2-7 戦場へ

 アールスハイド神聖国を出た三人の少女。

 彼女達はレオンツィオに命じられたその日の内に、光神教が有する転移門を利用してリッツバード王国へと到着していた。


「わぁー、人いっぱいだぁ」


 光神教の教会から外へと出るなり、白髪を左右に纏めた天真爛漫な少女――ノエルが笑いながら楽しげに周りを見ながらくるくると踊るように回ってみせる。

 長い髪が行き交う人にぶつかったりとし始める中、そんな姿を見て注意をしたのは、少々ぶっきらぼうな性格をした男勝りの赤髪の少女――ロザリーであった。


「ノエル、ちょっと落ち着け。ほら、他の人に迷惑だろ」


「えへへ、ごめんなさーい」


「まぁまぁ、ロザリー。ノエルはあの籠の中しか世界を知りませんもの。はしゃいでしまうのも無理はないわ。そう目くじらを立てないであげて?」


「知らないからって許される訳じゃないでしょう? あんたからも言ってやんなよ、シルヴィ」


「ふふふ、それもそうかしらね。ノエル、知らない人に迷惑をかけるのはいけない事なの。喜ぶのは分かるけれども、あまり騒ぎ過ぎるのは良くないわ」


「はーい」


 柔らかな印象を与え、育ちの良さそうな余裕のある振舞いをしてみせる青髪の少女――シルヴィ。素直に謝ってみせるノエルを見て微笑みながら頷いたシルヴィであったが、ちらりとロザリーに目配せした。


 ――あまり目立つ真似をさせないように。

 言下に込められた釘を刺すような視線を受け止めたロザリーが無言で頷くのを見ると、シルヴィはくるりと後方へと振り返った。


「――それで、わたくし達はどちらへ迎えばよろしいのです?」


 そこに立っていたのは、錆色の頭をした若い青年であった。


 男の名は、エドワルド。

 一見すれば至って平凡な、ありふれた町中にいる青年といった服装と顔立ちをしている男である。しかしその実、神聖騎士団の〈裏〉の仕事を担当している実力者であり、今回の三人の監視役でもあった。


 ――今のところは、どうやら同行をらしい。

 心の中でそんな事を考えつつも、エドワルドはへらりと軽い笑みを張り付けながら口を開いた。


「すでに戦争は始まってるっすからね。とりあえず『聖女』様にはあっしの部下から皆さんが来る事は伝令してあるんっすよ。三人にはこのまま戦場に向かって、ちょいと派手に暴れてもらう予定っす」


「そうですか。でしたら、急ぎましょうか。ちなみに戦場はここからどれぐらいの距離なのですか?」


「およそ半日程っすかね。なんせここは、リッツバード王国の最前線に当たりますんで」


「……そう。さすがは大国リッツバードですわね。エルセラバルドの新兵器を前に、得意な状況に誘い出しているといったところかしら」


「得意な状況っすか?」


「攻めよりも守る事に長けているのよ、リッツバードは。何せこの国は、あの災厄の魔王ジヴォーグを相手に生き残った国だもの」


 現在、リッツバード王国はエルセラバルド帝国の〈アルヴァ〉による攻撃により、前線を下げているような状況だ。とは言え、砦の籠城はリッツバード王国側が投じた策であり、追い込まれているというのは少々語弊がある。

 かつての魔王ジヴォーグを相手にして生き永らえたというのは、偶然でもなければ幸運でもなく、紛れもなく優れた防衛能力があったからこそだ。


「当時もリッツバード王国は防衛拠点となる砦に籠城しつつ、魔物を率いる魔族の軍勢を相手に耐え切ってみせたのです。堅牢かつ反撃能力の高い砦に篭もられてしまっては、いくら魔導帝国と云えど迂闊に手出しできなくなってしまったのでしょうね」


