6.クロスモダリティ - 共感覚の色と実際の色の差

 つくばは美味しいラーメン屋がいっぱいあるのだけれど、せっかくのお客様を二郎系ラーメンに連れていくのもデリカシーないよね。二郎系がお好きなら、龍郎、豚八、角ふじの三つがおススメだから、気が向いたら行ってみて。特に龍郎のまぜそばは絶品よ。四角いお肉の脂身……んん、よだれが。二郎系が何だか分からなかったら忘れて。

 そうね、じゃあ、ウエストハウスにしましょ。老舗洋食屋よ。無難オブ無難。内装も可愛いから、女友達ともよく行くんだ。

 じゃ、お外出ましょ。


 クリエイターズハウスの入口、すごく立派なモミジが植えてあるでしょ。秋はすごく綺麗だったわ。落ち葉で道まで真っ赤に染まって。

 私にとって1は赤、そしてほとんどの物は1個で存在しているから、赤は当たり前の落ち着く色なの。間違う心配がない。

 なんて言えばいいかな。

 イチゴ味のシロップが赤いくらい落ち着くかな。

 縁日のかき氷あるじゃない。あれ、実は全部同じ味だって知ってた? 違うのは色だけなのよ。それでも、緑のシロップに「イチゴ味」って書いてあったら、絶対変なと思わない? 

 それと同じように、赤いシロップが「イチゴ味」と呼ばれてることに安心感を覚えてイチゴ味までしちゃうくらいに、1個のモノが赤くあるのは当然の連合としてしっくり感あるのよ。私はあじを感じているんだから。

 あ、かき氷シロップに味の差を感じていたからって、あんまりショック受けなくて大丈夫よ。砂糖水を色付きライトで照らすことで味を感じさせた、なんて研究もあるくらいだから。逆にハムの匂いで砂糖水を見つけられなくなったり。人間って騙されやすいのね。

 駐車場そっちね。私の車、あれ。赤いやつ。

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