レストランの崇高な注文

 本日は俺にとって里程標を置いてもいいかなと思ったことが二つある。


 1.この文章を以て、この自分でも何が書きたいのか分からないエッセイが10万字に到達する。


 いやー。10万字。マジか。

 半分以上は自分のメシに関する所感であって、残りの四割もただの愚考と愚行の記録、人の役に立つことは、一割、いや五分あるかどうか。つか、ないと言ってもいい。あったとしても、10万字を読むコストに対するリターンとしてはどう考えても少なすぎる。


 気を使って、あるいは今日こそ何か役に立つことがあるのではないか、そういう気持ちで目を通していただいている方もいるかもしれず、その方に対しては本当にごめんねという感じだが、打率一割でも、一分でも、一厘でもいいので「面白いじゃん」と思って読んでいただけたのであればもう感涙しきりということで、感謝の気持ちでいっぱいである。お礼に脂肪を分けてあげたい(呪いだった)。


 本当にありがたいことである。ありがとうございます。感謝! 平伏!!


 2.今日レストランに入り、ちょっとばかしやることをやろうと思ったら全然できなかったのだがまあそれはそれとして、ただ席に座ってるのもアレで、ドリンクバーとかもないので、サラダを注文した。「山(だったかな)のキャビア、とんぶり」が乗ってますって言うんで、ヒュー! キャビア!! となりながら。


 そしたらですよ。店員が俺にこう言った訳です。

「ハーフサイズでよろしかったですか?」



 今までは「大盛もございますが」って言われるところの俺がですよ。二人で店に入って、代表して俺が「かつ丼とそばのセット、あとざるそば」とか注文したら、一瞬も迷うことなく「かつ丼とそばのセット」を目の前に置かれることでおなじみの俺がですよ。

 今たぶんふくよかな皆様は「よ゛がっ゛だね゛え゛え゛」「がん゛ばっ゛だね゛え゛」って号泣してると思うんですが、標準体型、または痩せの皆さまにこの感動をどう伝えていいか分からないところです。


 ちょっとした声で「ハイッ!!」って答えましたよね。思わず背筋を伸ばしてね。


 にこりと微笑んで店員は立ち去っていきました。もしかしたらそういう客への話術によるおもてなしなのかもしれませんが、いやあ感動した。贔屓にしよあの店。



 ということで、10万字に到達したということもあり、ちょっとこの作品のベスト・セレクション、まともな部分を拾った上澄みみたいなもの(あるといいな~)を、この作品の頭のところにそのうち乗っけるつもりですが、これまで読んでいただいたみなさんには特に目新しいこともございませんので、念のためお断りしておきます。いざやる、となったらあらすじのところにでもその内容は記載します。


 2016年06月18日 09時57分の測定結果

 体重:93.40kg

 体脂肪率:29.70%

 筋肉量:62.25kg

 体内年齢:42歳


 93.40 kg! 昨晩が93.45 kgなので、50 gは減った~~。良かった。昨晩寝る前に体組成計を丁寧にタオルで拭いてきれいにしてやり、「今まで辛くあたって済まなかったね。愛しているよ。君だけが俺を支えてくれるんだ」って、DVしたあと急に優しくなるダメ男みたいなことを言った成果がありました。まあ、50 g、ホントに9時間経ってそれしか減ってなかったらおかしいですが、寝る前に水とか飲んでますんでね。これはそんなものでありましょう。


 5/30時点から見ると3 kg落ちている。3 kgよ。3 %ですよ。大したもんです。筋肉量も1 kg落ちてますけども。俺は一日過ごしたら1.4 kg落ちる人間なんで、まだ誤差です。分かってます。油断はしない。つもり。赤飯炊くのはまだ早いのは分かってます。いくら俺が赤飯おこわをこよなく愛する男だと言っても。せめて80 kg台に入ってから。


 ところで唐突な余談ですが、まあいつも大体そうなので断るまでもないことではありますが、北海道は赤飯に甘納豆を乗せて食べます。で俺はそれが好きです。米(糖質)に甘味を乗せる、ってんで他都府県の人にはうえ、って思われるかもしれませんが、これに関してはうまいと思います。


