恵みの滴

 深い深い闇に沈んで行く

 雨音響くこの部屋で


 何も考えないでいるのが得意な僕は

 ただひたすらに時間を無駄使いして

 今日も一日終わって行くよ


 閉じられた窓は蛍光灯だけ反射して

 光の波動が耳をうろついている

 そんないつもと同じ夜


 カレンダーの景色やスピーカーから流れる音や

 目に映るこの部屋だけが世界の全て


 お気に入りの曲を流しては淋しさを紛らわせているよ

 心は一人見えない迷路をさまよっている


 明日も明後日も同じ雨の日々

 部屋中がカビだらけになっていく


 太陽が顔を覗かせれば

 もうそこは半袖の季節


 それまでたっぷりと世界を湿らせておくれ

 大地が喉をカラカラにさせないように

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