なぜ私はかくも肥満なのか

 こんばんは。ジャワカレー(中辛)にガラムマサラを振りかけたものを食べながら失礼します。カレーなんて何をどう食ったってうまいわ、と思っていた俺の横面を張り飛ばし、俺の人生を変えたのはこのジャワカレー(中辛)でした。食べたことない人は試して欲しい。市販のカレールーでは、ちょっと群を抜いてうまいと思う。なんならあのちょっとお高いプレミアムなんとやらよりうまいと思う。これが(辛口)だとまたちょっと違うんで、辛みが欲しい人はガラムマサラの小瓶を買って足すのがベストだと思います。


 いやーデブの話題ですね。すがすがしいまでに。ほれぼれするほどに。一切の外連味がない、デブの話題。

 今時カレーの話から入るデブがいるかよ。キャラつけすぎだろ。

 と思われるかもしれませんが、ふつうに、ナチュラルに、超絶平常心で、エッセイのことなんて一切考えずに飯を作ったらそれがカレーでしたという話です。

 ところで普通に疑問なんですが、低炭水化物ダイエットをしている人はカレーをいつどうやって食べるんですか? 


 さてそんなことはどうでもいいとして、本題に入りましょう(いやでも普通に疑問なので、俺が唐突な逆ギレをする可能性もありますがそれでもいい、という低炭水化物ダイエッターの方は教えてください)。


 カレーの話になるとなげーなデブはよぉ。以下本題です。



 人間は二種類に分けられる。


 この書き出し嫌なのよ。


 人間は二種類なんかに分けらんねーっつーの、と君は言いたいだろう。わかるよ。人間というのはそんなに単純な存在じゃあないですね。はいはい。知ってるわ。

 あるいは、「いや、三種類である。なぜなら空集合があるから」とか言いだす森博嗣ファンは、今は申し訳ないけど、黙っててほしい(※1)。

 

 と、このように予防線を張りたくなるくらいこの書き出しは嫌いというか苦手というか、もう散々こすられすぎたところだなあとは思っているし、多分君もそうなんだろうと思っていて、だからこそ予防線を張っているわけであるが、しかしこれからする話ではどうしても人間を二種類に分けないといけないので、まずはそれを寛恕いただきたいということである。

 これがダメならもう申し訳ないけど、ペンの力で君を納得させることは出来ないので剣、はまあ銃刀法ってものがあるので、拳で納得させるしかない。キーボードを叩くのをやめて君を叩く。それしかない(※2)。相撲で勝負だ。デブは強いぞ。誰だ今俺をデブって言った奴は! 俺か。俺だった。おれだったァ~今フタを開けていたのにィ~~。こういう風に唐突に「ジョジョの奇妙な冒険」を引用してさあ面白いだろうと迫ってくる文章を書くのも恥ずかしいことだと思っています。(※3)


 なぜこんな多方面に無差別攻撃をするのか。それは俺が今恥ずかしいからだ。

 照れ隠しと言う奴である。ツンデレですね。いわゆる一つのね。


 さて、人間は二種類に分けられる(赤面して)(かわいい)(31歳)(巨漢)。


 腹が減っていないと飯を食わない人間と、腹が減っていなくても飯を食う人間である。

 この両者が完全に分かり合う日は来ない。永遠に、である。どれだけ世界線を変動させても、なんど同じ時を繰り返しても、15498回の夏休みを過ごしても、である。

 とは言え人類はそれなりに長い歴史を持ち、時に争いながらも、なんとか平和にやっていこうと努力している。だからちょっと俺たちも努力をしてみよう。互いの立場になり、互いの気持ちに寄り添い、手に手を取って歩き出そう。それこそが人間性というものだと俺は思っている。


 腹が減っていないと飯を食わない人間の言い分はこうである。


・食事とは空腹のとき、および空腹が見込まれるがそのタイミングには食事ができないことが推定される場合は事前の時間的猶予があるときにするものである。

・腹減ってないのに飯食うから太るんじゃあないの?


 実にシンプルだ。まあ、理屈としては分からないこともない。オッカムの剃刀、モーガンの公準、なんだっていいが、シンプルな理屈にこれ以上付け加えることは好ましいことではない。つまり腹が減っていないのに飯を食う派は、この単純明快な理屈をただ黙って飲み込むしかないということになる(飯を食う派だけに)(これには一同大爆笑)。


 そうだろうか?

 良く考えてみてほしい。


 例えば君が意中の彼/女とより深い仲になりたいと思ったとする。

 君は彼/女になんと言うか?

