第199話 涼羽ちゃんに私のお家で一緒にべったりできる~♪
「涼羽ちゃん!おはよー!」
「おはよう、美鈴ちゃん」
涼羽が、謎の花嫁モデル『SUZUHA』として、志郎が、謎の花婿モデル『SHIN』としてそのビジュアルを全国的に展開することとなり、世の中の老若男女の目も心も奪っていってしまうこととなった、まさにデビューの週。
その二人を動画として撮影したCMはもちろん、インターネット上の世界最大規模の動画投稿サイトで、企業の専用チャンネルに投稿されて現在、わずか一週間足らずで再生回数が億を超えるという快挙をなしとげており、今この時もすさまじい勢いで再生回数が増えていっている状態だ。
特に、日本国内のみならず、世界規模で視聴が可能なプラットホームに投稿されたこともあって、国内の人間だけでなく、海外の人間からもこの二人のモデルが絶賛されることとなっている。
特に自分達から見れば、若く可愛らしく見える日本人女性の中でも、さらに若く可愛らしく、それでいて女性としての魅力と綺麗さを兼ね備えている『SUZUHA』に、多くの海外の男性達は一目見てまさにその心を撃ち抜かれてしまった、という状態になっており、その『SUZUHA』見たさに、その勢いそのまま日本に飛んでくる、という外国人男性が後を絶たなくなっている。
加えて、海外の女性から見ても『SHIN』は男性として非常に魅力的で、なおかつ現役の高校生であるがゆえのあどけなさがあり、それがどことなく可愛らしさを感じさせるギャップがまたいいと評判になっている。
ゆえに、その『SHIN』見たさに、その勢いそのまま日本に飛んでくる、という外国人女性が後を絶たなくなっている。
もっとも、その『SUZUHA』も『SHIN』も、普段は別人として、しかも現役の高校生として生活をしているため、せっかくそのノリと勢いで、無理に予定をねじ込んで遠路はるばる日本という国まで訪れてきた外国人達は、結局お目当てのモデルに会うこと叶わず、非常に残念な思いになりながらも、そのCMの展開元となる企業で、二人のモデルが大きく映し出された大判サイズのパンフレットとポスターを手に入れ、それを心の支えに、この次は必ず会ってみせるという思いを胸に帰国することとなっている。
当の涼羽も志郎も、あの時モデルとして撮影された写真や動画が、そこまでの反響を生んでいることに無自覚なまま、普段通りの日常を過ごしていき、この週も美鈴が涼羽に約束を取り付け、一日千秋の思いで今か今かと待ちわびていた、土曜日を迎えることとなった。
最近は土曜日もお預かりする園児が多く、土曜日に出勤することも多い涼羽なのだが、この日は奇跡的にお預かりする園児がおらず、アルバイトは休みとなっている。
それを聞いた美鈴は大いに喜んで、それなら朝から会って、いっぱい遊んだりしようと涼羽に告げる。
もともとアルバイトがあってもなくても、朝から一日家にいなくなるのは変わりなかったため、そんな美鈴の申し出を、涼羽は二つ返事で了承。
それを自宅で父、翔羽と妹、羽月に伝えると、翔羽の方は寂しそうな表情を浮かべながらも、翔羽自身も娘のように可愛がっている美鈴のところならと、快く了承の意を、最愛の息子である涼羽に表す。
ただ、羽月の方は大好きなお兄ちゃんである涼羽が、その日一日いないと言う事に激しく抵抗し、さんざん涼羽にべったりとすがりついて、その約束をなかったことにして、とわめきたてたあげく、せめてもの交換条件として、前日となるその日は羽月の気の済むまで、涼羽は羽月にめちゃくちゃに愛され、甘えられることとなってしまった。
そんなこんなでどうにか、この日美鈴の自宅である柊家に訪問させてもらうことを実現させることができた涼羽。
前の日に、家で羽月にされたことを思い出すだけで、その顔が真っ赤に染まってしまうほど、恥ずかしい思いをさせられることとなってしまった。
もちろん、それほどの思いをして羽月の好きなようにさせても、羽月は全然足りないと言わんばかりの表情をしており、涼羽が自宅に帰ってきた時には、またそのどうしようもないほどの思いをぶつけんがごとくに、涼羽のことをめちゃくちゃに愛して、可愛がって、気の済むまで涼羽に甘えてくるのだろうと思うと、当の涼羽自身は少し、自宅に帰るのが憂鬱になってしまっていたりする。
「えへへ~♪涼羽ちゃんに私のお家で一緒にべったりできる~♪」
前日に涼羽がそんな状態になっていたことなど、まるで知る由もない美鈴は、この日涼羽が自分の家に来てくれることを心の底から喜んでおり、この日の待ち合わせ場所としていた、いつも登校している高校の正門の前であるにも関わらず、涼羽にべったりと抱きついて、その露になっている左頬に、自分の頬をすりすりとしてくる。
涼羽の方は、いつも通りの黒のゆったりサイズのトレーナーにジーンズという、非常に地味で飾り気のかけらもない格好だが、美鈴の方は今流行りのブランドの、ブラウン系のニットのセーターに、ほぼ膝丈の少し明るめの青のデニムのスカート、それと黒のスニーカーというコーディネイトで着こなしている。
顔立ちは幼げで、本当に可愛いという評価がぴったりな美少女なものだが、身体は女性として非常に魅力的に育っており、出るところは出て、ひっこむところは引っ込んでいるという、世の女性の理想となるスタイルな美鈴。
自身が少々太りやすいという体質に自覚があり、今となっては大好きで大好きでたまらない男の子である涼羽に、少しでも綺麗に見られたいという、本当に素敵な女の子らしい思いで、日々そのスタイルを維持するための努力を惜しまず、いつだって綺麗に見られるために頑張っている…
それが、柊 美鈴という少女なのだ。
かなりの自己主張をしている、美鈴の女性としてのその膨らみが、涼羽の華奢な身体にまるでそうなることを望んでいるかのように押し付けられている。
本当に、涼羽のためだけに磨いていると断言できるその女性として素晴らしいと言えるスタイルの身体を、本当に惜しげもなく押し付けるかのように、べったりと涼羽に抱きついて、そのスタイルには不釣合いと言えるであろう、その幼げな美少女顔に、まるでこの世の幸せが全て来ているかのような笑顔を浮かべている。
「!ちょ、ちょっと…美鈴ちゃん…」
そんな、男子としてはむしろご褒美と言えるであろうそんな状況においても、涼羽は鼻の下を伸ばすようなこともなく、逆に誰の目をも惹いてしまうであろう美少女な美鈴にそんなにもべったりと抱きつかれて、美鈴に負けず劣らずのその童顔な美少女顔をぽっと赤らめて、恥ずかしがってしまう。
今となっては、日常茶飯事のように美鈴にこんな風に抱きつかれているにも関わらず、いつまで経ってもそれに慣れることのない涼羽の、いつもの反応。
やはり、そこらへんの女子や女性よりも慎ましやかで、清楚で、お淑やかな性格をしている涼羽であるがゆえに、こんな風に気安く異性にべったりと抱きつかれたりしてしまうのは、どうしても恥ずかしいと言えるのだろう。
「えへへ…なあに?涼羽ちゃん?」
「その…いつも言ってるけど…」
「けど?」
「お…女の子が…そんな風に気安く…」
「気安く?」
「お…男に抱きついたりなんかしたら…だめだと…思うんだ…」
「え~、私、涼羽ちゃんにしかこんなことしないよ?」
「お…俺も男だから…」
「だから?」
そして、いつものように、慎みのない娘に言い聞かせる母親のように美鈴に、気安く女の子が男に抱きついたりなんかしたらだめだと言う涼羽。
そんな涼羽を見て、美鈴はますますその幼げな頬を緩ませながら、鼻と鼻の先がぶつかるほどの至近距離でじっと涼羽の顔を見つめながら、恥ずかしがりながらも懸命に自分に向けてくる涼羽の声一つ一つに嬉しそうに反応を返していく。
「だから…その…む……胸…とか……あ…当たってる……し……」
「えへへ♪だって、当ててるんだもん♪」
「!な…そ、そんなことしちゃ…」
「だって、涼羽ちゃんのために綺麗にしてるんだから、涼羽ちゃんに一番、私の身体のこと知ってほしいし、感じて欲しいもん♪」
「だ…だからそんなことしたら…ヘンなことされちゃう…」
「え~?涼羽ちゃんって、私にこんな風にべったりされたら、ヘンなことしちゃうの?」
「!そ、それは…」
「涼羽ちゃん、いつも私がべったりとしてきたら、いつも今みたいに恥ずかしがって、ふいってそっぽ向いちゃうのに?」
「!う、うう……」
「私、涼羽ちゃんになら、い~~~っぱいヘンなこと、してほしいんだよ?」
「!!~~~~~~~~~~~み…美鈴ちゃん!!もう!!……」
ぐいぐいと押し付けられるかのように、涼羽の胸の上で形を変えてくる美鈴の胸の感触も、涼羽にとってはどうしていいのか分からず、ただただ恥ずかしがっておたおたとしてしまうだけとなっている。
そんな涼羽に、むしろ当てているんだと、心底嬉しそうな表情で言ってしまう美鈴。
そんな美鈴の声に、またしてもお母さんな涼羽の、弱弱しいお叱りの声が出てしまうのだが、美鈴としては涼羽のために日々努力をして磨き上げているその身体を、他でもない涼羽に一番知ってほしいのだから、こんな風にべったりと抱きついて、ぐいぐいと押し付けてくるのは本当にしたいことであると、いい切れてしまう。
しかし、どんなにコーナーに追い詰められても、どんなに恥じらいにその顔を染めることになっても、悪あがきをやめることのない涼羽から、ヘンなことをされる、などという言葉が飛び出してくるのだが…
どんなに自分がこの身体を押し付けるように抱きついても、そんなヘンなことをするどころか、まるで消えてしまいそうなほどに恥ずかしがって、ただただおたおたと、どうしようもない状態になってしまう涼羽にそんなことができるはずもないのに、と思いながら、美鈴は反論の言葉を声にする。
そして、むしろ涼羽になら、いっぱいヘンなことしてほしいとまで言い出してしまう美鈴。
そして、好きな男子を想って、本当に至福の表情を浮かべる可愛い女の子となっている美鈴に、さらにべったりと抱きつかれて、もうどうしようもないほどに恥ずかしがってしまう涼羽。
「涼羽ちゃんほんとに可愛い~♪だから私、涼羽ちゃんのこと、大好きで大好きでたまんないんだもん♪」
「み、美鈴ちゃん…」
「涼羽ちゃんだから、こんなことできちゃうんだもん。涼羽ちゃん以外の男の子とか、男の人なんて、私やだもん」
「も、もう…」
「涼羽ちゃんだあい好き♪涼羽ちゃんは、私だけの涼羽ちゃんなんだもん♪」
もうどうしようもないくらいに涼羽のことが大好きで大好きでたまらない美鈴だが、その想いは日々日々大きくなっていっており、どんなにべったりと抱きついても、言葉でそれを伝えても、少しも収まらないばかりか、自分にとって本当に可愛い反応を見せてくれる涼羽を目の当たりにすると、ますますその想いが大きく大きく膨らんでいってしまう。
もう、涼羽を自分だけのものにするだけでは足りなくて、独り占めしてからも、自分が思うように涼羽のことを愛して、可愛がってあげないと気が済まないとまで言い切れてしまうほどに、涼羽のことが大好きで大好きでたまらなくなっている美鈴。