「よくご存知っすね」


「あら、大聖堂には多くの書物がありますもの。それぐらいの情報なら簡単に手に入るのではないかしら?」


「……いやぁ、あっしはだけは遠慮したいっすけどね……」


 エドワルドが顔を引き攣らせるのも無理はなかった。


 アールスハイド神聖国の大聖堂内には、この世界の様々な史実から、魔王ジヴォーグ襲来当時の状況を詳細に書いている手記など、ありとあらゆる書物ばかりが保管されている塔がある。中に入れば壁一面に棚が設置され、上を見上げても見える限りに書物が置かれている塔だ。

 それらを読み漁るなど、余程の本好きでもなければ到底できる芸当ではない。必要な情報を探す為にエドワルドも入った事はあったものだが、人海戦術を以ってして三日程はかかったという苦い記憶さえある。

 シルヴィが語ったリッツバード王国の防衛能力などについては、件の書庫で見つけた書物から得た知識であった。


「あら、ノエルやロザリーと同じような反応をするのですね。知識を得るというのは楽しいものですのに……」


 拒絶する理由が判らないとでも言いたげに嘆息するシルヴィを見て、エドワルドは引き攣った顔のまま無理矢理に笑みを浮かべた。


 天真爛漫な少女であり、神聖騎士団内でも密かに「俺の娘」的な扱いをされているノエル。男勝りながら、勝ち気で鋭い眼をした美少女の、何者も自分に近寄るなとでも言いたげに立ち振る舞うロザリー。

 二人はシルヴィとは違って、色々と破天荒な節があって扱いにくいものの、神聖騎士団内では密かに人気があったりもするのだ。


 しかし、シルヴィは違う。


 いつも柔和な笑みを湛えてこそいるものの、しかしながら人の心をあっさりと一刀両断してみせるような言葉を口にしてみせたり、文官を質問責めにして胃を悪くさせておきながら、きょとんとした顔で「その程度の事も知らないのですか?」とトドメを刺したりもする。


 その上、一度癇癪を起こそうものなら誰も手がつけられないノエルやロザリーだが、何故かシルヴィの言う事だけはしっかりと聞くのだ。要するに黒幕とでも言うべきか、手綱を握った存在である。

 その上、何を考えているのか、その豊満な胸の内に隠している本音も一切見当がつかないという点でも、神聖騎士団内でもシルヴィだけは敵に回さないようにといった不文律が成立されていた。

 レオンツィオからも直々に「シルヴィには気を付けよ」との命令を受けているエドワルドとしては、こうして何気ない会話をしているだけでも何が逆鱗に触れるかも分からない以上、気が抜ける相手ではない。


「シルシル、ローズ! わたし、観光したい!」


「観光って……。そんなの無理だろ」


 ノエルの言葉を否定しつつも、心のどこかで期待していたらしいロザリーがちらりとシルヴィを見やる。

 困ったように苦笑を浮かべて、シルヴィは一つため息を吐いた。


「ノエル、ロザリー。観光は後でいいですわね? ――仕事を片付けてから、ですわ」


 シルヴィの一言に、じゃれ合うように笑い合っていた二人の空気が――変わった。


「……あはっ! 楽しそうだね」


「少しは骨のある相手ならいいんだけど、な」


 ――あぁ、やはりこいつらは


 どこか虚空へと向けて笑みを浮かべているようなノエルに、狂人を思わせるような独特な笑みを浮かべてみせるロザリー。そして、微笑みの向こうに仄暗い感情すら見え隠れしているシルヴィ。

 命をやり取りする戦場へと赴くというのに、それぞれがどこか危うい空気を放っている三人を見て、エドワルドは今更ながらに改めてそんな事を再確認する事になったのであった。









