2-3 道化再び

「――ッ。陛下、お待たせ致しました」


 玉座に腰掛けたアゼルと、アゼルが組んだ足にもたれかかるようにぺたりと地面に座ったサリュを前に、ネフェリアは息を呑みつつもかろうじて声を絞り出す。ネフェリアが息を呑むのも無理はなかった。普段のアゼルは魔力を抑えているのだが、今のアゼルからは重苦しい程の重圧が感情の発露と共に溢れ出ているためだ。

 僅かにしか悟らせぬ程度であったネフェリアの声色であったが、それでもアゼルは自らの失態に気が付くと、嘆息した。


「すまない、ネフェリア。少々苛立っていてね」


「いえ、私の事などお気になさらずとも。いかがなさいましたか?」


 ネフェリアの問いかけに、アゼルはしばし逡巡する様子を見せてから、静かに口を開いた。


「どうやら、レキストリアに赴いた魔族がいるらしいんだ」


「レキストリアと仰りますと、陛下が人族に宣戦布告をなさった、あの町ですか」


 人族に向け、夢魔族が潜まれていた〈羽〉の面々に協力してもらう形となった、国の崩壊と宣戦布告。あの事件はアゼルにとってみれば、魔国――延いては魔都アンラ・マンユを築く上での時間稼ぎでもあり、同時に人族に対する危険意識を植え付ける為の行為であった。

 この魔大陸に渡ってくる『人族同盟』から外れた者達や夢魔族の報告によれば、今やレキストリアは秩序を失い、その余波はレキストリアに王城を構えていたレアルノ王国全体にまで広がりつつある。混沌とした地はすでに魔族との戦いが激化するであろう事が予測されているため、近隣国のエルバー商業国なども砦を築いたりと防備を固めこそしているものの、レアルノ王国跡地の奪還には乗り出そうとはしていない。


「それにしても、そのような情報は我々も掴んでいませんが、一体誰から齎された情報なのですか?」


「――儂だトも、夢魔の巫女ヨ」


 薄暗い玉座の間に佇む柱に背を預け、さも先程からずっとそこにいたとでも言わんばかりに声をかけてきた『不死王ノーライフ・キング』――ギ・ジグ。その声にぴくりと柳眉を動かしたネフェリアは、ギ・ジグを冷たく睨めつけた。


「……『不死王ノーライフ・キング』。お久しぶりですね」


「クカッ、巫女ヨ。まダ根に持っテいるノか?」


「赦されるとお思いですか? かつて夢魔の同胞を不死魔族アンデッドに変えた、不届き者の存在が」


「クカカカカカッ。そういキり立つナ、巫女。アレは不幸ナ事故だ」


「事故、ですか。謝罪しようという意思がないのなら、今この場で滅してくれましょうか?」


「それハ怖いナ。謝罪しよウ、巫女。それニ、魔王とそこノ娘にモ言われテおる。――魔族ヲ儂の眷属ニしようもノなら、殺す、とな」


「あはっ、その時は楽しくろうね?」


「……やれヤれ、狂っテおるなぁ……クカカカッ」


 過去、ギ・ジグは魔族の死者を不死魔族に変え、眷属の軍勢を作り上げてジヴォーグと共に人族を蹂躙した。しかしそれは、矜持や誇りを胸に戦の中で死んでいった者達への侮辱とも取れる行いであり、多くの魔族からも忌み嫌われる行いであった。

 そのため、ギ・ジグは実力こそ認められているものの、その残忍さと死んでいった魔族の躯を駒のように扱っていたため、魔族内でもどちらかと言えば敬遠されがちな存在でもあるのだ。

 そういった情報をすでにリリイから聞いていたアゼルは二人のやり取りを耳にしつつも、ネフェリアが激昂して襲いかかるような性格をしていない事に、心のどこかで密かに安堵していた。