今こうしてべったりと抱きついているだけでも、まるで天にも昇るかのような幸せと心地よさを感じてしまっているのだが、それと同時に、涼羽にだけ向けているその感情が、ますますその大きさを際限なく膨れ上がらせてしまっていくのが、美鈴には分かってしまう。
もう、涼羽の露になっている、すべすべでぷにぷにとした左頬に頬ずりするだけでは、その泉のごとくに沸きあがって来る、大好きという想いを抑えられなくなってしまい、ついには、その左頬に自らの唇を重ねて、その愛情の大きさをアピールするかのように繰り返し繰り返し、その行為を行なってしまう。
「!!ひゃ……み、美鈴ちゃん……」
「えへへ♪涼羽ちゃんのほっぺ、いつちゅーしてもすっごくすべすべで、ぷにぷにしてて綺麗~」
「だ、だから女の子が、男に気安くそんなことしちゃだめだってばあ…」
「もお!私がこ~んなにも、こんなことするのって、涼羽ちゃんだけって言ってるのに!」
「で、でも…」
「だあめ♪いつまで経っても、涼羽ちゃんが大好きで大好きでたまらない私の気持ちを分かってくれないなんて、ほ~んとにいけずなんだから!涼羽ちゃんは!」
「そ、そんなことないよお…」
「あるの!涼羽ちゃん、いつ見ても、何してもほんとに可愛くて可愛くてたまらないのに、そういうところはほんとにいけずなの!だから、私もっともっと涼羽ちゃんに私の気持ちを知って欲しくなって、こんなことい~っぱいしちゃうんだもん!」
「や、やめて…」
「や!やめてあげない!涼羽ちゃんには、私がどれだけ涼羽ちゃんのことが大好きで大好きでたまらないのか、い~~っぱい教えてあげるんだから!」
美鈴からの頬への口付けに、涼羽はすでに真っ赤に染まっているその顔を、さらにその恥ずかしさに染めて、本当に消えてしまいそうなほどの儚い雰囲気を纏い、どうすることもできなくて、せめてもの抵抗としているのか、またしても心配性なお母さんのように、年頃の女の子が気安く男にそんなことをしちゃだめだと、弱弱しく声に出してしまう。
だが、美鈴からすればこんなことも、もう日常茶飯事と言えるほどにその回数を重ねてきているのに、未だにそんなことを言う涼羽が本当にいけずに思えてしまい、まるで自分の壊れてしまいそうなほどの想いが、全く伝わっていないかのような、そんな感覚に陥ってしまう。
大好きで大好きでたまらなくて、この世で一番愛していると本当に言いきれてしまうほどに、その想いは膨れ上がっていて、もうこのまま涼羽と一つになってしまいたいくらい、涼羽のことを離したくない美鈴。
涼羽の儚い抵抗に対しても、それを受け入れるどころか、ますます反発してしまい、そのどうすることもできないほどに沸きあがって来る想いを、文字通りぶつけるかのように、美鈴は涼羽の頬に口付けを重ねていく。
そんな美鈴の愛情攻撃に、涼羽はもう自分が溶けてなくなってしまいそうなほどの恥ずかしさを感じてしまい、じりじりと後ろに下がってしまうも、とうとう学校の敷地を覆うように聳え立っている壁にその背を預ける形になってしまう。
その身体を、美鈴にぎゅうっと抱きしめられて、逃げ場を失ってしまった涼羽は、美鈴のこれでもかというほどの愛情攻撃をただただ、受け続けることしかできなくなり、恥ずかしさのあまり、とうとうその大きくくりっとした目から、涙が滲み出てきてしまう。
「えへへ…恥ずかしがって涙目になっちゃう涼羽ちゃんも、ほんとに可愛い~」
そんな涼羽の姿を見て、ますますその心をきゅんとしてしまうのか、この世の幸せを今、自分だけで独り占めしているかのような感覚になってしまう美鈴。
そして、その唇を重ねる先を、涼羽の男子高校生とは思えないほどの綺麗な肌の頬から、ぷるぷるとつやつやとした、思わず吸い付きたくなってしまうようなその唇に向けてしまう。
「!んっ!……」
「ん………」