 ◆ ◆ ◆









「――ほう、さすがは古より続く国だな。年寄りには相応しく、守る事ばかりは優れているようではないか」


 エルセラバルド帝国、帝都の中心に聳え立つ巨塔の最上階で戦争の経過に関する報告を受けていた『鮮血女帝レッド・エンプレス』――イザベラ・エル・エルセラバルド。

 いつもならば戦争の報告を聞いても退屈そうに聞き流すばかりのイザベラにしては珍しく、皮肉混じりではあるものの素直にリッツバード王国を賞賛してみせた。


 そんなイザベラの態度に驚きを隠そうともせずに目を丸くしたのは、イザベラの側付きでもある黒髪の使用人――アイラであった。


「敵国を賞賛されるなど、珍しい事もあるのですね」


「随分な物言いではないか、アイラ。良いものを良いと言えぬ程、妾は狭量ではないぞ? ――もっとも、妾とてあの国が〈アルヴァ〉を投じるだけで瓦解してくれるとは思っておらなかったのは本音だが……ある意味でこれは嬉しい誤算なのだ」


「嬉しい誤算、ですか」


「あっさりと戦いが終わってしまおうものなら、必然的に魔王と対するのは我が国となってしまうやもしれぬであろう?」


「……なるほど。詰まるところ、魔王とはあくまでもでありつつ、しかしそれはあくまでも危険ではない範疇で留めておきたい、という事ですか」


 エルセラバルドは大帝国の名が相応しい程に大きく、強大な力を有している。ともすれば、魔王アゼルはエルセラバルドに注目――それも危険視する可能性すらある。


 そうなってしまえば、イザベラとしては面白くない。

 エルセラバルドは「魔王アゼルが無視できず、かつ対等に取引できる相手」で在る事が理想であり、敵対する事は望んではいないのだ。


 そういった本心をわざわざ説明せずとも理解してみせるアイラに、イザベラは愉しげに肩を揺らす。


「くっくくくっ、さすがだな。妾の側仕えとして、実に妾を理解してくれているものだ」


 一頻り肩を揺らして笑って満足したかと思えば、イザベラはすっと瞳を眇めて気を取り直した。


「今回ばかりはが違うからな。これまでは一国の利益の為に火中の栗を拾うのも厭わなかったが、今回のこれはへと続く最短にして最善の道。手や腕では留まらず、業火の中へと身を投じる程度の覚悟がなければ喰われてしまいだ」


「その為の戦争ですか」


「そうだ。魔王アゼルへの手土産に、老害どもが後生大事に抱え込んでいる”古い栄誉の成れの果て”――『本物の勇者』を誘き出し、その存在を知らしめる事。それこそが、この戦争のだ」


 そう、イザベラが戦争を起こしたのは、何もただアールスハイド神聖国やリッツバード王国を厭い、拒絶した訳ではない。

 表舞台には決して出て来ようとはしない、アールスハイドが擁する最後の――『本物の勇者』と呼ばれる者。その存在を明らかにし、魔王アゼルへと情報を渡した上で、初めて交渉の席に着けると考えているからだ。


 もちろん、イザベラとて自国の兵を無駄死にさせるつもりは毛頭ない。

 そもそも『本物の勇者』と呼ばれる存在が『勇者』である以上、虐殺劇が引き起こされる可能性は極めて低く、圧倒的な実力を見せつけて投降を促すのが関の山であろうと踏んでいる。


 今回の戦争の真の目的は、あくまでも魔王アゼルとの交渉の席に着くための代物でしかないのだ。

 投じられた〈アルヴァ〉の戦闘能力を開戦と共に見せつけ、それが魔王アゼルにとって、『本物の勇者』の実力を知る試金石となれば良い。加えて、これは帝国にとっても〈アルヴァ〉の欠点を炙り出す丁度良い舞台と考えられる。


「開戦を指示したのは妾だが、本当の意味でこの戦争が始まった原因は妾とは言えぬな。アールスハイドの老害共が動いたからこそ、この戦争は始まったのだ」


 ――齢十三にして皇帝の座に就いて以来、イザベラはこの世界の不条理さを誰よりも感じてきた。


 神々によって管理された、箱庭のような世界。その世界の中で、愚かにも陣取りゲームよろしく土地や資源を奪い合う国々。権力に妄執し、容易く他人を蹴落とし、騙し、殺す者達。