「申し訳ありませんでした、陛下の御前でこのような真似を」


「構わない。禍根を断つ為に必要であったと俺が判断したからこそ、ギ・ジグにはここにいてもらったんだ」


「お気遣い、感謝いたします。――して、レキストリアに向かった魔族、とは?」


「『陽を跨ぐ者デイウォーカー』ダ」


「――ッ、吸血女王イレイアが動き出した、と……?」


 魔大陸内にいるであろう吸血鬼の女王、『陽を跨ぐ者デイウォーカー』イレイア・ヴラド・アーゼアス。その姿は現在進行形で夢魔のレナン率いる〈羽〉の者達が探している最中であったが、未だ発見の報告はない。

 そんな中、ギ・ジグによって齎された情報は、よりにもよってすでにアディストリア大陸――それもアゼルが『国崩し』と呼ばれる所以ともなった、レキストリアに向かっているという情報には、さすがにネフェリアも動揺を禁じ得なかった。


 確証はあるのか。

 そう問い質そうとネフェリアが口を開きかけた、その時だった。

 ネフェリアの後方から、手袋をつけたまま拍手してみせるような音が聞こえたかと思えば、直後に新たな闖入者が声をあげた。


「スッンバラシィ! ワタクシ新たな波乱の予感にゾクゾクしております、ハイ」


 後方から突如として聞こえてきたアラバドの声にカクンと力が抜け、ネフェリアは忌々しげに振り返った。


「あ、貴方はいきなり出てきて、何を……」


「ワタクシ呼ばれてる気がして出てきました、ハイ。観客オーディエンスの期待に応えるのもまた、〈道化〉の役割であるのです」


「よ、呼んでませんッ!」


 真面目なネフェリアの反応が愉しかったのか、アラバドは仮面の下で満足気に瞳を細めると、アゼルへと向かって大きく腕を回して腹部の前で曲げ、深々と頭を下げた。


「お久しぶりでございます、魔王陛下。遅れ馳せながら、魔国アンラ・マンユの建国、この慶事に馳せ参じられませんでした事を、ワタクシ後悔と疎外感に新たな境地に覚醒めそうな想いでございましたが――ともあれ、おめでとうございます」


「……あぁ、ありがとう、アラバド。顔をあげてくれ。それで、ここ最近見なかったけれど、何かしていたのか?」


「ハイ。少々アディストリア大陸に、以前陛下が宣戦布告した際にこっそりと乗り込んでおりまして」


 堂々と言い放つアラバドに、アゼルは唖然とした表情を浮かべ、ネフェリアは驚愕のあまりに目を丸くした。

 アゼルらがアディストリア大陸へと乗り込んだあの時、船内にはアゼルとサリュ、無魔族の者達が乗り込んでおり、その際には人族の生き残りなどがいないかと徹底的に見回ったのだ。

 当然、そこにアラバドが発見されたなどという報告は受けていなかった。


「し、忍び込んでいたのですか?」


「えぇ、その通りです、ハイ。ワタクシ、夢魔族に見つからないものかという危機感と隠れて行動するという背徳感にこう、ゾクゾクと昂ぶりつつ、客間で寛がせていただきました、ハイ」


 仮面の上からでも想像できそうな程に恍惚とした表情を浮かべながら語っているであろうアラバドが、自らの身体を抱き締めながら告げる。そんな姿にネフェリアはもちろん、サリュとギ・ジグからでさえ、どこか関わり合いになりたくないとでも言いたげに引いていく。

 そんな中、アラバドは仮面の奥の瞳を細め、愉しげに両腕を広げた。


「どうやらイレイア様は、レキストリアから眷属を放ち、次々に生き残りの人族共を使って下級眷属を増やし、このまま人族に攻め入るようでございます」


「ふむ、元々人族を攻めるつもりだったのかな?」


「いえいえいえ、あの御方はそのような些事になど、興味を抱いてはおりませんでしたとも」


「だったら、何の為に?」


 もし人族の大陸を手に入れる為に動いていたのだとするならば、レキストリアという魔大陸からは最も渡りやすい位置が混乱している今は、確かに攻め込む機会に恵まれた地であると言える。だが、そんな可能性を示唆してみても、アラバドから帰ってきた答えは否定。

