第23話 デイトレーダーは難しい

株の取引と聞くと、何台ものパソコンに囲まれて一日中パソコンの前に張り付いているというイメージを持つ方もいるのではないだろうか。


それは何億円も稼ぐような、毎日1円単位で上げ下げを注視しているデイトレーダーと呼ばれる方だけのお話である。

私のような一般人の場合は買いたい値段を指定したら、数日間何もせず過ごすだけとなる。


一応付け加えておくが、そのパソコン前に張り付くような人であっても、取引ができる時間は午前9時から午後3時までで、しかも途中1時間の休憩時間まであるのだから、たった5時間の労働だけとなる。

さらに土日祝日も休みなので、すごく健全な仕事時間になっているのだ。

それだけで生活できるくらい稼げるのであれば、ぜひやりたいお仕事といえよう。


知人との会話で、欲張らずに毎日1000円儲けることを続けるとけっこう良いお小遣いになりそうというものがあった。

計算すると年間25万円ほどになりそうだ。

1日1000円の儲けを出すことなら可能な気がしてしまう。複数の株を買えばどれかしら少しは値上がるだろうし、1円単位で日々上下するような会社を1000株買って、1円上がったときに売れば1000円儲かるのだから。


デイトレーダーで稼いでいる人のお話を聞くと、これの規模が大きいバージョンのことが多い。

コレだと決めた会社の株を午前9時に買って、5円くらい上昇した10時に売るとか。

倒産しにくい大手の会社に1千万円つぎ込んで10万株とか買えば、5円上がっただけでも日給50万円となる。


できそうなことなのだけれど、いざやろうとしてみるとやはり難しい。

買った株が数円上がることなく下がったらどうしようと思うし、もし数円上がるのが確実だなと思えるような良い状態の銘柄があったら、数円の利益だけではなくて、もっと上がることを目指しての長期保有という今と変わらない状態になってしまうので。


似たような机上の空論がある。

1株が5円くらいで売買している銘柄が存在する。

これを10万株買って、1円上がったときに売れば10万円儲かるというものだ。


やってみたい誘惑にかられるがあまりお薦めはしない。大抵そういう会社は経営的に危なく倒産のリスクが高い。

結果論として買っておけば儲かったと思うことが多いけれど、これはギャンブルに等しいので、損しない株の運用を目指す私としては手を出すのを止めることにしている。

それにリスクの高い会社に50万円を出すのであれば、倒産のリスクが少ない大企業の株を買って、100円上がることを目指す方が少し時間はかかるかもしれないが同様の金額を稼げたりするので。

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