記憶について、他
アフリカの奥地のジャングルでチェーンソー片手にチンパンジー軍団と戦いながら、東京の片隅の公園で、夕日に照らされた君の横顔を不意に思い出す。あの時は何も言えなかった。空に飛んでいった風船は確か赤だった。仲間がまた一人倒れた。チンパンジーが雄叫びを上げる。
<記憶について>ある日、記憶の底ではなくフチを辿れる事に気付いた。記憶の入れ物はコップのようなものらしい。そのフチを辿っていくと、フチに腰掛けている人が見えた。それが誰か分かったあたりでコップから記憶があふれ出した。こんな所で会えるなんてね。
月には何もないんですよ。茂さんはそう言ってビールを飲む。何も無いという意味でも、遠くから見てると奇麗だという意味でも、月と富士山は仲間です。あと、一生に一度は行ってみたいという意味でも仲間ですね。そういって茂さんは僕の団子を食べる。
108の悪いものを守りきれなかったパンドラの箱はオリンポスを無事解雇され、流れに流れた東の果てで、玉手箱として竜宮城に雇われました。いまでも少し自分は開けられやすいのではないか? という不安な気持ちがあるのですが、乙姫様も良くしてくれるので、この竜宮城でしっかりやって行きたいと思っているのです。
空から世界のかけらが落ちてきた。すっと僕をかすめてカランと道に転がった。実際には空中で爆発した飛行機のかけらだったけど、僕には誰かの世界のかけらのように思えた。今は大事にしているけれど、いつか捨てるんだと思う。だって他の人のものだからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます