姫鬼一発  後編

俺はかなりの間いろんなことをしていた。何をしていたかというと|月鴉(つきからす)と|炎鹿(えんしか)と一緒に

|蛇芭(じゃば)が町についたときの準備をしていたのだ。

詳しく付け加えるとまず一つに町の情勢、この世界の情勢、シガネという少女について探った。

結果、町と世界の情勢については分かった。しかしシガネという少女については、全く分からなかった。

正確には、分かったというべきだが、しかしながら更に深く言うと分かってはいない。

彼女はどこにでもいる少女だった。普通なのだ。普通すぎて何にも秀でていない。

そして、その普通だという事は分かった。しかし、その普通だという事に恐怖を感じるのだ。

だから普通なんて嫌いなんだ。それにしても何故だか彼女には異常なほどの親近感と恐怖を感じた。

それだけが印象強く残った。


次に行ったのは学園への入学手続きだ。学園?と思うかもしれないがここには6年後魔王が教師を勤める事になっている。

何故だか知らないが魔王というのはそういう変なことをするやつらしい。

なのに7年後には・・・・・・・と思うと怖いな・・・・・・・・・・・・・・・・。

全く。でも交渉の余地があることを知れた。それだけでも大きな要素である。


それと忘れちゃいけないのが宿泊先の確保。これについては何とかして家を買うことに成功した。

そこそこ大きめの・・・・・・・。というか俺が前住んでいたのにそっくりの家だ。

前に住んでいたあの家には色んな思い出がある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

思い出すと懐かしくて恋しくなるな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・いろんなことがあった。でも今はここでやらなくちゃいけないことがある。

・・・・・・・・・俺は今まで何も皆に与えてあげられなかったから・・・・・・・・・・・・。


そして6年がたった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


ん?体に戻るのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


ん・・・・・・・・・変な感じだな。6年間だったもんな。|身体外(そと)にいたのは。

俺は・・・・。俺はぎゅっと拳を握り締めている・・・・・・・・・・・・・・・・。

やばい。怖い。何故だろう?怖い。今までの今までのトラウマが全部のしかかってくる。

おかしい?何で?何があった???やめてくれやめてくれ。怖い・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は、何とか立ち上がった。倒れてうずくまっていた状態から・・・・・・・・・。

何故か全ての事に素直になれない。傷つく。そのことを理解していたはずなのに、理解しきれていなかった。

何故だろう?傷つきたくないという思いが強く強くなった。今まで通して学んだ事がすべて台無しになっていく。

『大丈夫か?氷馬?しっかりしろ。とりあえず家に行くぞ。そこは噴水広場だ』

月鴉の声が聞こえて俺は何度も何度も予習復習した家への道をたどる・・・・・・・・・・・・。

何なんだろうか?こんな気持ち初めで・・・・じゃない。でももうこんな気持ちもたないと思っていた。

傷つく事を恐れずに・・・傷ついても助けてくれる仲間がいると知れて・・・・・・。

それで変われたと思っていたのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

それは、俺の思いこみでしかなかったのだろうか?仲間だと思っていたのは俺を哀れみ

近づいてきた他人でしかなかったのだろうか??????????????

裏切られた・・・・。そんな気分になった。絶望している。自分の居場所が分からなくなっていく。

何とか俺は家に着いた。俺が手配した俺が前使っていたそれと完全に同じデザインのベッド。

俺はそこにばたりと倒れこむ。立っているだけで精一杯だ。誰も頼れない。

そんな気持ち、それでいっぱいだった。一人ぼっち・・・・・・・・・・・・・。

それが今の俺の心にはぴったりだ。俺はその日、死んだように寝込んだ。


翌日。俺はその日から学校に行くことになったことを月鴉から聞き準備してある制服を身に着けて

学校に、詳しく言えば|界立月光鎖照羅守(かいりつげっこうさてらす)学園に向かった。

そういえば俺はどんな種族なんだろう???狼だったはずだけど・・・・・・・・・。

狼から人に戻る手段が通常ないことを俺は7年間の調べものでも知った。

鑑定で見てみると俺はヒューマンウィアーという種族だそうだ。

聞いた事のない種族・・・・・・・というわけじゃない。

この種族は確か別の人系種族に嫌われる種族だったはずだ。自分以外の身近な人精神的な領域、Wの領域を

無意識に害する、故に嫌われていく・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そんな種族である・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

でも、いい。俺はいくら嫌われようと魔王が学園の教師を勤めるなかで魔王を殺す。

それだけ。ここはこの世界は俺にとって偽物・・・・・・・。

ホンモノなんかじゃない。俺はホンモノを守るためにここに来たんだ・・・・・・・・。

あれが・・・・ホンモノ?????俺の記憶がドンドン消えていく。

水・・・・・水???誰だ??誰が?誰を何を守りたかった????

俺は昨日のことで体に戻ってあっちのことを忘れたようだ。

記憶から完全に消えたようだ・・・・・・・・・・・・・・・・。忘却????

