混沌と現状維持

おくるもの


荒廃してゆく街を眺めては

独りでぢつと立つてゐる、

ぢつときみをまつてゐる、

あゝおれは哀しき街灯だ、

きみのやうに空へは登れない。

いつしか空に居るのが疲れた時、

また帰つておいで、

おれはいつでも立つているからね。

その時はおれに凭れて休むが良いよ、

おれは小さく灯つていようね。

小さくてあやふやな光りだけれど、

精一杯灯つてゐるからね。

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