第37話 「1番楽しかった頃は?」の罠
いつも思うのだが、「あの頃は良かった」とは言いたくない。
「高校の頃は」「大学の頃は」楽しかった、という言葉も、「いつが1番充実していたか?」という質問も、よく耳にします。
それより、今を過去よりも面白くしたい。
それ以上に、かつて乗り越えてきたことをもう一度乗り切れる自信がない。
大学生の頃、初対面の人に、
「結構、遊んでるんだろ?」
と言われたこともある。
答えはNOだ。
陶芸の学生だった自分は、作品を作って、教養と教員免許の授業を受けて、部活やフリーのプロジェクトに参加していた。それほど面白いものに溢れていたし、その分多忙だった。
単位は十分に取っていたが、もっと受けたい授業があった。
悪いけど、戻らない。
着実に歩んできた過去の自分のために、戻らない。
それよりも今を退屈に過ごしている暇はない。
時々、自分に問う。
「1番楽しいのは今です」
と答えられるか?と。
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