 小首を傾げたアゼルに向かって答えを告げたのは、アラバドではなく沈黙を保っていたギ・ジグであった。


「――だかラ言っテいるデあろウ、魔王。彼奴は享楽的デ狂信的、そしテ強欲ダと」


「抽象的過ぎてよく分からないな。一体何に対して狂信的なんだ?」


「――お主に対シて、だとモ」


「……いや、俺は会った事もないが?」


「イレイア様はそもそも、先代魔王ジヴォーグ様を「好みじゃない」と言い放っていつも勝手な行動をしていたと聞いておりますが……」


 そもそもイレイアの名をアゼルが知ったのは、ネフェリアによって教わった力ある魔族を統べる一角としてだ。これまでに会った事もなければ、魔国アンラ・マンユの建国宣言を行った際にイレイアの眷属がいたという情報さえ届いていない以上、アゼルとイレイアとの間に接点はない――はずであった。


「ヒョホホホホッ! ワタクシ、アゼル様のあの偉業を記録した水晶をイレイア様に贈っております、ハイ」


「あ、貴方はまた……!」


「どうやらイレイア様は、アゼル様に一目惚れなさったようでして。どうにかアゼル様の寵愛を受けられないかと思案されておいででしたので、ワタクシ、人族の住まう大陸の一つでも献上すれば、寵愛をいただけるのではないかと呟いてみたのです、ハイ」


「な、何を勝手な事を口にしているのですッ!」


「アゼルは私のだよ? 勝手に人にあげるなんて、殺すよ?」


「ヒョホホホホホッ!」


 相も変わらず勝手で、何か波乱が起きそうなものがあれば即座に引っ掻き回してやろうとでも言わんばかりに動く〈道化〉。その名に相応しいとでも言うべきか、詰まるところイレイアが動き始めたのは、アラバドが動いたせいであった。

 アラバドの一言に頭痛がするとでも言いたげにこめかみに手を当てたアゼルを他所に、苛烈な愛情表現のサリュはもちろん、ネフェリアまでもが声を荒らげた。

 だが、アゼルは知っている。

 アラバドは、こんな小さな混乱というか、混沌でさえも愉しむ性質をした者であって、仮面の向こうでは新しい玩具に目を輝かせているであろう事は確かに事実ではあるが、ただ不和を生む為だけに動くような者ではないという事も。


「落ち着け、二人とも。――それでアラバド、今回は何が目的なんだ?」


 我が意を得たり、とでも言わんばかりにアラバドは哄笑をピタリと止め、アゼルに向けて再び大仰に頭を下げてみせた。


「さすがは我が主様でございます。ワタクシ、全てを包み込まれているようで愛を感じずにはいられません」


「……いいからとっとと話せ」


「ヒョホッ、手厳しいですな。――アゼル様があの国崩しをなさって以来、すでに数ヶ月。そろそろ愚かな人族は安堵し、魔族の脅威を過去のものにしてしまうかと。人族の寿命は我らとは違い、儚く短いもの。そろそろ新たな混沌が必要かと思いまして、ワタクシあの御方を動かそうと考えたのです、ハイ」


