お前はマイナンバーカードより役に立たない

 たびたび申し上げていることだが、俺はむしろ国家に管理されたい。してくれ~ナンバーによる管理を~~と思いながら暮らしている。だから前にも書いたが、家計はLINEに管理されるようにした。すべての情報を売り渡し、その代わりに管理はやってもらう。広告・追跡ばっちこいってなもんである。銭を直接抜く以外だったらなんでも抜いてくれていいよ。


 というわけでマイナンバーも全然抜いて欲しいし、なんなら収入情報をすべて管理して欲しい。勝手にやって欲しい。でもやってくれないわけですよ。なんのために面倒な手続きを踏んでマイナンバー提出していると思っているんだ? 無能。クズ。そのように思っていた。

 

 そもそも、これも前書いた気がするが、マイナンバーが交付された時に、俺はわりと上記のようなことを期待して、区役所にマイナンバーカードの申請に行っていたのである。そしたらその時には職員から「免許証とか持ってますか? 持ってる。じゃあ特段の使い道無いから、いらないと思いますよ」と言われたの。


 今思うとこの職員が無能というか、ダメな対応だったと思うが、まあ当時はそれで正解だった可能性があるし、別に許すけど、「特段の使い道が無い」ってなんなんだよ。てめえは本当によぉ。


 更に言えば、マイナンバーカード発行当時は「かろうじて屋根はある」みたいな家に住んでいた(札幌市内・札幌駅と地下鉄18条駅徒歩圏内・家賃は17000円)のだが、さすがに屋根だけだと冬がつらいので、壁とかがついてる家に引っ越した。ところ、マイナンバー交付書による証明力が下がって、マイナンバーを提出するときに、マイナンバー交付書と前の住所が載った住民票とのコピーが同時に必要みたいな、ダルダルのダル状態になってしまった。じゃあってんで改めてマイナンバーカードの申請に行ったら、今度はwebで出来ますよって言われ、よしってwebでやったら、マイナンバー交付時の住所と今の住所が違うからwebではできませ~んwwwwwwwwwwwwwwwwって言われた。誰? マジで。この制度考えた奴。


 流罪、という罪を考えた奴の気持ちが分かるな。めちゃくちゃ不便なところに島流しにされて、反省して欲しい。「俺はこういう不便さを1億3000万人のひとに味あわせてきたのだ……」と思ってほしい。


 とにかくそのような経緯で、なんとか発行したマイナンバーカードであるが、特段の使い道もなく、のわりになんかセキュリティ的にアレらしいから管理もしなくてはならず、本当に最低のゴミ、いや捨てられないだけゴミ以下、と見下し続けてきたのであるが、この度住民票の発行が必要になった。はーマジで言ってんのか、この状況で俺に区役所に行けと!! って顔をしたら、それが透けて見えたのか、「マイナンバーカードをお持ちでしたら、コンビニで発行できます」って言われる。マジ?

 

 で、コンビニのコピー機にいったらさあ。できちゃうのね、発行。ウワー。便利~~。ちょっとだけ時間はかかるが、まあガラガラの日に区役所の窓口に出して呼ばれるまで待つ程度の時間しかかからない。なんなら申請書に記入したり運転免許証の提出したりとかの手間がない分、家の目の前に区役所があったとしてもコンビニの方が早くてラクまである。これは便利です。認定。


 でそうなるとですよ。これまで心の底から見下し切っていたマイナンバーカードが、俺にこう問いかけてくるわけ。「お前は今までさんざん俺のことを見下してくれたが、果たしてお前は俺より有能なのか?」と。で、俺には確かに住民票を発行する力はない。そして、世間に対して「住民票を発行する」ことよりも役に立つこと、たとえば情報を発信するとか、価値を生み出すような行いをしているか? と問われると……これは……してないと答えざるを得ない。


 これが最初から俺より有能だと思っていたもの、たとえば「水」とか、「輪ゴム」とかが、やっぱ俺より有能だなあと思う分にはつらくない。つらくないというか、そういうものだと受け入れている。しかし、最底辺のゴミカス・無能のクズだと思っていたものが急に上に来るというのはこれ心に響くものですね。つらい。


 でも、しかし、まあこのシステムを開発した人はエライと思う。そいつだけは褒めてやりたい。あとの関係者は引き続き流罪でお願いします。


 あと、それの手続き関係で、古巣に退職証明みたいなの出してもらいにいったら、「退職証明(みたいなもの)の決まった書式がないので、私のオリジナルでいいですか?」って言われて、ちょっとだけキュンとしましたよね。オリジナルでいいですよ。あなたは価値を生み出している。普段、事務方は敵だと見なしているが、今こういう状況になると大変だな~と思って同情するし、こういうことがあると仲良くしてもいいかなと思うよね。手を取り合って行こうな。

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