純粋脂肪批判

炭水化物・糖質・インスリン

　正直に告白する。

　「低炭水化物食」だの「糖質制限」だの、胡散臭い以外の何物でもないと思っていた。

　例えば日本糖尿病学会の提言（http://www.jds.or.jp/modules/important/?page=article&storyid=40　からpdfが読める）によると、

「最近では、炭水化物について、血糖に対する直接的な影響ばかりでなく、肥満の是正に対する効果などからその摂取量に関心が高まっているが、各栄養素の意義はエネルギー代謝に関する包括的な視野に立って評価すべきであり、決して個々の栄養素に限定して論じることはできない。」と言う。

　低炭水化物/糖質制限の発想で言うと、脂質・たんぱく質とかはいくらでも食っていいよという話になっている（ことがある）ような印象を受けるが、同提言によれば、沖縄県民が長寿トップから転落したのは、脂質栄養に偏ったせいなのではないかと考察されている。

「総エネルギー摂取量には差はないが、脂肪エネルギー比率が25％以上の者の割合は男女ともに 60%を越えており、全国平均の 40～50%をはるかに上回っている」とのことで、だから同じカロリーを食って、たんぱく質とかに寄せれば痩せますよ、なんてのは、嘘、虚言、迷信の類だと思っていた。

　いや糖尿病学会の考えだって一つの見解に過ぎないが、まあ、ある程度集合知があって、そんで科学的なエビデンスに基づいて語っているのであろうことは推測できるわけである。アトキンスに恨みはないが、医者は医者であるというだけではもはや信頼に足らない、と言うのは残念ながらもう常識だろう。「そうかー、お医者様は信頼したかったなー」という事例がこの世には多すぎる。

　であるから俺は米を食う。パスタも食う。糖質制限とかアホがやること。味覚もおかしい。そう公言して憚らなかった。いや後半は公言を憚っていたけど、さすがに。でも正直に告白すると、ちょっとそんなことを思っていた。

　ただね。ただよ。

　糖質制限、または低炭水化物食ね。これ、一理あるな～　とはなっている。

　どうした急に。回心したのか。

　つまりこの話が胡散臭いのは、ひとえに説明の仕方が悪い。それに尽きるのである。

　たとえば、からだの教科書（http://www.karada-navi.com/diet-medthod/diet-medthod-nutrition/3303/）とか見るとね。とても正気で書いているとは思えない文言の羅列なわけですよ。このページ、コピペが出来ないようになっているのが卑劣ですよね。手打ちで引用してやるからな。

「高インスリン状態が続くと、（略）リポプロテインリパーゼという酵素が活発に働きだし人体のエネルギー消費を停止させるように働き出します。」

　そんな酵素が存在してたまるか！　なんだ「エネルギー消費を停止」って。冬眠でもするのか。あるいはゾンビにでもなるのか。

　"いや、普通に動けますよ？　エネルギーが消費されないだけです。だから、痩せないんですよね～～。"とでも言うのか。

　だったらLPLを大量投与した人間で発電とかすれば、エネルギー保存則も破れるんじゃあねえのか。きゅうべえ大喜びだろ。

　あと、

「高インスリン状態の人がダイエットの為にトレーニングをしても体脂肪が燃焼されることはありません。」

　言ったな？　言い切ったな？　

　Hoag et al. (1995). High fasting insulin levels associated with lower rates of weight gain in persons with normal glucose tolerance: the San Luis Valley Diabetes Study, Int J Obes Relat Metab Disord,19(3), pp.175-80.

（http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7780493）

　アブストラクトしか読んでないけど、インスリン抵抗性が高い人は、体重増加のリスクが低いらしいですけども。

（インスリン抵抗性って、「血糖値の下がりにくさ」のこと。要するに、高インスリン状態になりやすい）

　「空腹時インスリン」を調べてですね。4年後くらいの体重を調べましたよという研究のようですね。

"higher initial fasting insulin decreases the risk of subsequent weight gain in both Hispanic and non-Hispanic white normal glucose tolerant individuals similar to Pima Indians."

