俺の日常の中でもっともエキサイティングなゲーム

 地下鉄中島公園駅、蛮族のはびこる札幌市の中でわずかにともる文化の灯でおなじみコンサートホールkitaraのある駅だが、この駅はアホ面晒して何も考えずに改札階まで階段を昇るとコンサートホールkitaraの最寄り出口には決して到達できないという罠が仕掛けられていて、蛮族たちを排斥するのに一役買っている。俺は蛮族なので今日はその最寄り出口に到達できなかった。到達できなかった上に、中島公園側の出口と大通側の出口の二択まで外した。これが俺の日常でもっともスリリングでエキサイティングなゲーム。死と隣り合わせの、危険な賭けさ。


 あのー、こういうことです。まず中島公園という公園があってそこに地下鉄駅が設置されている。この地下鉄駅の構造は、地下鉄乗る層があって、こっから1階分上がったところに改札があり、更に上がって地上に出るとこのようになっている。で、その改札階は「1番出口と2番出口に繋がるゾーン」と「3番出口に繋がるゾーン」で完全に分離しているタイプ。V字型っていうかね。V字の底が地下鉄乗るとこね。


 で俺は中島公園の中に出たいんです。これが3番出口に該当するわけだが、地下鉄真ん中辺で乗って、そのまま降りた場合、目の前にある階段を何も考えずに昇ると、1-2番出口にしか行けないゾーンに到達するわけ。正解は、地下鉄降りた瞬間に右向いて、突き当たりにある階段を昇ることである。

 で既にここで誤答したにも関わらず、更なる二択があって、つまりそれは1番出口と2番出口だ。1番出口は、中島公園手前にある出入口に繋がっており、2番出口は中島公園から道路一本渡った大通公園・すすきの側に繋がっている。もともと3番出口、すなわち中島公園の中に行きたかったわけだから、選ぶべきは? そう、1番出口、なんだけど、ここでポイントなのは、1番出口は階段昇って左手側、2番出口は階段昇って右手側にあんのね。階段昇った段階でこっちは「あーーそうだったミスったーー」と思ってるわけよ。「右側突き当たりまで歩くべきだったーーー!」と。で、そのミスをリカバリしようとして、「右側」を選んでしまう。地下鉄降りた時に向いてる方向と改札口に向かう階段の方向は90°ずれてっからよ。ただ右に行けばいいってわけではないのよ。な?


 それで、つまり、何が起こるかと言うと、地下鉄降りた瞬間の気の緩み(正しい階段を選ばなかった)に引き摺られて、次善の策である1番出口から出るということすら選択出来なくなり、二段階目(改札階でのチョイスを指すよ)ではかなり意識的に判断を行った結果、自分にとって最もマイナスの選択肢を選んだとこういうことになる。意識的選択をした結果ワーストをとるな。


 全部案内板ありますからね。字とか読めないのかな? まあまあ百歩譲って、目の前に現れた階段を昇るまではいいよ。なんかアフォーダンスとかさ。そんなんあるじゃんか。つい昇っちゃうよね。わかるよ。次の段階では、「あーミスった」って思ってんだから、字くらい読めよ!! 書いてんだろ「kitara側出口」とか「大通側出口」とかよぉ。


 これが生涯初めて地下鉄乗った人間だったり、中島公園駅に初めて行ったやつならまだ分かるが、半年まえまでほぼ週1で乗ってたやつがやる訳で、マジでよぉ。朝から疲れることとやめてくれよ。


 今日とかにこの大通側改札でなんか殺人事件が起こってコナン君とかに止められるとするじゃんか。ぜーったい言われる。「あれれ〜? おじさん、行きたいのは中島公園駅横の市電通りの方なんだよね。どうしてこの出口に向かっているの〜〜?」

 はい逮捕。参る。参るだけでなく、真犯人はまんまと逃げ果せるので社会的にも損失を与えている。


 ここまで書いたら流石に来週は正しい出口から出れるだろ。信じてるからな。中島公園は地下鉄降りたら右手突き当たり、麻生駅は「北出口」。麻生行くのは最速半年後だから、覚えてられるかはわかりません。


 あとは今日はなんか疲れてて、帰宅、洗濯、風呂、でもう寝ちゃって、起きたら23時よ。日中働くのに向いてない。日中働いたらそれだけで1日分の体力を使う。そりゃそうだよ、地下鉄もまともに降りられないんだもん。マジでよぉ。もっと効率的に生きたいですね。ではまた。


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