 自分達は、あくまでも神の箱庭であるちっぽけな世界の中で生きているだけだと言うのに、それさえも理解していない。


 それはイザベラの目には――滑稽にしか映らない。


 愚かにも何も知らず、神の箱庭の中だとも理解せずに一喜一憂している。

 さながら、とても狭い舞台の上で糸に操られて踊っている人形のそれにしか見えなかった。


 ――――故にこそ、イザベラは世界を掌握する事を決意した。


 神の箱庭である世界を掌握し、神と真っ向から対峙し、神から本当の意味での自由を勝ち取る――ただその目的を果たす為には、『魔王』という手札がどうしても必要なのだ。


「この世界は今、大きな変革の時を迎えようとしている。神が書いたシナリオに『魔王』という異物が生じた事で、な。妾にとって、これ程嬉しい事はない」


 よもや神の思惑によって魔王が生誕した事など、当然イザベラは知らない。

 心のどこかで、神はあくまでも傍観者でしかないのだと考えているイザベラだからこそ、その可能性には思い至る事はなかった。


 ――――ふと会話が途切れたその時、二人の耳に荒々しく扉を叩く音が聞こえてきた。


 普段ならば『鮮血女帝レッド・エンプレス』の異名を恐れ、聞こえるか聞こえないかといった程度に抑えられている扉をノックする音が、今回ばかりはどうやら様子が違ったようだ。

 扉を守る衛兵からちらりと視線を向けられ、内心では珍しい事もあるものだと驚きに目を瞠るイザベラであったものの、表情にはそれを出さずに入室を促す。


「――御前失礼致します、陛下!」


「騒々しいな。何があった?」


 イザベラとて自らの機嫌一つで他人の首を落とすような真似をするつもりはない。慌ててやって来るのだから、それなりの理由はあるのだろうと聞く耳を持ちつつも、それでもどこか興味がなさそうに振る舞う不器用さに、アイラは小さく苦笑を浮かべる。


 飛び込んできた男は、軍部の情報局に勤める責任者の男だ。

 戦争に関係する何かが起こったのだろうと察しつつ訊ねるイザベラの予想通り、男は謝罪の言葉を口にするなり、新たに言葉を紡いだ。


「――正体不明の三人組によって、〈アルヴァ〉の部隊は壊滅……! リッツバード王国の兵もまた、三人組によって抑えられ、戦争は一時膠着状態となりました……!」


 ――――たった三人によって、〈アルヴァ〉が止められる。

 当然男とて、最初にこの報告を耳にした時は何かの間違いだろうと鼻で笑ったものだったが、何度訊ねてみても答えは変わらなかったのだから、もはや疑っている場合ではなかった。


 目の前にいる女帝がこんな馬鹿げた報告を耳にしようものなら、自分の首が落とされるか嗤われるか、どちらかだろう――と男はイザベラの言葉を待ったまま、頭をあげようとはしなかった。


「その者らは、魔族ではあるまいな?」


「……人族――〈普人族ヒューマン〉の少女が三人、でございます……」


 恐縮しつつも答える男。

 しかし、一向にイザベラからは叱責の言葉が返ってくる事はない。

 恐る恐る顔をあげ、ちらりと様子を窺い見ようとした男の目に映ったものは――イザベラの獰猛な笑みであった。


「――くっくくくっ! ついに出てきおったか、神の駒め」


「へ、陛下……?」


「気にするでない、こちらの話だ。今は前線を維持しつつ、しばし様子を見よ。降伏や停戦を訴えてこようとも、決して勝手に応じるような真似はするなと伝えよ」


「は、はっ!」









 ◆ ◆ ◆








「腑抜けもいいところね、今の人族は」


 一方、アディストリア大陸南部、旧レアルノ王国。

 イレイアが退屈げにぽつりと漏らしたのは、嘲りや侮りではなく、ただただ単純に呆れたような感情であった。


 旧レアルノ王国はもはや、かつての大地とは程遠い。

 イレイアが召喚した中級眷属に抗えるだけの実力者はおらず、下級眷属による数の暴力によって町や領都は次々と陥落。

 すでに下級眷属を率いてアゼルへと献上するという当初の目的はすっかり消え去ってしまったイレイアは、ただただ気の向くままに蹂躙を続けている内に、飽きと退屈ばかりが募っていた。


