So Long and Thanks for All the Fat

 こんばんは。ネオ野菜スープを仕込みながら失礼します。


 「ネオ+飲み物」という名称はもうすっかり名誉を回復したというか、まあそれはどうでもいいんだけど、この間、新幹線が札幌に延伸した場合の駅名をなんと呼ぶかというのを考えた(言うまでもなく、俺に決定権があって考えたという意味ではなくって、単に時間つぶしというか、そういうことで考えたのである)。

 というのは、「新札幌」という駅はもう存在するのである。しかも恵庭の方にあるので、距離的にもかなり遠い。じゃあ新新札幌? それもねえ。いっそニュー札幌にするか、というところまで思いついたが、いやここは第一案に「ネオサッポロ」が出るべきだったよねえ。最近ニンジャスレイヤー読んでなくて。でもこないだチラ見したら、俺が知ってる範囲ではチップだけしか残ってなかったあの子が探偵として爆誕してて、アイエッってなったので、また追いつきたい気持ちはある。


 でまあとにかく、ネオ野菜スープを仕込んでんだよ。文句あるか。どこが「ネオ」なのかというと、鶏肉が入っている。もう戒律がないからいっかなって思って。それでも野菜入れてるだけエライ。


 さて、5/27、最終日のことである。


 この日食えるものは、玄米・野菜・100 %フルーツジュース。

 で、これが地味に難しいのである。


 つうのは、まず「玄米」ってどうすんだよ問題で、いやきょうび別にどこだって玄米くらいは買えるが、それなりの量単位でしか売ってないでしょう。でも玄米食うのは一日だけで、いやまあその後も食べたって良いが、玄米を~? ずっと~~?? いやまあ、俺はバカ舌だから玄米まずくて食えないってことはないだろうし、米とは言え玄米だから2 kgくらいだったら別にいいと思うけどさ~~~。


 ところがこの懸念事項は一瞬で解決した。というのは、今はすごい時代だなァと思ったのだが、あの、いわゆる「サトウのご飯」があるでしょう。アレにすごいバリエがあって、マンナンライフならぬマンナンライスとかもある。これはこんにゃく芋由来と思われる何かが混ざっていて、で普通のサトウのご飯パックサイズのコメを食べても100 kcalとかなんかそんな、簡単に言うと夢のコメである。そこにちゃんと玄米バージョンもある。なんならコンビニにも売っている。すげえなあ。ということで、3食分を購入した。


 次の懸念事項は、「どうやってこの米を食うか?」である。肉がOKなら容易いことであるが、おかずにして良いのは脂肪燃焼スープと野菜のみ。脂肪燃焼スープはスープとして飲む分にはいいが、米の飯に合うおかずかというと……ううん。で、野菜をおかずにするというのは、例えばニラ玉とか、にんにくの芽と豚肉炒めたやつとか、そういうのは好きだけど、なんかしら別の素材がついてくるでしょう。一応最終日だからなあ、あまりルール違反はしたくない。


 まあ塩は常に許容だろうから、塩むすびにして、ノリはアレ一応野菜だよな? でおにぎりとかアリかなあって思って調べると、厳密には海藻は野菜ではないという。いやまあ、別に栄養価とかの面で決めてるんだろうから、野菜的な配分のものであれば別にいいんだろうけどさ。でもじゃあ塩むすびにすっかと思って、朝は塩むすびとほうれんそうのおひたし、あともちろんスープと、グレープフルーツをセルフ粉砕したジュースを飲んで出かけた。


 昼はスープのみということにして、さて夜をどうするか。いや久しぶりに米食うと、米ってうまいな~~~~って結構感動的だったので、ぜんぜんこの食卓でも問題ないんだけど、なんかこう、最後を飾る食事はないだろうか、と考えた。


 それで、まあ調味料には特にしばりがないわけですよ。そら塩分の取りすぎは良くないだろうし、あとジュースも甘味料とか入っててもダメ(砂糖どころか、人工甘味料もダメらしい)ってのはあるけど、それ以外のドレッシングとかは特に文句を言われていない。はずである。たぶん。俺の読んだ【聖典】には書いてなかったと思う。


 ってことはよ。スパイスはアリだろうと思う。たとえばガラムマサラを足すとか。クミンを足すとかですよ。アムチュールを足すとかね。という試行を有限回数繰り返すだけで、カレーになるのは明らか。証明するまでもない。であるならば、いわゆるカレーフレークは別に無罪なんじゃあないの??


