純粋脂肪批判

戒律に従って生きる

　こんばんは。脂肪燃焼スープを飲みながら失礼します。

　そういえば昨日、皆さん当然脂肪燃焼スープはご存知でしょうみたいな感じで全く脂肪燃焼スープについて説明しなかったのであるが、脂肪燃焼スープというのは何かというと、まあ平たく言うと病人食なんだろうと思う。手術が必要だが、体重が重すぎて麻酔が効かないとか多分そういう人に対して、短期的に減量させるための食事だそうで[要出典]、まあそりゃあ野菜スープばっか飲んでりゃあ痩せるだろって話なのだが、このなんかちょっと「医学的」な感じと、あとインパクトのある名前、これでgoogle検索で結構上位に来るようになっている。

　多くの皆さんは、「痩せる　食べ物」とか、デブしか使わない検索ワードで検索したことはなかろうと思うが、デブはこの検索ワードをしばしば使うので、嫌でも眼に飛び込んでくるとこういう次第である。デブにだけは常識、脂肪燃焼スープ。

　でまあ、この脂肪燃焼スープは、昨日も書いたとおり、キャベツ・玉ねぎ・にんじん・セロリ・ピーマン・トマト（トマト缶）を煮て作るもので、でこのスープ自体は（たぶん）食べたければいつ食べても良い。量についても特に規定はない（と思う）。味付けは諸説あって、塩・コンソメだけを許す原理主義、かつお節を入れろという抗議派、カレー粉とかでの味変を許容するカフェテリア・スーピズム、さらには豆乳などを投入してシチューっぽくしてもＯＫという過激派も存在する（派閥の名称は筆者の造語）。具材もそれらしいもので置き換えてもよいらしい。

　ただ、日によって併せて食えるものに制約があり、おおむねどの派閥でも次のようなものを「正統」とみなしている。

　1日目：くだもの（木になるもの）、ただしバナナは禁忌

　2日目：野菜（地になるもの）、ただし豆とコーンは禁忌

　3日目：植物、ただし芋、バナナは禁忌

　4日目：バナナ3本とスキムミルク

　5日目：肉（魚）、トマト

　6日目：牛肉、芋を除く野菜

　7日目：玄米、野菜、フルーツジュース

　あと飲んでいいのは水・お茶・コーヒー・100 %フルーツジュース。

　ご覧のように、日によって禁忌が違う！！

　で、一応基本の食材については解釈が進んでおり、なんかリコピンがどうしたとかカリウムがどうしたとかそれなりの説明はあるが、この7日間の食材選択については理由が不明で、不明なわりに厳密に決まっている（4日目とかなんなの？）ので、結果どうなるかというと、宗教的な戒律を守っているみたいな気持ちになるのである。

　だってさあ、「果物」って広くない？

　とりあえず日曜、りんごを買ってきたので昼はりんごを食べる。これはねえ、うまい。うまいなあ果物。自分でりんご買ってきたのなんて、下手したら5年振りくらいかもしれないが、本当にうまかった。甘い。歯ざわりが良い。

　で、意気揚々とダイエットしている人で構成されているライングループに報告すると、「果糖はダメですよ」みたいなことを言われる。ハア？　と思うが、糖質制限派によると、りんごとかは糖質が含まれているので結構危険な食材、罪側に属するらしい。

　でも俺はさあ、今日は果物食わないといけないんだよ……そういう日なんだよ、って言うと、じゃあアボカドを食えと言う。アボカド？　って思って調べると、あいつは扱いとしては果物で（多分木になるから）、で糖質も1個あたり1 gとかそんならしい。すげえ。でもカロリーが1個あたり300 kcalだという。米より多いか、同じくらい。

　これは難しい。というのは、脂肪燃焼スープがなんで脂肪燃焼するのか、そしてこの7日間の食事がなんのために設定されているのか、それが良くわからないからである。たとえば、「脂肪燃焼スープの本質は、カロリー・オフにあって、だから痩せる」みたいなことであれば、アボカドはダメでしょう。カロリー高いから。で、果糖は許容ということになる。

　一方で、「脂肪燃焼スープを食っていると、糖質制限的な生き方になるので、だから痩せる」ということになれば、アボカドＯＫ、りんごＮＧとこうなる。

　どっちだ？　どっちなんだ？

　で分からなくなったので、果糖も少なそうで、かつ、カロリーも低そうなものということでグレープフルーツを食べた。平和的解決だが、本質的解決にはなっていない気もする。この7日間（通称、火の7日間）のどこかで、本質に近づければ良いのだが……

　2018年05月22日 05時39分の測定結果

　体重:89.00kg

　体脂肪率:28.20%

　筋肉量:60.60kg

　体内年齢:41歳

　まあ体重は落ちた。第一日のことである。