冷やすというのはエントロピーを下げることに他ならないので、いろいろ工夫をしなきゃいけない。高コストである。例えば、清流の湧き口までえっちらおっちら登ってって飲むとか、冬の間に雪とか貯めといて氷室を作ってそこにまたぞろ水を汲んでいって冷やしておき、即飲むとか。そんで飲んでるものは水だからね。絶対損失でしょ。

 これは本当かどうか知らないけど、雪山で遭難とかして、のどが渇くから水を飲もうと思って、雪を飲むじゃあないですか。これ、雪で冷える分のエネルギー収支が合わなくて、死期を早めるらしいんですよ。つまり、冷たいものを飲むのはエネルギー的に損失まである。

 

 しかしうまいのである!! 意味がわからねえよ。なんなんすかね。


 そんで、「冷たい液体」のストックが足りな過ぎて、牛乳(すっきりCa鉄)に手を出してしまった。一晩で一本あけちまったよ。いくらすっきりCa鉄がローカロリーつっても、一本空けたら結構なカロリーですよね~。でも止まらなかった。夏が悪い。暑い。まいってしまいますね。とりあえず氷・コーヒー氷を量産して、こういう無駄カロリー飲みを減らしていこうと思います。あと、暑すぎたのと仕事があったので、フィットボクシングはさぼりました。今晩は仕事はないので、どんなに暑くてもフィットボクシングはやります!!!!!!!!!! いやどうかな。ジョギングにするかもしれない(外の方がすこーしだけマシ)。でもやる気はある。スーパーカブの続きも見たいし。


2021年07月20日 08時18分の測定結果

体重:99.75kg 体脂肪率:32.00% 筋肉量:64.30kg 体内年齢:48歳


 牛乳分って感じ。未来には無数の分岐があって、そこから一個を掴み取っていくわけだが、たとえば今回の分岐は、「冷たい飲み物が飲みたいので、近くのコンビニ、または24時間営業のスーパーに行って冷えてる茶とかを買ってくる」と、「牛乳も冷えてるもんな……」だったわけだ。前者はごくごく(冷たい飲み物だけに)微々たるものだがカロリーを「消費」しており、後者はめちゃくちゃ「摂取」している。この差を積み重ねていった先にデブがある。それは後で振り返ればわかるンすけどね。あり得る未来のうち、太る選択肢を的確に掴み続ける能力、「味蕾予知prepignition」の能力者なのかもしれないですね。お……俺から離れろ! 俺がこの皮下脂肪を抑えられているうちに……!!

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