 朝食:石狩鍋の余りの鮭(2切れ)を焼いて食す。264 kcalかな。

 あと、毎日骨太は見つからなかったので、代わりにすっきりCa鉄(低脂肪)(葉酸入り)を飲む。200 mlで74 kcal! ノーマル牛乳の約半分!! しかも葉酸が入っているので二分脊椎症の予防にもなる。まあ俺はそもそも妊娠する機能を持ってないので意味ないですが。

(妊娠4週~12週における葉酸の一日400 μgの摂取は、胎児の二分脊椎症の発症リスクを下げます)(はじめて、このエッセイでまともに役に立つ知識がお届けできたかもしれませんね)


 

運動:デブにはお勧めということでプールに行く。超音波の流れる素敵なプールでありましたが、いや~。体力も心肺機能も身体の巧緻性も何もかもが最低レベルに落ちきっていることを実感しましたね。

 まず俺はクロール以外まともな泳法を知らない、という小学生以下の水泳力なわけですが(北海道民は海に行けばジンギスカンを焼きますし、川を泳ぐとエキノコックスで死ぬので泳ぎは苦手なのです、と言い訳をしたいところですが、周りを見渡せば遙かに年老いた方がゆうゆう平泳ぎ、背泳ぎをしていますので、俺の脂質、いや資質の問題でありましょう)(てか脂質があるから、本来は浮きやすいはず)、そのクロールでも、まずバタ足の仕方を忘れているから気を抜くと足の方から沈んでいきあっぷあっぷになる。浮くぞ~っつってバタ足をすると、絵に描いたスポーツ苦手人間のように足が攣る。準備体操はいやってほどしたんですけどねえ。仕方ないので泳ぐ人用のレーンを外れて、ゆっくり足を伸ばしながら何週かプールを歩く。

 おそるおそる、また泳ぐ方に戻って泳ぎ始めると今度は息継ぎのタイミングが分からなくなり、がばばばば、となる。

 結局、最後の最後、これで最後、気合だ、全力、大集中、となって25 m(50 mじゃあないですよ)を泳ぎきったら、心拍で水がちょっと波打つんじゃあないかってくらい、ばっくんばっくん心臓が言う。


 俺に必要なのは「トレーニング」ではなく「リハビリ」でありますな。

 

 市民プール、ロッカーが入れた硬貨が戻ってこない仕様であることを除けば、施設的には問題なく揃っているので、たまに行ってちょっと泳ぎ感を取り戻せるようにしたいと思います。一日1 km泳ぐ人とかほんと凄いと思います。


 で、こう、クロール泳ぐとクロール筋といいますか、脇側の腕の筋肉みたいな、明らかに普段使ってないところが既に筋肉痛なので、あとたぶん肩を回すから肩こりとかの予防にもなりそうだし、筋肉量を維持するにはもってこいな感じがあります。

 うまく習慣をつけられるといいんですけどね。


 こう、うまく言えないんですが、俺は走ったり筋トレをしたりしていると、ついつい自分の体の状態のことを考えてしまうんです。今ここが苦しい、ここが痛い、心臓がこうなっている、みたいなことばっか。そんで、たとえばねんしょう2!+のアプリで女の子と一緒に走るおふざけ要素をいれるとか、このエッセイに何書こうかなあ、ということを考えたりとか、あるいはテンションの上がる音楽を聴いて、そっちに集中しようとかすると、走り続けたりは出来るんですよね。

 たとえば限界の身体使用量を10としたとき、身体に目を向けてると5とか6とかで、「疲れた~~やめたい~~~~ビール~~~~~~~」みたいになるんですが、ほかに目を向けると7、8くらいまでは行けるみたいな。分かりますかね?


