　インタビュー、という訳ではないが、痩せの知人（信じられないかもしれないが、デブにも痩せている知人はいる）と話す機会があって少し食事についての話などをする。

　この人は、背はまあ普通なんだけどとにかく細い。で、飯を食わないわけではないが全然太らないし、多少肉を付けた方がいいですよ、って感じの見た目で本人も多少はそれを気にしているらしいがそれでも増えては行かないと言う。

　で確かに線が細いといいますか、たとえば人にきつく物を言われる。あるいは、たくさん人がいるところに行こうとする。究極的にはよさこいソーランみたいな、多数の若者が盛り上がっているところを通りかかる、と、自然吐き気がしてくると言う。比喩的なことじゃあなくて、ガチのやつ。別に精神が脆いようには見えないが、身体反応としてダメ、ということらしく、まあ俺は祭りも好きだしだから祭りに行けば焼きそば・たこ焼き・チョコバナナ～フゥ～～！　ってなるし、人にきつく物を言われるのは好きとは言わないが、むしろそのあと「こんにゃろ～～」とか言って甘いものを食べたりするしで、完全に方向性が逆である。そりゃあ俺は太るしこいつは痩せますわな。

　ただこいつの困った、というかズルいところは、たとえば今だと神宮の例大祭があって、そこを通りがかると気分が悪くなる。気分が悪くなるのは勝手だしそれだけなら気の毒だなあと思うが、気分が悪くなったァと言ってそれを報告しに来たりするので、すると自然飯を食う流れになるじゃあないですか。路上で立ち話って訳にもいかないのでね。で俺ばっか余計太る。ズルいというか、俺が愚かなだけという気もする。

　あと体温が高い。自宅には特にいらないし熱測って熱あることが分かると具合が余計悪くなるという完璧な理屈で俺は体温計を持っていないので、自分の体温についてはなんも言えないが、この人は常時発熱している感じで、現に平熱が37度とかだという。脂肪もないのに発熱しているわけだから、自然そりゃあ痩せていく。常にエネルギーを放出・発散しているということだ。羨ましい限りである。

　だからもう基本的な身体的スペックが全然違うということである。俺は多分この人とか見ているので、「くそー俺は誠実に生きているのになんでこいつだけ痩せてて、俺だけ太るんだよズルいよぉ」という気持ちになっていたのであろう。

　でこの痩せの人の食生を聞いてみたところ、以下のようなものであった。

・週末に野菜の酢漬けをつくり、米を炊いて冷凍する。

・朝：トーストにチーズを載せて焼く。酢漬けを食べる。

・昼：職場で提供される食事があるのでそれを食べる。

・夜：米を解凍する。酢漬けを食べる。ローソンセレクト（豚肉の生姜焼きとか、ああいうのがパウチされているやつ）から一つローテーションで選んで温めて食べる。

　で恐ろしいことに、これ「しかない」というのですね。つまりこれは一例ではなく、毎日・判で捺したようにこれだ、と言うのである。

　俺の視点では控えめに言ってどうかしていると思う。

　だってごはんとか毎日考えるの面倒臭いじゃん、と言うが、そんなことねーよ！　俺が日々どれだけ飯のことを考えていると思っているのか。つかローテーション組めば良いだろうに、と俺は思うんだけど、食材についてあれが残っているからこれを作らないと、みたいなことを考えるのがただただ面倒という。もうそれすら面倒くさいなら死んじまえ！　とドラえもんみたいなことを言ってしまいたくなるが、もちろん俺は社交性のある人間なのでただニヒルに微笑むだけである。夜の暗闇を背負いながら。

　で飯に興味がない訳ではなく、外食に誘えばついてくるし、誘われることもある。でも家ではこれで済ましている。おかしいよぉ～と思うんですけど、俺の感覚がおかしいのであろうか。

　そういうことをつらつら考え合わせると、やはり人間、自分を「普通」だと思ったら御仕舞だということなのかなと言う結論に達した。どうしても自分は自分の人生をずっと歩んでいるので、自分が標準・普通・この感覚が当たり前、という気持ちになってしまい、そうでない人生を奇妙・異常・その感覚信じられん、という気持ちになってしまう。そして、そんな異常な人生を歩んでいるのに自分より良い目を見ている、具体的には痩せている、ということを恨みたくなる。または、「普通」に食べてんのに太るってのはどういうことだよ理屈に合わねえ、と嘆きたくなる。