「君と夜明けのコーヒーを飲みたいんだ」

 とかいきなり言うのは、まあダメとは言わないけどちょっときっついなー、というのが衆目の一致するところではなかろうかと思う訳ですね。じゃあってんで、

「一緒に三井グリーンランドに行かないか」

 と言うのも、まずそもそも三井グリーンランドって大人が行っても楽しいのかという問題があり(※4)、そして何よりあからさまにデートである。まっとうな社会人はいきなりこういうことは言わないものである。たぶん。

 さりとて、

「今度一緒に映画を見に行かないか? 実は新聞契約を更新したら映画のペアチケットが手に入って」

 なんてのも、こんだぁニキビ面の中学生かよという感じがして、まあ行く人は行くかもしれませんけども、なんとなく気持ち悪いなこいつ、ほかにもっと誘い方知らないのかよという感じになりますよね。特に後半の言い訳めいた部分。


 ではベストは何か?

「このあいだ気になるお店を見つけてね。今度一緒に行ってみないか?」

 こういうのが気安くて良いでしょう。


 まああるいは、というか意中の人だと話ややこしくなるんで、最初っからこう言っておけば良かったのであるが、仕事柄付き合いのある人間がいて、その人間ともう少し(いろいろな理由から)仲良くしておきたい、というときに、もちろん「夜明けのコーヒー」は論外であるし、「旭山動物園」も「ズートピア」もちょっとばかしおかしいでしょう。

 ところが、「いや先日なかなか良い酒を置いている店を見つけましてね。どうです? この後いっぱい」なんて言うと、「ああ、それはいいですね。行きましょう」ということになって話がすんなりとまとまるのである。 

 

 この時、たとえば君が誘った相手はこの誘いの直前に「焼きそば弁当 エクスプレス」(これは北海道新幹線開通記念に発売されたもので、なんと1分で湯切りが可能になっている。すげえ。完璧なるエクスプレス。これをエクスプレスと呼ばずして何をエクスプレスと呼ぶのか?)をかっくらっている可能性があるが、そのこととこの誘いを受ける/受けないは関係ない、はずである。

 実際、「いや~~さっき焼きそば弁当エクスプレスを腹いっぱい食べてしまいましてね~~」と言われた場合、それが「マジで腹いっぱいなんです」ということを意味する確率はいいとこ3%程度で、7割は「お前とは別に行きたくない、なんか気まずいし」ということを意味するのである。あとの2割7分は「今日は用事がある」とか「単純になんかだるいから帰りたい」「その他」である。

 

 えーっと何が言いたかったんだっけ?

 そうそう。「腹減ってないのに飯食うなんておかしいですよ」学派に対する反論であった。

 そういう頑迷固陋な人間には事実をもって語らしめるより他になく、その事実を提示したということであった。

 ようするに、人間、腹減ってなくても飯食うこと、あるだろうがという話である。

 

 まあもっとシンプルに言うと、じゃあ例えば君がわずかな休みにリフレッシュしようと思い、北海道に遊びに来たとしよう。夕飯にはジンギスカンを食べました。もうお腹はくちくなっている。でも、せっかく来たんだし「はちきょう」にも行こう。したらいくらのつっこ飯(いくらを飯にかけまくるメニュー)は食うべさ。なまら食うべさ? かつかつよ。じょっぴんかうぞこら。ごんぼほんでねえ。あーあずましい。(※5)

 ね? そんなに腹は減ってないけど飯は食いたい、ということ、あるでしょう?


 ではこの論理の縦糸・弁舌の横糸が織りなす完璧なロジックの螺旋階段をもう一周昇ってみることとしたいが、ちょっと長くなりすぎたので、明日に続きます。引き延ばしているわけではなく、マジで長いわとなったので。というか既に長いので。詳しくはまた明日。

 


※1 森博嗣、およびそのファンに憎悪の念を持っているということはないんですが、話がややこしくなるので、ということです。


※2 再び六法全書を熟読した結果、刑法に「傷害罪」という罪があることを発見した。


※3 「ジョジョの奇妙な冒険」そのものはもちろん好きです。あと適切な引用は面白いと思いますよ。 


※4 これが割と面白い。


※5 いくらのつっこ飯は食べるでしょう。たくさん食べますよね? ギリギリだよ。鍵かけるぞこら。駄々をこねないでください。あー、なんとなく落ち着いた気持である。 後半何を言いたいのかなんて、俺だって分からないですよそんなの。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る