母の日と、カーネーションと 2
前回、最後に書いた新しい疑問。それは、
「アンナが母にカーネーションを捧げた理由」「カーネーションを身につける(贈る)文化が広まった理由」の2点だ。
複数の資料によれば「カーネーションは母親であるアンの好きな花だったから」という。ただ、「そういわれてるが定かでは無い」とする資料や、母が好きなカーネーションの色が白という資料と赤という資料があったりと、どうにもこうにも疑問が残る。
もうひとつの理由。いくらアンナが提唱したとは言え、一個人が好きだった固有の花(カーネーション)を送る文化が広まったのは理由として薄い気がする。当時からカーネーションは大衆に親しまれた花だったらしいが、「カーネーションが母の好きな花だったから」ということが事実と仮定すると「
こういう場合、大抵絡んでくるのが「宗教」だ。実際、カーネーションという花はキリスト教と綿密な関係にある。イエス・キリストが処刑されるとき、その姿を見送った母マリアは涙を流しその涙の跡から生まれたのがカーネーションだと言われている。ゆえにキリスト教では、カーネーションは“母性愛の象徴”とされている。
……なるほど。母性愛の象徴であるならば、母へ捧げるにはうってつけの花だ。キリスト教が国教のアメリカで広まるのは納得だし、むしろこっちのほうがしっくりくる。それに日本で“キリスト教宣教師たちが中心になって広めた”理由も頷ける(ようは布教活動の一環だったと)。
ちなみに、平凡社の『世界大百科事典』でも、アンナが母にカーネーションを捧げた理由を“キリスト教で母性愛の象徴だから”としている。
また、「カーネーションの普及」には花屋が一役かったという説がある。カーネーションを贈り物として普及させたかった花屋が、母の日普及のために積極的に運動をしたのだという(バレンタインなんかもそうだけど、何時の時代も商売っ気のある方々が暗躍するものだ……)。
●まとめというなの推論
母の日が普及した理由。それはキリスト教と花屋の陰謀だったんだよ!
……まぁ、母子の愛情から広まったというのが一般的だしキレイなお話なのだから、ねじくれたことをいうのは野暮なのかもしれませぬ。
believe it or not.
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