　ただ俺の食生は食生で他人から見れば（たとえばこの痩せが見れば）奇妙、良くそんなことに時間使ってられるね、全然普通の範囲を超えて食べ過ぎ、ということなのかもしれぬ。そうかあ。そんなことも俺は分かっていなかったか。

　まあこの意見の対立、相違的なものが無ければ人間社会それはそれでつまらないと思うので、俺は俺が普通だと思い、世が異常だと思うことは異常だと声を大にしては行きたい。完全な相対主義の行きつく先はもう、色即是空みたいな、すべては無、みたいな宗教的境地であって、それが悪いとは言わないしそれはそれで羨ましいが、でもまだ俺には早いと思うからである。

　ただその意見の相違・対立に嘆く前に、ちょっとわが身の異常さを振り返る。見直してみる、というのも、一つの楽しい生き方であるな、ということを少しだけ俺は学びつつある。たかが飯を食う量を減らした程度で学べるのであるから、デブというのは不健康であるがそれはそれで幸せな存在であると思う。みんなも一度太ってみましょう。

　ところで「痩身現象論」という話で、この体重計側のレギュレーションとしては、

・まず、毎日体重を測る。ちゃんとレギュレーションを決めるべきだと思うので、

「起きて」「トイレを済ませて」「パンツ一丁で」計測をすることにする

　ということにしたのであるが、説明書を読み直したら、「起床後すぐは測るな」と書いてある。食後二時間くらいが一番いいらしい。おお……今まで無駄なデータを……。

　でもまあ、朝食・昼食の二時間後は不可能だし、現実的なのは夕食二時間後、ではあるが、これも時間定まってないし。まあ体脂肪とかのデータとしては無駄なものであるとしても、重さ自体は信用していいだろう、と、思っていたんだけども。

昨晩。グラノーラを食べる前の記録が以下のものである。

　2016年06月15日 22時39分の測定結果

　体重:93.60kg

　体脂肪率:29.00%

　筋肉量:63.05kg

　体内年齢:41歳

おーっ！　夜に93.60 kg！　ついに93 kg台！　ヤッピー！！

となったのに、今朝がこれ。

2016年06月16日 05時17分の測定結果

体重:94.50kg

体脂肪率:29.40%

筋肉量:63.25kg

体内年齢:41歳

　900 g? ほぼ1 kg増える？　増えるって何よ。

　いやグラノーラは食べましたよ。でも言っても200 gとかそんなんでしょ。牛乳を入れても。そのあとはちょっとやることあったんで、麦茶を飲んだり、コーヒーを飲んだりはしてますよ。つっても一リットルも飲んだ気がまずしてないのと、あと、人間って寝て起きたらコップ一杯だかの汗をかくと言うじゃあないですか。それからトイレも済ましている。でなんで増えるんだよ！

　舌の根も乾かぬうちに、という表現にぴったりくるようなことを言うが、これは結構、俺は誠実に真摯に生きているけど痩せない説を補強するものではなかろうかと思うのですがいかがですか。いかがですかっていうか、こないだ「さんすうだったらわかる」って言ったのに、これ算数で言ったらおかしくない？　だって1 kg増えるんだったら、1 kgは最低摂取しなきゃあいけないでしょ。膀胱だって500 mlくらいは溜まるって書いてますよ。ってことはトータルで2 kgくらいのものを摂取しているということになる訳だけど、そんな、えー？　麦茶？　解せなすぎるというか、夜中に俺は霞でも食って体重に変えているのかという疑惑が生まれたと言うか、とにかく、なんなんだよと思ったということです。

朝：昨晩がグラノーラで、牛乳も使い果たしたので、うーんどうしましょ、と思いながら、チャーシューを解凍して食べる。朝から肉だけか……。どうなんだろう……。

（386 kcal)

　未だに朝・ローカロリー・そんなに手間がかからないメニューは確立しておらず、結果、お菓子を食べるタイム（おはぎ、なめらかプリンなど）にしたり、お菓子を食べるタイム（グラノーラ＋牛乳）にしたりしており、ちゃんとした朝食を摂った方がいいというのは良く分かりながらなかなか難しいところ。

　理想的には、味噌汁（野菜にもよるけど、110 kcalとか）＋サラダ（ドレッシング込みで150 kcalとか）に、たんぱく質（豆腐・肉・魚。まあ焼き魚かなあ。あまり買わないけど）とかを摂ると良さそうではあるが、味噌汁はまあいいとして、サラダなんてもうここ何年も作ってない。コンビニのサラダはな～。いや買えないほど高くはないけど、買うほど魅力がないと言いますかね。油断したらパスタとか入ってくるし。