 ということでカレーフレークを脂肪燃焼スープに入れたのち、ライスにかけて食う。完璧じゃん……カレーライスじゃん……!!


 問題点としては、これ作るのもぜんぜん面倒くさくないし、食べるのもやわらかいから面倒くさくないし、ってことはスルスル食べれてしまって、しょっぱいから食が進むんですよ。お代わりしたくなりますな。



2018年05月28日 07時33分の測定結果

 体重:87.05kg

 体脂肪率:27.70%

 筋肉量:59.75kg

 体内年齢:41歳


 お代わりしなければな~~ 86 kg台もあったな~~~~~~~!!!


 というわけで、最後は(最後だけか?)若干欲望に走ってしまったが、これで脂肪燃焼スープ生活は終わった。

 スタートは89.15 kgだったので、ほぼ2 kg減。2 kgなんて俺の体重では誤差ではあるが、減っていることは間違いない。

 筋肉量は60.50 kgスタートだったので、750 g減、ということはまあ脂肪の方が減っているのではなかろうか、少なくともそう信じたい数値ではある。体内年齢もちょっと下がっている。


 でまあ、実はすでにカクヨムダイエッターなら全員知ってるまごちゃん(https://kakuyomu.jp/works/1177354054883287014/episodes/1177354054883287613 )が試してて、言ってることがほぼ正解って感じなのだが、


”……これ、脂肪燃焼スープ自体に効能が有るんじゃなくて、普通に過酷な食事制限の賜物だろ。"


 とのことで、まあね。そりゃあね。そうかもしんない。

 実際、一日は腹減ってちょっと具合悪いところまで行っている。


 とはいえ、わりと後半ははっちゃけたし、日中空腹に苛まれるとかそういうことはあんまりなかった。それでも減少の方向に向かったのは結構すごいなと思った。野菜スープを食うのは体にいい感じがして良かった。味も別に飽きなかった(これは俺がバカ舌のせいもあると思うが)。


 たまにやってこう、内臓を休めるというのはいいかもしれないなあって感じがして、現に今仕込んでいるネオ野菜スープも、ベースはこれである。ただ鶏肉が入っているが…。


 昼飯がねー。とにかくね。まあ夜飯もなんだけど。家帰らなきゃあいけないってのがひたすら面倒で、ここさえなんとかなれば結構いい食生活なんだけどね。自炊できるし。そんなめんどくさくもないし…。


 ただ、俳句とかの面白みの一つにはおそらく「制約の中でうまいこと言うことの凄さ」があって、つまり、何が言いたいかと言うと、人間案外制約・縛りがあったほうが善きことを成したり善き物を作れたりするわけである。食えるものが決まっている、だから家に帰らないといけない。その中で、なるべく欲望を満たすものを作ったり食ったりする。それがうまくいったこと自体がうれしい。戒律を守っている自分を誇りに思う。なんかそういう効能はあるなあと思った次第である。


 こないだ誰かに聞いた言葉で、デブ業界ではわりに有名らしいが、こういう言葉がある。

「1日20 kcalを制限すれば、年で1 kg痩せるし、1日20 kcal多く摂取すれば、年で1 kg太る」。 

 まあ確かにそうなのである。脂肪1 kgが、大体7700 kcalとか言われているはずで、ってことは、1日20 kcalを制限すると年では7300 kcalが制限される。となるとほぼ1 kg脂肪が減るはずである。逆に、1日 20 kcalでも増やすと年では1 kg脂肪が増える。なるほど。まあ実際のところは、ある日あるところで爆食いなどをしてしまってウヒーってなるケースが多いんだろうが、とにかく20 kcal増えるだけで体は備蓄の方向に向かうわけで、20 kcalったら「もずく酢」とかの世界ですからね。そりゃあ太りますわなあ。


 で、まあこれを「常時」しかも自分の意思で制限しようったらそれなりに大変なわけですよ。だから、「この時期食える飯」、すなわち「今月の戒律」みたいなものを事前に示してもらって、それが週とか月単位で変わって行って、みたいな感じだと多少やりやすいかもしれない。まあそれがライザップですよって話なのかもしれない。


 しばらく脂肪燃焼スープはいいけど、なんかちょっとこう、やっぱ「新ダイエット法」にちょいちょい飛びついていくのはきっと大事なことなんだろうな。

 そのようなことを思った。第7日目のことである。

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