14話 傀儡の絡繰り
Chapter14 "trick of Puppet"
「僕はそろそろ仕事に行くね。ごゆっくりどうぞ。」
手際よく食器を片付けながら、アーサーは着替えも終わっていた。
「うきょっ! 一緒に見に行く~!」
「そうね、イネ、護衛が必要ね。姿を見られないようにね、頼んだわよ。」
ガタッ
「メイは駄目。」
「くっ、昨日、襲ってきたフランス兵以外にヘルフリートの兵がいた。今もそこで2人、見張っている。」
窓から見える遠くのアパートの屋上。
「うふふっ、見られてるって素敵ね。ヘルフリートって?」
「元
「そうね、少し前まではヤゾメを利用して権力を握ろうとしていた小物だったけど、今はナムチの副官っていうの? ナムチの
「そうだモンな、ミコが尻尾をつかめないんだモンな。」
「あら、ヘルちゃんって凄いのね。うふふっ」
「くっ、彼は問題ではない。ヤゾメが持っている
従魁は
「そうね、でも、
従魁はテーブルに身を乗り出すと皆の顔を見ながら話し始めた。
「くっ、簡単な方法だった。奈落のかけらから八十神の
くっ、当然、そのままじゃ、異形の
くっ、
くっ、
「そ、そんなことが… 小吉ぃ、可能なの?」
さすがの
コクッと
「魂を貼り付ける…張り付いた魂…」
メイが反応した。
「うふふっ、メイは体と魂が別物だって分かっている…のね?」
太乙が少しさみしそうな顔を見せた。
「そうね、動物や他の生物は本能って呼ばれるプログラムで動いているだけで、魂は宿っていないの。ただ、魂のかけらが移ることは良くあるから、
(確かに、知っている)
メイは多くの伝染病患者を
「くっ、アガルタで大吉を見ただろう。あれが本来の魂の姿だ。地上で存在するには傀が必要なんだ。」
従魁が自分の体を指差す。
「不完全でも八十神は十二天将の傀だモン。」
「そうね、その遺伝情報を持つ絡繰りとなると、地上最強の存在ってことね。」
「うふふっ、大昔だけど、私たち、ボロ負けだったものね。」
『地上界で相手をするには厳しい相手、というだけのことだ。』
「あら、クサギちゃん! うふふっ、元気だった?」
大きく丸く目を見開いて驚くメイ。
アーサーがその目を見たら、きっと驚いただろう。
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