　古のインターネットスラングに「服を買いに行く服がない」というものがあるが、これは一面の真理を突いている。あまり衣類に頓着しない方だが、たとえばずいぶん前に仕事中にスーツ破ってしまったことがあって、この時思いましたよね。スーツを買いに行かなきゃあならないが、そのためにはこの破れたスーツで店まで赴く必要があり、それはなんらかの法に抵触したりするのでは？　詰んだ……服を買いに行く服がないとはまさにこのこと……。

　そんときは安全ピンで無理やり止めてそーっと歩いて買いに行って、もう裾とか詰めなくていいからくれっつって買ったのだが、かなり危ないところにいたと思う。というわけで、あることをするためにはそのあることが必要、というのは正しいことが結構ある。

　『銀と金』なんか読んでると、「金を稼ぐための金がない」というのも真理だなって思いますよね。４億円でセザンヌを売るためには、まず１２７万円ぼったくりバーで払わなくてはならないのである。というのはまあ大げさな話だとしても、UFJとかから「外貨預金しませんか、外貨預金額に応じて現金最大１０万円プレゼント！」みたいなメールが来ることがあるが、この”最大１０万円”を得るためには、２千万円外貨預金をせねばならないみたいなことがこの世では平然と起こる。

　で、だから、「痩せるためには痩せないといけない」も真理。というのは昨日２か月振り？　くらいにフィットボクシングをやった。まあ新年でもあるし。TV前も片づけたしな……。って軽い気持ちで始めたら、まーーーこれがしんどい。体が重い。息ができない。１５分という最短の時間にしたが、気絶するかと思った。ダブルコンビだったか、ステップインしてジャブ二発打ってステップアウトするってこの動きが、すさまじく足に負担がかかる。筋肉痛というよりは怪我系の痛み。で、ただ「シンドイ……シンドイ……ツライ……」っていいながら呼吸してるだけなのに、なんかこう、カラオケとかで熱唱した後とか、盛り上がってでかい声で笑っちゃったあととか、のどがちょっと痛むことがあるじゃあないですか。あの感じの痛みがある。のどが裂けるほど呼吸してんのかわしゃあ。とにかくそういうわけで、フィットボクシングをそこそこの不快感でやるためには、まずちょっと痩せてないといけないんですよ。100 kg超えた人間がやるとどうなるかというと、瀕死になる。正月早々フィットボクシングで気絶しましたってこの医療崩壊状態の病院に担ぎ込まれてみろよ。なんぼヒポクラテスに宣誓した人間でも、「ちょっと見放そうかな」って気持ちになるでしょ。なったとしても責められない。これは困りましたねえ。

　だからまあ、まずは食事制限と、散歩とか、そういうところで少し体重を落としておく。体が多少はかろやかに動くようになってから運動。こういう順序ですかね。年末に心置きなく口取りのでかいパックを買うのが目標とは言え、まだ１年は始まったばかり。あと３６４日もある。余裕余裕。ゆっくりやっていきましょうね。

　2021年01月02日 10時17分の測定結果

　体重:100.30kg 体脂肪率:31.90% 筋肉量:64.75kg 体内年齢:47歳

　体重は減りました。体内年齢も若返りました。単純か？

　なんなら初夢は土方仕事（どっかの工場かなんかを解体する前に、でかいものを搬出する仕事だった）をして、終わった後に「めちゃくちゃ久しぶりに来ましたけど、最近会社どうすか？」と話す夢だった。まあだからドライヤーで氷融かして除雪バイト思い出したのと、後シンプルに運動して筋肉に負荷がかかったことで思い出したんだろうね。だから単純か？

　ただ不思議なのは、この「聞いている相手」が知らない人で、あとそこで言われた「ボーちゃんは多分うちに就職するんじゃあないかなあ。あとは大体やめちゃったね。あ、あとコウちゃんもいるか。トクさんも」って話も、「あー、なるほどね」って頷いているしなんか夢の中では思い出しているんだが、実際はこのメンツは俺が以前行っていた土方バイトのメンバとしては一人も存在しない。今でも思い出せる印象的な人、ずっと通っている人は何人かいるわけなんだけど、その誰でもない。じゃあ誰なんだこいつらは。「「現実」」はどっちの側にあるんですかね。皆さんは現実ですか？