答えにくいアンケート項目を設置するのはやめましょう

 アンケートの項目によってアンケーターの気持ちが透けて見えてしまうことがあり、たとえば、「増税に反対ですか? YES/NO」という質問は「これ聞いてる人は増税に反対なんだなあ」ということが丸わかりになる。で、あまり波風の立てたくない、他人の気持ちを慮る人なんかは「そうですね」と優しく答えてしまうかもしれないし、たとえばそうだなあ、アンケート主体がなんか新聞社とかで、で、新聞とかを蛇蝎のごとく忌み嫌う人がいるじゃあないですか。なんならそういう人って、蛇蝎は割と好きそうですから(ド偏見)、蛇蝎よりも新聞社を遥かに嫌う人、と言う方が正しいかもしれない。そうした人間がこのアンケートに答えた場合、「ケッ、増税に反対している人がこんなにいますよって答えさせたいわけか、そうはさせねえぞザマぁみろ」みたいな気持ちで、NOと答えるかもしれない。


 というわけで、あんまアンケーターの気持ちを透かさない方が良いですねということになっている。この場合であれば、たとえば、「増税についてどうお考えですか」くらいにしておいて、回答も「絶対反対/条件付き反対/中立/条件付き賛成/絶対賛成」とか、項目名はともかくとして、何段階かで聞いておいた方が、データの信頼度は高くなる。


 また、複数の項目を1項目で聞こうとするのもあまり良くない。たとえば、「あなたは血液型占いや心理テストの結果を信じますか?」とかね。血液型"占い"については、まあ占いなのであんまり信じないけれども、きちんと標準化されて、検査方法が確立している心理テスト(心理検査)は信じるという人はどう答えていいかわからなくなる。なので、「あなたは血液型占いを信じますか?」 と「心理テストを信じますか?」は分けておいて、更に、「心理テスト」とか「信じる」についても限定をかけた方がよりデータの信頼度が上がるかもしれない。


 たとえば、「朝のニュースで血液型占いをやっていたとき、その占いの結果によって、どの程度行動が変容しますか?」とか。

 ラッキーアイテムを

←全く意識しない 家にあるかどうかは探す 購入してでも持ち歩く→

とかね。


 あとまあ、分かりやすい質問文にはした方がいいと思う。


 たとえば、

「あなたは小説or創作作品(ライトノベル、新文芸、キャラクター小説などを含む)を執筆した事がありますか。 」

 という質問はちょっと文意が不明で、というのは、「ライトノベル・新文芸・キャラクター小説」って「小説」のカテゴリに入らんの? まあ、ライトノベルは小説ではないと考えているならそれでもいいんだけど、さすがにそれは偏狭すぎんか。

小説(ライトノベル・新文芸・キャラクター小説を含む)や創作作品(エッセイ・詩・論説文を含む)を執筆した事がありますか ならまあまだ分かる。小説に限らず、文章を書きますかって話だからね。


「あなたは小説などの文章作品を執筆したことがありますか」

 くらいにシンプリファイできると思うけど。敢えてここで聞くなら、「趣味で」とかの要素を足すのかなと思いますが、


 で、この質問にどんな回答候補を与えるかと言うと、

1.頻繁にする

2.時々する

3.したいと思う(けれどしていない)

4.全くしていない


 くらいが良いわけですね。


 これに

1.執筆した事がある

2.執筆よりも作品を読む事の方が多い

3.どちらもほとんどない

 という回答候補を与えてしまうと、「いや、読書の話は聞かれてないし」となるし(読書の話を聞きたければ、質問文を分けると良い)、「執筆をするが、作品を読む方が好きでそっちの方が多い人」が困るわけね。1と2の両方に当てはまってしまうから。またその、気を遣う人ほど気に病むわけですよ。自分の現状は、時々文章を書くこともあるが、読む量の方が圧倒的に多い。という時に、どっちって答えたら、このアンケート者が「求めている」答えになるのだろうか? ってね。結果、なんも考えず、大して読まずポイポイと答える人間の回答の方が集まりやすくなるが、それでいいのかって話になる。


 だから、「執筆」の方は、まず上のように聞いておいて、「読書」は読書で聞くわけよ。そのうえで、「執筆」と「読書」であれば、どちらの方が多いですか、って聞けばいい。それが知りたいならな。


 あと、

「作品を執筆する事になったきっかけとして、一番近いものを1つ選んでください」

という質問項目、「する事になった」はなんか微妙に変ですね。ここは美意識の問題かもしれん。小説ならいざ知らず、アンケート文は誤解を招かない範囲で簡素化した方が良いと思う。