「この味が　いいねと君が　言ったから　7月6日は　サラダ記念日」

　ってもう有名どころじゃあない歌がありますけどね。俺の愛読書（聖典）であるところの美味しんぼですら、「人間は本質的には生野菜が好きではない」とか言い出しているし。あ、でもあの究極のサラダはちょっと興味あるな。（至高のサラダは鉢植えのトマトなんで、馬鹿か海原雄山は）ダシダだかなんだかに唐辛子使うっていうし、ただニョクマムはどこで買えばいいんだろう。

　検討課題とします。

　パンくらいだったら別に食べてもいいかと思うけど、これも正直に言うと、俺6枚切りのパン買ってくると、つい深夜に腹が減るとおやつ～って感じで砂糖つけて揚げたりして食べちゃうんですよね。家にあるとあんま良くないかな、という気はして、朝食なあ。そろそろ朝食を検討する時期が来たか……。凄いな。またしても人間として成長している気がする（凄いか？）（成長？）。

　昼：ローソンにて、「鶏から揚げたてです！」そうか～揚げたてか～しかたねえな～、ということで鶏から。だけじゃあ足りないので、大福でも食うか……。

　（360 kcal + 235 kcal)

　そこそこ摂取してしまったが大福はうまかった。野菜を食べてないぞ今日。

　ということで夜。スーパーマーケットに行ったら、冷凍の荒巻鮭が5切れで360円。このくらいの値段だったら買ってもいいか～ということで、鮭があるならばという形で石狩鍋を作る。おー道民っぽい～。

　石狩鍋の正式な作り方は知らないんですが、野菜を料理酒とみりんと水で煮て、あとちょっとかつお出汁でもとって（魚が被るから、昆布の方がいいかもしれないけど俺は昆布を持っていない）、あとは鮭とか味噌とかを投入すればそれなりのものが出来る。ていうか味噌が偉い。味噌は正義。大体なんでも形になる。

じゃがいも１　（76 kcal)

たまねぎ１　（37 kcal)

鮭3切れ（396 kcal)

こんにゃく（7 kcal）…こんにゃく……愛を体現しているのか……君は……！

木綿豆腐1丁　（168 kcal)

大根　（18 kcal)

味噌　（35 kcal)

　で737 kcalとかか。これたぶん3人前～5人前くらいはある。

　とりあえず本日摂取分としては246 kcalくらいか？

　明日の朝も食べます。

　これも美味しんぼネタですが、「北海道民ならこれでしょ～～」みたいな感じで山岡が出してくる「牛乳鍋」って、俺は食べたことないですが、道民の皆さまはソウルフードだったりするんでありましょうか？　にしては居酒屋とかでも見ないんだよなあ。

　ちなみに美味しんぼネタを連発すると、「じゃがいものバター煮」が取り上げられ、たかがじゃがいものバター煮に要予約の味百仙については、一度行ってみたんですが、正直ちょっとお高い……わりに「激ウマ！　発狂！」というほどではない。ので、札幌に来て、ちょっとなんか北海道っぽい居酒屋に行きたい、という方には「はちきょう」の方を推しておきます。あっちはいくらのつっこ飯があるので、素直に発狂できる良さがあります。

　まあ俺は沖縄料理屋ばっかり行ってるんですけどね。北海道に向いてない。

運動に関しては、今日はいろいろあってエージェント活動がで来てなかったりするので、この後軽く筋トレ……というかストレッチくらいにしときますかね……的なことをして寝ようと思います。

　本日の摂取カロリーは1,227 kcal。まあ少ないが、劇的というほどではなく、やはり昼の駄食が効いている。つか、このエッセイ、というか日記、というかチラ裏をかき始める前は、おひるごはん普通に食べて、疲れた～3時のおやつ～～って言ってからあげ君とか大福とかむしゃむしゃ食べていた訳で、うーんまあ、それがダメって言うか、ダメではないと思うのよ。俺の感覚としてはね。普通、だと思うんだけど、でもまあ、みんなそんなに太ってない、ってことは普通じゃあないのは俺なんだよな。やっぱ。

　自分を基準にするのが良くない。良くないっていうか、そうしていると見えなくなるものがある。そのことを俺は学んだ。それは善きことであった。

　ただ、俺は本当はふくよかなみんなの、「いやそれが普通ですよ！」という声もやっぱり聴きたい。その声を救い上げ、手に手をとって楽園を目指したい。そういう気持ちも確かにあるのだ。