　したらば初期の「高い空腹時インスリン」は、体重増加のリスクを下げるって書いてますけど。つまりもともと高インスリン状態になりやすい人の方が、体重増えにくいみたいですけどね。

　エネルギー消費もせず、脂肪も燃焼しない人の体重が増えにくい、ってどういうことだよ。

　またこの、「からだの教科書」ってタイトルが酷いよ。信じる人は信じるよそりゃあさ。「教科書」だもん。「からだについてのぼくのもうそう」だったらまあいいけど。さも正しいですよ～　みたいなことをアピールしやがって。典拠も示さずによぉ。

　いや俺が言うことも正しい保証はないよ？　ないけどさ。ただ、このサイトの他のページは知らないけど、この高インスリン関係の説明、少なくとも「超絶大げさに言うと」だとは思う。嘘、かどうか判断するだけの知識はないから嘘とは言わないけど。

　で、こういう説明が出てくると俺みたいなひねくれ者は、「うっそくせえ」「宗教か」「根拠を示せ、根拠を」と言って、むしろ米を炊いてわしわし食ったるで、となるわけです。言わずもがな、これは良くなかった。この点は反省している。

　糖質制限、低炭水化物、これは一理はあるのよ。

　と言っても、別にインスリンがどーしたこーした、ということではない。

　米のカロリー。100 g 356 kcalらしいですね。

（一応典拠を示しておこう。http://calorie.slism.jp/101083/）

　ただしこれは多分炊く前で、炊くと水分が含まれるので、炊きあがり100 gは168 kcalとのこと（http://www.eiyoukeisan.com/calorie/gramphoto/kokurui/gohan.html）。

　ただ、炊きあがり100 gなんて冗談みたいな量であって、たとえばサイゼリアで米を食うと普通に炊きあがり200 gのを出してくる。家でつつましく茶碗で食べれば100 gも可能だけど、外食してたらまァこのくらいにはなる。つまり生米で100 gくらい、余裕で食ってしまう。カレーなんて食ったらもう終わりですよ（この世の）。

　ヴィクトリアステーション（ステーキヴィクトリア）、たまに行くんですが、ここに行くと500円だったかな、でヴィクトリアヴァイキングが付けれるんですよ。

　カレー、ライス、サラダ、スープ、ドリンク、全部食べ/飲み放題！

　すげ～一日500円で無限に飯が食える～～！！

　とかそういう状況になると、半日居座ってライスをばくばく食べたりしてしまう訳であります。迷惑な客だな。すいませんね。そうするとカロリーがばくはつする。

　で、ですよ。砂糖。砂糖をたくさん食べたらそりゃあ太りますよね。そ～んなの～じょ～うし～き～　ぱっぱぱらりや、とうたいたくなるくらい、砂糖はカロリーが高いだろうという感じがする。それくらいデブにも分かる。

　したらばよ。氵氵花鳥乙氏が以下のようなツイートを飛ばしてきた。‏

「炭水化物は砂糖の塊で考えたらカロリー凄いですよねw

続きも楽しみにしてます(｡╹ω╹｡)」

（https://twitter.com/442novel/status/739816846631702528）

　まぁた大げさなことを言って～～　これだから小説家ってのは。物を書く商売の人間は。針小棒大、と言うと言い方悪いけど、そこらの普通に暮らしていたら全然なんも気にしないような情景を繊細に・濃密に描き出すことを日常茶飯事にしている人は、もうなんもかも大げさに言うんだから～～　まったく～～

　と思いながら砂糖のカロリーを調べた訳。たまげましたよ。

　100 gで384 kcal（http://calorie.slism.jp/103003/）。

　米と変わんねーじゃん！　マジじゃん！　全然大げさじゃねえじゃん！

　おいどうなってんだよ米。おかしいだろ米。

　まあでもそう言うことなのですね。

　よーするに米の炊きあがり100 g、なんて楽勝で食える。

　朝に納豆で100 g、昼にファミレスで2~300 g。夜は焼肉だから米をわしわし食うぞ～、200 g！とかやってたら一日に600 gとかになる訳で、したら米だけで1000 kcal。おかずを入れたら余裕で2000 を超えるでありましょう。いやこれは、いつまでも若いつもりで米を食ってるとそりゃあ消化しきれませんなという話であります。良く分かった。