 確かにアラバドが言う通りであった。

 すでにアンラ・マンユは表面的には落ち着き、ゾルディアに任せた魔王軍の設立も軌道に乗りつつある。魔大陸内の統一は今後時間をかければ可能であると予想される。


 しかし、人族は未だに動こうとはしていない。

 それはつまり、魔族の脅威を、魔王アゼルの存在を知りこそすれど、まだ静観を貫いていられる程度の存在であると認識しているからに過ぎないという証左でもある。


 吸血女王イレイアの眷属は、吸血と魅了によって駒を増やせる。

 もともと多くの眷属を有しているという事も相俟って、今の魔大陸の状況下で人族に打撃を与えられる者という意味では、ある意味適任でもあると言えた。


 ――相変わらず穿った見方をし、その正解を突くものだ。

 アゼルはアラバドに対し、思わず感嘆しつつ嘆息した。


「なるほど。よくやった、と言いたいところではあるが、少しばかり性急じゃないか?」


 魔王軍が立ち上げられつつある今、彼らもまた人族を攻める準備を進めている。そんな中でイレイアが勝手に動こうものなら、イレイアと魔王軍との間に不和が生じる可能性もあるのだ。

 もうしばらく待てば、ほぼ同時に動く事もまた可能であったと言下に告げるアゼルを前に、アラバドは変わらずに飄々とした空気をそのままに答える。


「ご心配いりませんとも、ハイ。イレイア嬢は愛する御方に対してはともかく、その他の者に対しては非常に嗜虐心溢れる御方です。動き出したのは確かに早いやもしれませぬが、じっくりと、そう、果実が時の経過と共に腐り朽ち果てるようにじわじわと毒する方法を、あの御方は好むのです」


「つまり、動き出したとは言え、人族がそれを察するには時間がかかるという事か」


「その通りでございます、ハイ。ですが、今頃人族大陸では不可解な事件が生じている頃でございましょう」


「なるほど、ならいいだろう。ネフェリア」


「はっ!」


「ゾルディアにいつでも人族大陸へと攻め込めるよう、準備を進めよと伝えておいてくれ。――戦争の始まりだ」


「畏まりました」








 ◆









「あぁ、ここにも潤いってモンが足りてねぇ」


「この国出るまでの辛抱だろうが。ったく、よりにもよって『左遷詰め所』からようやく戻れると思いきや、こんな事態になるなんてよ」


 かつて問題行動として貴族によって追いやられ、生涯を『左遷詰め所』という変化のない小さな孤島で過ごしていた日々は終わり、魔大陸の異変を報告後、連絡が途絶えてしまった本国――レアルノ王国。

 補給船すら来なくなってしまった島から脱して様子を見に戻ってみれば、すでに王都は壊滅し、『人族同盟』に入っていないはずの〈巨人族タイタン〉らに襲われたりと散々な目に遭いつつも、どうにか生き残った二人の男――グリッドとジェクター。


 二人は現在、レキストリアから命からがら逃げ続け、一つの村の跡地に身を寄せていた。


「しっかし、どこもひでぇな」


「あぁ」


 短くやり取りしたのは、打ち捨てられ、獣や魔物に喰われたか、すでに原型を留めなくなった遺体の跡。レアルノ王国内に入ってからというものの、すでに見慣れた光景でもある。

 覚悟を決めた上で保存食などを誰もいなくなった村などで調達し、すぐにでも他の村へと移動を繰り返す予定である二人ではあったが、それにしたってレアルノ王国内はすでに荒らされ、民を守る騎士団でさえも一度たりとも見かけていない。


「魔王なんてもんが本当に現れたのか」


「勇者は何やってやがんだよ、ったく。こんな時の為の連中だろうが」


「無駄だろうぜ。勇者の一人でさえ魔王にあっさりとやられたって話じゃねぇか」


 二人はアゼルと無魔族によって世界各地に流された映像を見ていない。当時、まだ二人は『左遷詰め所』で本国からの連絡を待ち続けていたのだ。レキストリアで出会った一人の男から初めてアゼルがやった行いを聞かされ、そのまま国を脱して逃げようとしている。

 二人は国での騎士の在り方に嫌気が差したからこそ問題を起こした者達だ。出自も平民であり、とっくに二人には家庭も家族もないため、この際騎士として戦おうなどとは露とも思っていない。


