第32話 緑萌える。
5月の朝、田んぼ脇の道路には軽トラックや農業のトラクターがトロトロトロと、春のリズムで走ります。都会なら即渋滞し「遅い!」と悪態をつくばかりでしょう。でもここは秋田。「早くからお勤めしてるんだなあ」と尊重して通って行きます。
秋田の山々もようやく青々とした若葉を揺らしています。新緑を見ると、いつも思い出す言葉があります。
≪緑萌える≫
この意味がわからない人もいるんじゃないでしょうか?
緑が「芽吹く」ということです。
小学生の時に知り、言葉の美しさに感動しました。よくぞ名付けてくださった!と。
でも、いつからかサブカルチャーの萌えるが一般化して、ずっと違和感を覚えていました。
違うんだぞー、本当はもっと素敵な言葉なんだぞーと、ずっと言いたかった。
言葉は誤った使い方だって、使う人が増えれば正しい意味に変わることもある。「貴様」が高貴な人に向けた言葉だったと聞いた時は、衝撃的でした。
それでも生命力に溢れる緑に出会ったので、やっぱり書かずにはいられませんでした。
都会の方も田舎の方も、どうぞ草木の萌える季節を見つめてください。
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