これから! これから 2
「へぇ、じゃあ話だけ聞かせてみ?」
「仕事きたで候!」横にいる小春が、素直に僕より喜んでいることが不思議な感じだ。
「おい、紺太! 『聞かせてみ?』ってなに? よく聞こえなかったんだけど!」
おもいっきし聞こえてんじゃねぇか!
言い方がなってないってことか。
それならいくらでもへりくだってやりますよ。こちとら、瀬戸際なんじゃ!
愛想よく、笑顔を意識して作る。
「美人のシスターさん、聞かせてくださいな」
「しょうがないなぁ。ちょびっとだけだぞ!」
あどけない幼女のような笑みが舞陽からこぼれた。
ふっ、こいつちょれぇ。
「ありがと」
舞陽の視線が僕から修道院の出口である扉に向けられる。
「とりあえず、行こうか?」
「どこにでござるか?」小春も同じ方向をつられて見た。
「あてがあるんだよ」
おっ! なかなか期待度の高い言葉だ!
なんだか、まだなんにもないのにうれしくなってきた。
「そうでござるか!」
礼の先払いをしとくか。
「舞陽、ありがとな」
少しだけシスター少女は少しだけ頬を茜色に染めた。
こいつからじゃじゃ馬成分が消えれば、かなりモテるんだろうな。
「ほらほら、いくよ!」
舞陽はそう号令を出すと、早々と修道院の扉を開き一番に出て行く。
「よかったでござるな」
「あぁ」
微笑む小春と僕はそれに続いた。
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