「それにしても男二人旅ってのはよー。なんつーかこう、女でもいりゃ張り合いってもんがあるんだがなぁ」


「こんな状況だ、女はとっくに魔物か男に喰われてる」


「ちげーねぇわ。はー、ツイてねぇ」


 ぼやくジェクターに対し、グリッドは再三に渡る愚痴に付き合いきれないとでも言わんばかりに嘆息しつつ食糧を探しに家屋を回り始める。


 幸い、干し肉や焼き固めた黒パンなどは放置されていて、まだ食べられそうな物は多い。金銀財宝などは旅の路銀にでもできるが、さすがに食い物までは荷物に限りがある以上、持ち運びきれてはいないようであった。

 もっとも、元々ただの村に金銀財宝らしいものが置かれている方が珍しいのだが、それでも金目の物と呼べるような代物は一切ないため、混乱の中で判断を見誤ったか、それとも賊が押し入っているかは定かではない。


 ともあれ、持てるだけの食糧を麻袋に詰め込んで外へと出ようとした、その時だった。


「うぎゃあああぁぁぁッ!」


「――ッ、ジェクター! どうした!」


 断末魔の叫び声が聞こえてきた。

 井戸で水を汲んでいたはずのジェクターが魔物か何かに襲われたのではと、麻袋を放り投げ、腰に提げていた剣を抜き、その場へと駆けつけた。


 そこに立っていたのは、一人の女。

 銀糸のような汚れもない美しい髪を揺らし、真紅の瞳を携えている。顔は美しく整い、豊満な胸、くびれた身体を惜しげもなく強調するかのような深い藍色のドレスに身を包んで佇む姿は、この場所には似ても似つかぬ存在に思えてならなかった。

 そして何より――口元には赤い血がこびり付いていて、足元にはジェクターと同じ服装をしている、どう見てもジェクターには見えないが転がっていた。


「……不味い。やっぱり歳が若い女の方が美味しいわ」


「き、貴様、まさか……」


「うん? あぁ、まだいたの。でも、不味いし強そうに見えないわ」


 興味がないとでも言いたげな女――イレイアの瞳が妖しく光り、刹那、恐怖と怒りが綯い交ぜとなっていたグリッドの表情からは感情が抜け落ちたかのように力がなくなり、一歩、また一歩とイレイアの目の前にあった井戸へと近づいていく。



 イレイアが短く告げれば、グリッドは何も言わず、何も答える事もできずに井戸の中へと頭から落ちていった。

 イレイアの魔眼が持つ強力な魅了能力により、イレイアが操る人形と化したグリッドに、抗える術などなかったのだ。


 その光景を最後まで見る事すらなく、ただただ退屈そうに長い銀色の髪を指先で弄んだイレイアは、背後から聞こえてきた足音に振り返った。


「イレイア様」


「おかえり、アルマ」


「近くの町で、五百程の下級眷属を調達しました」


「そう。面白そうなのと美味しそうなのは、残してある?」


「もちろんでございます」


 答えながらイレイアの口元についた血をハンカチを取り出してアルマが綺麗に拭き取れば、退屈そうに、ただただ無気力な表情を浮かべていたイレイアの表情は一転、妖艶さすら思わせるような笑みを湛えた。


「あぁ……、あの御方が喜んでくれると思うと、こんなに満たされるなんて」


 恋する乙女のように、頬に朱を差したイレイアは恍惚とした笑みを浮かべた。


「ふふふっ。あぁ、愛しい御方が喜んでくれる姿が目に浮かぶわ。あの御方の為なら、私は全てを捧げられる。ジヴォーグのような、ただただ野蛮なだけじゃない。綺麗で危うくて、身を焦がしそうな光。アルマ、私はあの御方が――欲しいの」


 ――だから、とイレイアは続けた。


「その為なら、何も厭わないわ。全てを手に入れて、全てを捧げてあげる」


 熱に浮かされるようにくるくると踊りながら告げたイレイアは、アルマと共に闇に包まれるとその場から姿を消した。

 

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