第9話 今週も終わった~♪_その後
「う、わっ!!」
妹に引っ張られながら自宅に帰った涼羽。
強引に自分の部屋に連れて行かれたと思えば…
なんと、無理やり妹に押し倒されることに。
「ったた…は、羽月?」
「お兄ちゃん、これはおしおきなの」
「お、おしおき?」
「お兄ちゃんはわたしだけのものなのに…あんな可愛い顔を見せ付けて他の女の子を誘惑なんかしちゃうから」
「!!ちょ、何言って…」
「お兄ちゃんはわたしだけのものだってゆーの…い~っぱい教えてあげるから」
そういうと、羽月は自らの体を重力にまかせ、ふわりと倒れこむ。
――――その下に仰向けになっている兄、涼羽の体に覆い被せるように――――
「うっ!!ちょ、羽月!!」
「お兄ちゃんの…お兄ちゃんの…」
自ら押し倒した兄の体に覆い被さり、兄の制服のブレザーの前を拡げる。
「!こ、こら!」
制止させようとあがる兄の声に耳も傾けず、さらにブラウスのボタンを全て外し、中が全て見えるように拡げてしまう。
「や、やめ…」
「お兄ちゃんのおっぱい…い~っぱい食べちゃうからね」
兄の、その男とは思えないほど華奢で柔らかな上半身をむき出しにすると…
いつも極上の料理を味わうかのように吸い付いている、桜に色づいたものに吸い付いた。
「!!ひゃああっ!!」
その突然の刺激に、涼羽の体がびくんと跳ね上がる。
「ん…ちゅうううっ…ちゅぱっ」
「!!ふああああっ!!や、やめ…ああああっ!!」
いつものように甘く優しく吸い付くのではなく…
獰猛な肉食獣が獲物を食らい尽くすかのような激しさで、兄の胸に吸い付く羽月。
「ひああああっ!!…ら、らめ…」
「はむっ…ちゅうううっ…」
「!!や、やらあっ!!は、はづき…ゆ、ゆるして…」
羽月の兄への愛情が激流のごとくに溢れ出して来る…
そんな激情が、兄をめちゃくちゃにしてしまう…
自分でも抑えることのできない激しい想い…
その激情をそのまま形にしたかのような妹の激しい愛撫に…
兄、涼羽は激しく身を捩じらせ、抵抗しようとするも…
次第にそんな激しすぎる愛情すらも受け入れ、妹の小柄な体を優しく抱きしめてしまう。
「(え?な、なんで?こんなの、いやなはずなのに…なんで俺、もっとしてほしい、みたいな感じで羽月のことぎゅってしてるんだ?)」
「(お兄ちゃん…こ~んなに激しくおっぱいいじめてるのに、わたしのことぎゅってしてくれてる…嬉しい…大好き…)」
「は、はづき…も、もうやめて…」
「お兄ちゃん…口ではやめてっていってるけど、体はもっとしてほしそうにわたしのことぎゅってしてるよ?」
「!!そ、それは…」
「お兄ちゃんがこ~んなに激しいわたしも受け入れてくれて…す~っごく嬉しい♪」
「ち、違う…こんなの…俺…」
「もう…可愛すぎるよ…男の子なのにおっぱいちゅうちゅうされて、すっごく恥ずかしがって…」
「!!い、いわないでえ…」
「しかも、口とか表情ではいやいやしてても、体ではす~っごく気持ちよくなっちゃって…でも、それを認めたくないからす~っごく恥ずかしがって…」
「ち、違う…違うの…」
「お兄ちゃん、可愛い♪お兄ちゃんが可愛すぎるから、わたしもっとお兄ちゃんのことほしくなっちゃうんだよ?」
「そ、そんなの…知らないよお…」
「だめ。もうぜ~ったいにお兄ちゃんのこと離してあげないんだから♪」
妹の激しすぎるほどの愛情が今度は言葉となって兄に襲い掛かる。
兄は、そんな激しすぎるほどの愛情に、自らが溶けてなくなってしまいそうなほどの羞恥を感じてしまう。
今の涼羽は、無理やり迫られてどうすることもできなくなっている美少女にしか見えない。
男なのに、それほどに可愛らしい…
そんな兄を見て、妹の愛情はますます膨れ上がり…
もはや止めることなどできないところまできてしまっている。
「お兄ちゃんにべ~ったり抱きつくの、だあい好き♪お母さんみたいにふわふわして、あったかくて…」
自らが押し倒して覆いかぶさっている兄、涼羽の体をぎゅうっと抱きしめ、その華奢な胸に顔を埋める。
今年十八歳の男子とは思えないほどに柔らかですべすべなその胸の中…
さらには、その中からにじみ出てくるような母性…
その全てが、妹である羽月を魅了し、その心を掴んで離さない。
「お、俺…男だから…」
「うん♪男の子なのに、こ~んなに可愛い顔してて、女の子みたいなお兄ちゃん♪」
「!!ち、違う…」
「こ~んなに女の子みたいで、お母さんみたいで…可愛くて優しくてあったかいお兄ちゃんがだ~い好き♪」
父曰く、本当に母親似である涼羽の顔立ち。
そんな母親の面影を色濃く受け継ぎ…
さらにはそんな母親の母性までもを色濃く受け継いでいる。
今は亡き母の愛情を、この兄に求めてしまうのは仕方のないことだと言えるのかもしれない。
「お兄ちゃん♪もっとわたしのことぎゅってして~♪なでなでして~♪」
先ほどまでの、陰がありながらも激しい印象とはうって変わって…
普段通りの天真爛漫な可愛らしい笑顔で兄の愛情を求める羽月。
そんな感じで自分を求めてくれる妹にこの兄が抗えるはずもなく…
「…はいはい…」
言葉と口調では少しぶっきらぼうさを表しながらも…
その華奢な両腕は壊れ物を扱うかのように優しく繊細に妹を抱きしめ…
片方の手で、蕩けるかのような優しさで、髪を梳くように妹の頭を撫で…
さらには、表情では溢れんばかりの慈愛に満ちた笑顔を自分の腕の中の妹に向ける…
妹、羽月が求めてやまない母親の姿を、涼羽はまさにその身で具現化している。
「お兄ちゃん♪だあい好き♪わたしのこと、おいていかないでね♪」
「…はいはい…」
妹、羽月に甘えられると、なぜか心がほっこりとして嬉しくなってしまう…
それが、母性だということに、涼羽自身全くと言っていいほど自覚がない。
普段が近寄りがたい感のある、孤高の一匹狼な雰囲気であるだけに…
こんな彼の姿を想像できる者はいないだろう。
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