　ちなみにパスタはより砂糖に漸近する。

「パスタで最も気になるのはそのカロリーですが、乾麺100ｇを茹でると、378kcal（茹であがり量240ｇ）」（http://microdiet.net/diet/000355.html）とのことで、砂糖の塊食ってるのとカロリーだけ言ったら変わらない。

　だからね。

　インスリンがどうこう、と言われてもデブには分かんないんですよ。いやこれはまた話が別か。素直なデブもいるもんな。少なくとも俺はピンとこない。

　でも、「米とか、軽く食べただけで相当カロリー高いんですよ。3食お腹いっぱい食べたらそれだけで1000 kcalとかになりますよ。砂糖100 gと、米100 gだったら、カロリー大して変わらないですからね」って言ってくれりゃあよ。

「あ～なるほどそういうことか～」ってなる。

　なぜならこれは、酵素とかインスリンとかとは全然関係ない、さんすうのはなしだからである。カロリーを消費して人間は生きる、ということを疑うつもりはない。で、消費するカロリーが摂取するカロリーを上回れば痩せる。で、米はすげーカジュアルに摂取カロリーを増大させると。だからちょっと気をつけようね。

　そういう話なんじゃあないのかなあ。違うんですかね。

　肉もまあ実際はそこそこカロリー高いけど、焼いたり味付けしたり、あと歯ごたえがあったり肉だけはそんなには食べないから野菜と食べたりするので、例えば一食で肉300 g食べるったら相当なものなので、炭水化物抜きで炭水化物食べてるときと同等のカロリーを摂取する、というのはかなり難しい、という話なのではないか。

　それなら分かる。確かにそうだわ。

　ということで、一理あるは一理あるなあ、と思っている今日この頃である。

　いやお前はなんも分かっとらん、インスリンについてはこれを読め！　という書籍をご紹介いただけるのであれば、誠心誠意読みますのでお知らせください。

2016年06月10日 07時07分の測定結果

体重:95.50kg

体脂肪率:29.80%

筋肉量:63.60kg

体内年齢:42歳

　やはり深夜ラーメンはつよかった。体重が増えている。まあこれはやむなし。

　朝食：グラノーラ＋牛乳（たぶん470 kcalくらい）。これが結構高カロリーなんだけど、ほかに食べるものが無かったのと、ラーメン食べたくせに腹は減っていたので。お手軽なのはいいですね。

　昼食：鶏肉のオーブン焼き(318 kcal)、サラダ(135 kcal)、パン(188 kcal)。サイゼリアである。いや糖質の話はどうしたんだよ。

　これに関しては、ちょっと外でやりたいことがありまして。ドリンクバー目当てで入ったんだけど、ランチでカロリーが低めなのがこのセットであって。ていうか、俺はちゃんと、「ライス抜きにできます？」って言ったんですね。ほんとですよ。「かしこまりました」って言ったんですよ店員も。したら代わりにパンが出てきましてね。笑いました。

　そういうこっちゃあねーんだよー！　でもまあ、出てきてしまったわけだし、食べたくないわけではないし、そういうこっちゃあない、と言ったら店員の混乱を招きそうだったし、いやそういう利他的なことではないですね。出てきたの見たら「おっ、なるほどそう来たか、ラッキー」とは思った。正直に行きましょうね。

　夕食：食べ損ねた。

　いやもうやることがね、佳境中の佳境でありまして。終電ですよ。

　終電どころか、乗り換えのところで終電過ぎてるんで、そっからは徒歩。

　まあ歩くのは健康と体重に良いんでね。

　さすがにこの時間から一人で飯食うのはな～　飲みましょう、という話であれば行ってしまった気がするが、全員疲労困憊していたので寝ましょう帰って、という感じになりました。

　で、明日（今日）は休みなので、飯を作るためにいろいろ買おうと思ってですね。

　24時間営業のスーパーに寄って帰ったんですが、腹減ってるときに買い物しちゃあダメですね。4,000円分くらい買ったかなあ食材。普段4桁行くこともめったにないのに。腐らせないようにしないと。

　本日の摂取カロリーは1,111 kcalになりました。ぞろ目ですね。おやすみなさい。