第33話 都は白い。
隣りの芝は青いというが、青いのは目の前の木々である。何にもないのは遠い都だ。
「東京で勉強してこい」という人が、まだいる。
どこでも学べるこの時代に、まだ都至上主義かい、といつも思う。人の多い都に、多くの芸術家が集まっているのは確かだ。
時に出掛けて、もらえるものをもらって来るのはいい。だけど帰る場所、住処である必要は全くない。
青い地で、心身ともに青く暮らしたい。何もない白紙の都市、ビルの森では深呼吸ができない。
彼の質問に答えるなら、こうだ。
「勉強も暮らしも、青い国でやりますね」
恵まれた土地で、恵まれたままに発進しよう。
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