「魔王アゼル様による王城崩しが、この国にとっては致命的だったのでしょう。この国ではイレイア様の無聊を慰めるには足りませんね」


「本当に退屈だわ、アルマ。何か面白い事はないのかしら?」


「そうですね……――この大陸の北部で今、人族同士が戦争を行っているそうです」


 なかなかに無茶な問いかけであったが、しかしアルマとてイレイアに仕え続けている存在。そろそろ主であるイレイアがこういった言葉を口にするだろう事は想像しており、その為にも中級眷属の数名を利用し、大陸の情勢を耳に挟んでいた。


 アルマが想像した通り、彼女が齎した情報を耳にして――イレイアは口角をあげて瞳を妖しく輝かせた。


「……ふぅん。


「幾つかの国を跨ぐ形となりますので、このまま順当に行けば当たるまでは数日はかかってしまうかと」


「そんなのつまらないわ。私が着く前に終わっちゃったら意味がないじゃない」


「でしたら……」


「えぇ。行きましょう、アルマ。私がいない所で盛り上がるなんて、そんなの許さないわ」


 狩り甲斐のある獲物を見つけたとでも言わんばかりに、弾けるように駆け出そうとしたイレイア。

 しかしその時、一人の中級眷属の吸血鬼がイレイアとアルマの目の前にずるりと大地から滲み出る浮かび上がり、跪いたまま口を開いた。


「ご報告が」


「……くだらない内容だったら、殺すわよ」


 楽しみの邪魔をされたとでも言いたげに不機嫌になったイレイアからは、おどろおどろしい魔力が漏れ出て中級眷属の吸血鬼を取り囲む。

 その様子に気が付いた吸血鬼は僅かにぴくりと身動ぎしつつも、それでも更に深く頭を下げたまま続けた。


「魔王アゼル様が、この大陸へと向かっていらっしゃるようです」


「まあっ、あの御方が!?」


 先程の不機嫌な態度から一転、イレイアは花が咲いたように笑みを浮かべつつ声を弾ませる。色白の顔にも熱が灯ったかのように紅潮し、まさしく恋する乙女のそれと同じような反応を示していた。

 おどろおどろしい魔力から解放された吸血鬼も、その姿を不憫そうに見つめていたアルマも、お互いに密かにため息を漏らした。


「はっ。どうやら北での戦争に興味を抱かれた様子。夢魔の巫女、それに〈黒竜〉の若者を連れているとの事です」


「そう……。夢魔の娘はどうでもいいとして、アルマ?」


「はい。恐らくは先日陛下と手合わせした〈黒竜〉の若き次代の長、ヴェクターではないかと。どうやらあの一件以来、蜘蛛魔族の女王ベルファータと共に鍛えていたようですし、戦場へと連れ出したのではないでしょうか」


「となると、今から行けば会えるのかしら?」


「恐らくはその可能性が高いかと」


「なら、急がなくっちゃねっ! ――あの御方が到着する前に、皆殺しにして驚かせましょう?」


 部屋の中を花で彩るかのような物言いで告げられる、イレイアの提案。

 しかしそんなイレイアに常識的な恋する乙女の在り方を指南できる者などいるはずもなく、アルマもまた涼しい顔で頷いたのであった。







 リッツバード王国とエルセラバルド帝国。

 そしてアールスハイド神聖国が擁する、『本物の勇者』である三人の娘達。

 さらには魔王アゼル、『陽を跨ぐ者デイウォーカー』イレイア。







 全てが相見える時は、すでに――――近い。





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