初夏のお供にどうですか?静かにどこかが冷たくなる名作です
ひょっとしたらこの女性も、本人が知らないうちにもう……? 暑さと、疲れの不快感と、恐怖がうまく合って何とも言えない雰囲気があります。
高い感性と知性を感じさせる、短編なのに生々しく段々と盛り上がってくる恐怖が素晴らしかったです。 あと、お金持ちじゃなくてよかった……と負け惜しみ(←言ってる暇があったらせめて人格でも磨けよっ![笑]) 。
一人称で描かれる、山道をひたすら進み続ける行為に隠された恐るべき真相。合間合間にそれを遮るかのように入る様々な音が、よりその異形、異質ぶりを際立たせます。暑いはずの山道なのに、あっという間に心がどんどん冷たくなる怪談です。