人生の隘路に迷い込んでいく

 何度か書いてるが、何かしら文章を書いているとしばしばビッグバンのことを書きたくなる(最近、緋笠トモシカというVtuberの配信を見ていて、この表現は正しくないことを知った。ビッグバンよりさらに前にもイベントがあるため。でもまあこれは感覚の問題なので、この表現はこのままで行きますが)。まあほら、物語を書こうと思うと、なんかその世界の設定とか詰めたくなるでしょ。それと一緒。で、ネット検索してたら古い資料が名前だけ引っ掛かるのだが、古すぎて電子書籍とかPDFとかにはなってない。仕方ねえな〜と思って、帰りしな図書館に寄って物理書籍を借りてきた。物理で本を手に取るのは実に久しぶりだぜ。


 で1ページ目を開いたら、この本が寄贈されたものであることが分かる。で、寄贈元がだいぶ前の職場なのね。なんかこう、釈迦の掌の上じゃねえけど、一抹の虚しさを感じた。結局その職場の呪縛からは逃れられないんかいとか、その職場の時に見てたら今わざわざ図書館来なくても良かったなとか、そういう思いが去来して、で、当時の社長に一応LINEで報告した。


 でちょっと思い出話をしたが、そのー、以前の職場って、実は社長が退任した後、別の人が入って、で、ほぼ完全に解体されてしまったんですよね。だからこそ本も寄贈されてるわけで。そいで、ビルは居抜きでそのまま使われているが、中身は実はかなり別会社で、社名も変わってる。社長が設立したわけじゃあないが、4代目くらいだったので、こう、自分が継承してきたバトンを渡せなかったみたいな後悔があるんでしょうね。「本当はあの会社を再興したい(してほしい)が、私が生きているうちには無理だろう」「時代の流れだが……」「まあ、別部局を潰して出て行ったのは私なので、言えたことではないが」みたいになってって、これは藪蛇ってやつですね。おじいちゃん落ち込んでしまうの巻。いやー、元社員のうち、社長派だった人々は基本的に遁走したんですよね。俺も含めて。そりゃ別会社になりますわって話なんだが、社長は実はそれがっかりだったんだなと思うと、隘路に迷い込んだような気持ちになったということです。細い脇道はいくらでもある。すぐに人間はそこに嵌まり込んでしまう。どうしたらその脇道に行かずに済むかと言うと、道幅より太るしかないのかもしれない……。


2021年06月03日 10時28分の測定結果

体重:97.95kg 体脂肪率:31.40% 筋肉量:63.75kg 体内年齢:47歳


 全然ダイエット関係ない話だったので、無理矢理体型の話に持ち込みましたが、あのー、総体としては俺も社長も元気なのでご安心ください。でもなんかこう、じくじくした薄ぼんやりな後悔みたいなもんは誰にでもあるんだな、老人にも……とか思ったという話です。ここが美味しんぼ時空なら、飯で解決するんですけどね。なんか、こう、なんだろ。昔と呼び名が変わったけど受け入れられてるものとか? そういうのを出して? 名前が変わっても精神が繋がってれば……いや精神が一番繋がってねえからな……。美味しんぼ時空は遠い。なんとかジョインしたいものです。

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