第12話 顔を洗うと雨が降る!?
猫が顔を洗うと雨が降る。
多分、ほとんどの人が幼少の頃に聞いたことがあるのではないだろうか?
マザーとトゥギャザーで流れていた、にゃん♪ニャン♪にゃにゅにょ♪な童謡の一節だ。
実はこれ、嘘である。
「マジで!?」とびっくりした人は……まずいないと思うが、この動作は毛繕いの一環として頻繁に行うものだ。
飼い猫をよく観察している人であれば、ほぼ毎日のように目にしている仕草かもしれない。
毎日が雨、ということは当然ないので、つまりは嘘なのだ。
ただしその理由の一つに湿度が関係しているという説もあるようなので、完全に的外れということではないのかもしれない。
ちなみちょっと気になって調べてみたら、この顔を洗うと雨という歌詞は三番で、一番は尻尾を立てたら晴れ。二番は爪をといだら曇り。
……ミィはどれも(ほぼ)毎日やっているよ!
ん?待てよ……。つまりはどれかが当てはまればいいわけだから嘘ではない?
なにそれグーチョキパー同時出しみたいな最強技かよ!?
いやでも天気予報としてはどうなのよそれ!?
ま、まあいいか。今更昔からある童謡に突っ込んでも仕方ないし……。
さて、上にも書いたように、顔を洗うという仕草は毛繕いの一種だ。
片方の前足の肉球のある辺り――人間でいえば掌付近になるのかな――をなめて濡らして、顔をコシコシと擦るのだ。
可愛い。
和む。
にゃんこの動作の中でこれが一番好き、と言う人も結構多いのではないだろうか。
ミィの場合、顔を洗った後に体をなめたり、足をなめたり、尻尾をなめたりしている。
特に後ろ足をなめている時やお腹周りをなめている時はセクシー女優も真っ青な、悩殺お色気ポーズである。
だけど、足の指の間をなめるといったコミカルな動きもするので、ある程度の年代以上の人であれば「ちょっとだけよ(はぁと)」といった往年のギャグを連想するかもしれない。
当たり前の話だけど、猫の足の指同士はくっついている訳ではない。普段はグーの形をしているだけでちゃんとパーもできるのである。
ミィも肉球の辺りをコチョコチョとくすぐってやると、こそばゆいのか指の間が開いてパーの形になる。
他にも伸びをするとき、指の間が広がっていたりする。
あ、チョキは無理ですけどね。指を二本だけ立てるとかはできないようだ。
おっと話がそれた。
とにかく天気には関係なく、今日もミィは毛づくろいをしてはお昼寝したり、ご飯を食べたり、窓の外にいる鳥たちと「ニャ、ニャ」と会話したりしてのんびり過ごすのであった。
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