第4話 てえぃへんだ!てえぃへんだ!! その一、食事編

 ミィは可愛くてラブリーで癒しの存在なのだが、生き物である――ロボとは違うのだよ――ためどうしても世話をしないといけない部分が出てくる。


 特にうちの場合は完全な家猫として飼っており、外には一切出していない――ただし庭に脱走した経験アリ――ので、お食事の準備からトイレの後始末まできちんとしてあげないといけないのである。



 まずお食事。

 グルメというほどではないが、いろいろこだわりがあるご様子。

 主食はカリカリのドライフード系。

 おやつには同じくカリカリ系のものと、しっとり系のもの、特選素材のものと多少多様である。


 今のでバレバレだと思うが、ミィは主食よりもおやつ系の方が好きである。

 更に欲しいものと違うと『え?これなの?』という感じでこちらを見てくる。

 一応しばらくしたら食べるものの、その我儘具合は一体誰に似たのやら……。



 さて、読者の皆さんはきっと「特選素材とは何ぞや?」と思っていることだろう。

 これは簡単にいうと、人間用のものである。

 鳥笹見に刺身の切れ端などにはじまり、鰹節や海苔に至るまで結構いろいろ食べる。


 そしてそれらの品を僕らが食べていると、近くにやってきて私にもよこせと言わんばかりにじっと見つめてくるのである。

 これ、なかなかのプレッシャーです……。



 ミィがうちに来てすぐの頃ネットでいろいろ調べていたときに、猫は匂いが強いと食欲が増す、というようなことが書かれていた。

 これはミィにも当てはまったようで、例えば鰹節、市販の大きめの袋に入ったものだと日にちが経ち、半分ほどで食べなくなった。

 紆余曲折の末、そうなってもオーブントースターで軽く炙ってやれば食べることが分かった。


 他にもうちでは海苔も軽く炙ってやっているが、この加減が難しく、少しでも焦げると食べなくなる。

 うちのお嬢はわがままというかデリケートというか、細かいのである。



 余談だが、鰹節の紆余曲折の中には、鰹節削り器と鰹節を買って、その場で削って与えてみるという方法もとられていた。

 ミィも結構気に入っていたのだが、本枯れ節に半生タイプにその中間のものと種類が多く、お気に召さないものもあったので、結局は市販品の削り済みのものに落ち着いたのである。


 ちなみに削りたての鰹節は本当に美味しく、猫を飼っていない人にもオススメです。



 ミィは最初猫用の餌やおやつのみを与えていた。そんな彼女の食事事情が変わるきっかけとなったのが東日本大震災である。


 テレビなどで被災者の人たちがペットを連れて逃げられなかったという話を聞いて、専用の餌以外にも食べられるものがないと困るだろう、ということで方針転換して、特選素材のものを与えることになったというわけである。



 最後にミィが食べた中で一番僕らが驚いたものを紹介して終わろうと思う。


 それは……


 羊羹(某有名店の美味しいやつ)


 である!!

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