「執筆のきっかけとして、一番近いものを1つ選んでください」

 くらいかな。

 

 で、まあ、

・本や映像作品などに触れて、自分もなにか書きたくなった

・将来、作家やものを書く仕事に就きたいと考えた

・学業や業務で文章を書いた際、読んだ人に創作を勧められた

・家族や友人、知人など身近な人に届けるため

 これはまあいい。個人的な好みでは、もうちょっと抽象化した方がいいと思うけど、言わんとすることは分かる。


・既存の作品の影響を受けて(二次創作をしたくなったことも含む)

・作家などの文筆業を目指して

・他人に勧められて

・人に読んでもらいたくて

(身近が重要なんだったら、身近な人に読んでもらうため、でもいいか)

 くらいの方が俺は好みではあるが、まあまあいいでしょう。


 あと、「・他人の感情を動かしたくて」というのもあっていいかなと思う。びっくりさせたい、感動させたい、喜ばせたい、泣かせたいは結構プリミティブな欲求ではなかろうか。まあ、これが無いから大問題というつもりはない。が、


・書くことが主ではない夢があり、それを叶えるために必要


 これ項目化するほどのことか? 例えば何??? 「はてな」に就職したいから「はてな」が提供しているサービスであるところのカクヨムで執筆活動をしてみたとか???? 鉛筆のコレクターだったら配偶者に先立たれて、この鉛筆をお前が使い切るのが夢だったんだみたいなことを遺言で残されたとか???????? シンプルに俺が共感性がないだけ? 「これ」という例があったら教えてください。

 

 まあ、これは単に俺が分からないだけだからいいんだよ。許す。


・物心ついたときには心のうちを文章に綴るようになっていた


 これはダメでーす。なぜ時間に限定をかけた。これを選べる人間は「物心ついたときに」文章を書き始めた人間だけで、「物心ついたとき」はあんまどうでも良かったが、mixiとかが始まった時に日記書くようになって思考を表面化するのおもろいなってなった人間はこれが選べないのである。具体的には俺なんだけど。どうしてつけちゃったかなあ、「物心ついたときには」。


 あと、別の質問項目に対する回答候補だが、

「電子書籍化して販売したり、読者に課金してもらい有料で公開している。」

は、

1.他の項目が「。」をつけていないので、これだけつけるのはなんかヘンです

2.「たり」は原則的には2回つかうのが正式とされています、気持ちはわかるが

3.紙の書籍はなんで外したし

 というのが気になるので、

「書籍化して販売するなど、有料で公開している(電子書籍や、noteの有料マガジン機能などの課金コンテンツも含む)」

 とかにした方がいいかなあ。


あと、

「あなたはWeb小説サイト「カクヨム」に登録していますか。また、登録目的も教えてください。 」

 で、

・作品を書くために登録している

・作品を読むために登録している

・登録していない


 どれか一つを答えさせるというのは終わりです。


 書きたいし、読みたい人のためのサイトなのでは????? しかも最悪なことに、「作品を書くために」と「作品を読むために」でその後の質問項目が分岐するんですね。助けてくれ。


 まあ、俺のサイトじゃあないですからね。好きなようにやってくれればいいんですけど、回答者側にストレス与えかねないので(しかもカクヨムに集うような人間における、こういう文章表現の重箱ン隅をつつくのを生きがいにしている率、絶対高いと思いますよ)、真面目にやろうと思うんだったらコンサルとかマーケティングのプロを雇った方がいいと思います。っていうかさすがにそれに相当する人いるでしょ、カドカワ。いないんかな。いないわけはないと思うが……。アクセスできないのかな、カクヨム部門の人は。そうかもな……。気の毒。じゃあせめて質問紙で卒業論文書いた・書こうとしている人間をインターンで取るとかよ。カドカワ志望の文学部のやつとかで質問紙調査している人間なんて掃いて捨てるほどいるんじゃあないすか? そういうのをうまく捕まえてさ。そんなに難しいことではないと思いますので……。


 2021年02月28日 09時54分の測定結果

 体重:99.65kg 体脂肪率:31.40% 筋肉量:64.85kg 体内年齢:46歳


 オートミールの民のアンケートは、


あなたはオートミールを信じますか?

 ・はい


 しかないので、誤解の招きようがないし、簡潔で、最高です。体重も減ります。

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