 で走ったり自宅での筋トレだったりでは、これを音楽とかその他の方法で誤魔化す、目を逸らさせることができるんですが、水泳はそうはいかない。自分の呼吸が苦しいこと、脚の筋肉が悲鳴をあげていること、腕の筋肉が痛いこと。なんか全身が沈んでる気がする。そういうのに感覚が向いてしまって、ひーしんど、もうだめ、足一回つけよ、となってしまう。

 ここをなんらか乗り越えられれば、たぶん今日ももうちょっと早く25 m泳ぐくらいだったらできたはずなんですけどね。足が攣った回はまあともかくとして。


 だから必要なのは精神的修練なのかもという感じがあり、これも検討していきたいところであります。


間:で、水泳すると体がだるーくなっておねむになるんですが、昼に寝て夕方起きると生活リズムがぶっ壊れること間違いなしなので、近所のファミレス的な店に行き、まあサラダかなってサラダ(150 kcalくらいかなあ)を注文したところ、感涙にむせんだわけです。いやーいい店だったー! またいこう。


夜:帰宅後、鶏肉の調理方法として、「コーラ煮」というのがあると聞き、これ、「甲羅煮」っぽいでしょ? 違うんです。コカ・コーラ、ペプシ・コーラ、あれのやつ。気持ち悪っ! ゲテモノか、と最初は思ったんですが、これがなんか肉をやわらかくするのに良いって言うんですね。で、大量の鳥胸肉を超格安で入手して、胸肉も別にダメ、固くて、と言うほどグルメ舌ではなく美味しく食べられるのですが、コーラ煮にすると胸肉も柔らかくなって美味しいよ~、という情報を入手し、半信半疑でやってみる。


 一応正統派コカ・コーラ。(カロリー0のやつだと怖いなと思って)500 mlペットボトルを半分使ったので、115 kcalかな。これに鶏肉(216 kcal)と、きのこ(18 kcal)を入れて茹でてみる。

 すっげえ、ちょっとひくほど灰汁が出る。灰汁なのかなあ。コーラの色素かもしれませんが、とにかく黒い何かが浮く。鶏肉にもまとわりつくのでなんとなく気持ち悪く、灰汁をとりまくり、鶏肉は一旦回収して水洗いして再度煮込む。醤油を入れる。


 ……う、うまい……!!! うまい。うそ、信じられん。

 オーマイコンブ、って漫画が昔あって、駄菓子で調理をするとうまい、って話でしたが、なんかそんな感じ。「オーマイコーンブ!」って叫びたくなった。てか誰にはばかることないんで、叫んだ。

 ちなみに、今調べてみたら、超絶衝撃的なことに、原作はAKBのプロデューサーでおなじみ秋元康先生でした。はあーー! なるほどー! さすがアイデアマン!!

 コーラ絡みのレシピでは、ヒーラドリンクというのがあるらしく、「コーラに、ブラックコーヒーを混ぜればできあがり」とのことで、まだ250 ml残ってるんで……やり……ま……

 つか俺普通に「茶スパ(茹でたスパゲッティの上にお茶づけのりをパラリとのせてお湯をかける)」は食べてたわ。潜在記憶があったのかな。最近パスタ食べてないな~そういえば。


 いや多分海原雄山に食べさせたらブチ切れられてうちの台所めちゃくちゃになると思いますが、庶民の俺にはうまかったです。


 本日の摂取カロリーは837 kcal。水泳もした。こりゃ~偉い。今腹が減ったな~という感じになっているのが怖いので、お湯でも飲んで早めに寝ましょう。とりあえずまだしばらくこのスタイルで続けまして、ベスト(ベスト……?)・セレクションはぼちぼち考えてみます。


 でまあ、もう開き直って、っていうかそれが普通だと思うんですが、体重低下止まるところまでは「ダイエット」を前面に押してやってもいいかな~ とか思い始めています。いや肥満を正当化するのはそれはそれでやりますけど、痩せるのは痩せるのでうれしいはうれしいんでね。健康になっていってる~ みたいな。

 まあそういうのは自分で日記つけるなり、勝手にせえよ、と思われるかもしれませんが、やっぱね。公開すると思うか思わないかは全然メシに対する感覚が変わってくるんで。みなさんの崇高な犠牲のもとに俺の健康は少しずつ良くなっていっております。


 自分、という人間は二人の人間から生まれているので、二人+1人を幸せにすればそれで自分が生まれた分の価値がある、みたいなことをペイ・フォワードで言ってたか全然言ってなかったかどっちかなんですが(そりゃあそうだ)(なんでもそうだよ)、とにかくそういう理念があるって聞いたことがあって、まあそういう功徳で極楽に行けますよ、みたいなことはまったくありませんが、この理念に共感していますよ、という人がもしもいたなら、+1、のところはもうオッケーです。俺がスタンプを捺しましょう。


 

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