いつもいつも、異性である涼羽に対して、まるで同性であるかのように接して、これでもかというほどにべったりと抱きついたり、その唇を涼羽の頬に重ねたりなど、当たり前のようにしてきていた美鈴だが、さすがに唇の方にするのは恥ずかしかったのか、今この時が初めてのこととなる。
だが、どこまでも、何をどうしても可愛くて可愛くてたまらない涼羽を見てるだけで、その想いを抑えることができなくなってしまい、さらにはいつまで経っても自分のことを異性として意識してくれない涼羽にもっともっと自分の想いを伝えたいとなってしまい、今までもしたくてしたくてたまらない衝動を抑えてきたものが、ついに決壊してしまう。
涼羽の唇に自分の唇を重ねるその行為だけで、まるで涼羽と本当に一つになれたかのような、まさにこの世の幸せを全て自分だけのものにしているような幸福感に包まれる感覚が、美鈴の中から芽生えてくる。
涼羽の柔らかな唇を、自らの唇で堪能していくだけで、ますます涼羽のことが大好きで大好きでたまらなくなってしまう。
もちろん、家族を除けば、これが美鈴にとって、その人生の中で初めての接吻という行為になるため、その初めてを涼羽に捧げることができたのも、美鈴にとってはこれ以上ない、幸せなこととなっている。
涼羽の唇を、自らの唇で堪能するだけの、本当に親愛の情を表す口付けだが、それだけでも美鈴の中で、本当に満たされるような、そんな幸福感が際限なく膨れ上がっていってしまう。
「ん……えへへ♪涼羽ちゃんと、お口でちゅーしちゃった♪」
もうその幸福感を表すかのような、本当に嬉しくて嬉しくてたまらないという、無邪気で天真爛漫な笑顔が、美鈴の顔に浮かんでくる。
ほんの数十秒ほどの、本当に短い時間の間の行為だったのだが、それだけでも天にも昇るかのような幸せを感じることができて、非常にご満悦の様子を見せている。
「み…美鈴ちゃん……」
その唇を、初めて家族以外の他人に奪われることとなった涼羽は、あまりにもその出来事が衝撃的すぎて、思考がまるで追いつかない状態となっている。
「涼羽ちゃんは、こんな風に誰かとちゅーするのって、初めて?」
「え?……」
「ねえ、初めて?」
「え、えと……は、羽月となら……」
「むう…やっぱり……羽月ちゃんったら……」
「み、美鈴ちゃん?…」
「じゃあ、家族以外の人と、こんなことしたことってあるの?」
「!な、ないよ!こんなこと、家族以外の人とするのなんて、初めてだよ!」
「!えへへ!じゃあ私が、涼羽ちゃんの初めて、もらっちゃったんだね!嬉しい!」
「!~~~~~~そ、そんなこと言わないで…恥ずかしい…」
涼羽に対して、今自分とこうしたように誰かと唇を重ねたことがあるのかを問いかける美鈴。
その問いかけに、涼羽は妹である羽月にいつもされていることを思い出して、羽月となら、という答えを返す。
そんな涼羽の答えに、美鈴はやっぱりという声を、苦々しい顔で絞り出すかのように涼羽の耳に響かせてしまう。
そして、問いかけの内容を変え、家族以外の人間とこんなことをしたことはあるのかと、聞いてみる。
その言葉に対し、涼羽は非常に分かりやすい反応で、したことがないと断言してくる。
そんな涼羽の反応を見て、美鈴は自分が本当に涼羽の唇の初めてをもらえたと確信することができ、またしても幸福感に満ち溢れた笑顔を浮かべてくる。
そんな美鈴の言葉と笑顔に、涼羽はまるで自分の見られたくない何かを見られてしまったかのような恥ずかしさを覚え、またしてもその顔を真っ赤に染めて、弱弱しく儚い抵抗の言葉を、その場に響かせることしか、できなくなってしまうので、あった。
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