第5話 ベッドへの道のり その1


ついにちっちゃい拠点が完成したよ。豆腐型土ハウス。地面はもちろん草。自然との調和を考えた作りだねぇ。


次はやはり食糧問題。

林檎が落ちてくる幸運はあてに出来ない。ゾンビ肉食べるのも嫌だ。

となると、自力で食料確保するしかない。


Google先生にお問合せ。


なるほど、マイクラでは食料を手に入れるには二つの方法しかない。

➀屠殺(ゾンビ含む)

②栽培&収穫

しかし薄々は気づいていたんだけど、家の周りに動物らしき姿はほとんどなかった。鶏がちょっといるだけ。となると、方法は②しかない。


そしてまたGoogle先生にお問合せ。


そうか、草を刈った時に時々出てくるあの種を蒔くと、小麦が出来て、パンが作れるのか。ってことはあの草は小麦じゃないの?違うの?

マイクラの謎がここに。

深いことは考えるのは止めて、栽培方法を調べてみる。すると水のそばでクワを使って畑を耕し、そこに植えれば小麦が出来るらしいと分かった。

なんでここだけ妙にリアルなんだよ……。

と思いつつ、幸い川のそばに家を作ったので、なんとかなりそう。

ってことで、畑を……あれ? 耕せないよ????


ああ、耕せるのは土だけだった、砂じゃムリだった。ちゃんと読めよ私。

つーことで砂を撤去して土を置いて耕して、種を蒔いたらすぐに芽が出た。

やったっ!!

と思ったら、全く育たない。


しかたなくゾンビ肉で食いつなぎ……と思ったんだけど、松明をいっぱい周辺に置いてしまったせいで、モンスターが沸かないのである。

撤去したくないよ、暗闇コワイ……。

ということで、ちょっとだけ暗いところに行って、慌てて逃げて、朝まで待ってゾンビ肉で食いつなぐしかない。それでもやっぱり1回餓死した。

マイクラ凄いね、ありとあらゆる死に方を用意してくれちゃってるよ……。


そうして、ようやく収穫してパンを作る。

食料はなんとかなった。

次はやっぱりアレだよね。

ベッド!!

ベッドがあれば、夜が数秒で終わるんだ。


Google先生にお問合せ。


もうお気づきかと思いますが、自分、困った時しかマニュアルや説明書を開かないタイプです。一番ダメダメなユーザーの典型ってやつです。


ベッドは羊毛と木材でできると知る。

羊毛……?

羊……?

さっきも書いたけど、この頃の私の世界に動物というものは存在していない。

「やっぱり羊を探しに行かなきゃ駄目なの……?」と自問。


川のそばに家を建てたわけなんだけど、川の反対側にある松明を置きまくった草原らしき場所には、どなた様もいらっしゃらなかった。

つーことは、川向こう……?


第2話を読んでいただいた方は分かっていると思うけど、私は一度水没しかけた、墓穴の中で。それがトラウマとなっている。


水コワイ……。


今なら3秒で渡れる川が、まるでマグマのように見えたあの頃。

完全にチキンなゲーマーだよ。


どうすればいい?

どうすれば……?


そうか、橋を作るのか!!

マイクラの世界はこの世界の重力の原理がない。ブロックの横に他のブロックをくっつければ下に落ちないという謎システムを利用すれば、橋ができる!

まるで世紀の大発見をしたような気分で、土と丸石を抱えて川岸にいざ出陣。


SHIFTキーを押せば落下しないという仕様も知らなかったので、どんなに無駄作業をしたかは、想像にお任せします。


ベッドへの道のりはまだまだ続く。




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