そんなたいしたもんじゃない。ただ、俺からホンモノがなくなっただけだ。

一人ぼっち、その言葉が心を覆い尽くす。でも俺は何とか教室に、1年∞組にいった。

このクラスは、魔王が、気に入ったやつを引き入れるクラス・・・・・・。

そこに俺は何とかはいるために月鴉と共謀して色んなコネをまわす事で入る事ができた。

学園はまるであっちの世界と同じ。一般的な学園だ。

俺は、教室のドアの前に立つ。一応転校生と言うことになっている。

しばらく待って魔王に呼ばれる。

「服部 氷馬入ってきなさい」

魔王は女性である。しかも20代前半の・・・・・・・・・・・・・。しかしこれでも50歳はくだらない。

なんせ魔王という種族は1000年も生きるんだ。だから大体20歳。

とはいえ、かなりの貫禄はある。声に強さがある。

俺は、ドアを開けて教室に入る。

「彼は今日転入してきた服部 氷馬だ。自己紹介したまえ」

魔王がそういう。因みにこっちの世界では何故か日本語が共通語になっている。

さすがご都合主義!!!と思うなかれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

実は、ここは「イザナギイザナミノオオカミ」という無茶苦茶すごい日本の神が作った世界だそうで

そのおかげで日本語が共通語なのだ。

「服部氷馬です。よろしく・・・」

声がおのずと小さくなる。無論そうなるに決まっている。相手の気分を害する種族なのだから。

それだけじゃない。このクラスはどうやらまだ団結して無い様でうるさい、というのもある。

だったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

いや、魔王とのあれこれに人が入ると面倒だから・・・・だから俺は嫌われる道を選ぶ。

「お前らみたいな雑魚俺の眼中にはない。俺はダントツでお前らに武力でも学力でも勝つ。

それが嫌なら俺をつぶしにかかるんだな。それぐらいしか雑魚には出来ないだろう??」

一人ぼっちなんか怖くない・・・・・・・・・。怖くなんかない。前だって。

あっちでだって嫌われていた、そんな記憶が残っている。

教室にはシガネもいた。

「・・はあ・・・・・・・・・・・・・・・・。氷馬あそこの席に座れ。

それと放課後に私のトコに来い。話がある。」

俺は返事をしてから指定された席に座った。

「よろ・・しくね」

俺の席は一番窓側、教壇から見て一番右側の一番後ろだった。

そして右隣の少女が声をかけてきた。

まあ、これは社交辞令、というやつだ。俺も言い返す。大丈夫。躊躇いがあったのだから

嫌われている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。俺は確実に嫌われた。それでいい。元々、俺は一人が好きなのだ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

実際、俺は人と付き合うことにうんざりした炎鹿が作り上げた人格なのだ・・・・・・・・・・・・・・・・。


そういえば、言い忘れていた。ここでは日本語が適応されているが名前とか外来語とかは何故か英語も問題なく

使われている。マジとかはなんか江戸時代にもあったらしいけど一番びびるのは、携帯があることだ。

実際は念話魔法を魔力がなくても使えるようにする魔具みたいなものらしい。

もう一つびっくりするのがこっちでも会社はバリバリあるしそれどころか職場体験もあったり

更にはテストすらある・・・・・・・・・・・・・・。もはや、既に同期してるんじゃないかと思ってしまうぐらいだ・・。

正直職場体験あたりから引いてしまう。それともう一つ言うならばこっちの世界にも

亜人はいる。とはいえ姿かたちは変わらない。例えば猫の血が何割か混ざっているとからしく若干

性格が猫っぽくなったりするだけらしい・・・・・・。ただそのシリーズがあるのは猫と犬・・・らしい。

後は魔人とか天人とか言う種族もいる。ただ、それらも姿かたちは変わらず魔力が多かったりするだけらしい。

因みにそれでも種族ごとに若干仲がよかったりはする。波長が合うというやつだ。

・・俺は狼と波長が合うらしいがな・・・・。もう一つ言うと普通は、この辺の人たちは

ステも高くないし、スキルも生活に必要なのだけしか取らないらしく鑑定もとっていなかった。

で、俺のステをみてわかるんだが異常だ。普通あるはずのSFPも防御力であるDFも枠すらない。

それに比べ、スピードと攻撃力であるAT,それとHPとMP(これについては特に異常)と魔力であるMNが

異常、と俺のステは崩壊状態である・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

すでに魔王と並ぶステータス値だ。・・・・・魔王も俺と同じぐらいだ。

それだけじゃない、俺のスキルはおかしい。何で猛毒なんて持っているんだろう????

強酸とか普通狼を獲得できないのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

それを言っちゃうと竜眼もだ。竜しかもてないはずなのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

と、忘れちゃいけないのが腐敗。・・・こんなスキル俺は知らない。今まで長い間ここで調べてきて

こんなスキル聞いた事がない。それだけじゃない。アビリティ、血マミレノ野獣って・・・・・・・・・・。

これは、獲得しちゃいけないやつだ。危険思想だと思われるレベルのスキルだ。

言い出すときりがないんだけど言いたい事がもう一つ。暴食と強欲スキルは世界で一人しかもてないスキルだ。

しかもそれを二つも習得しているのは、危ないしそんなこと魔王ですらやっていない。

魔王ですら持っているのは憤怒だけだ。これ怒りをコントロールできるスキルらしい。


ぼぅっとそんなことを考えながら魔王の授業を聞き流す。この∞組は全教科魔王が教えるらしい。

そして魔王は教えるのが無茶苦茶うまい。聞き流す程度でも全て頭に入ってしまうほどだ。

そんな中気になったことが一つ。ちらちらと隣の席の少女が見てくる。

その目が哀れみかそれとも「ちっこんなやつと隣になっちまったよ」という目なのかは不明だが

どちらにせよマイナスなのは確かである。種族がこれじゃな・・・・・・・・・・・・・・。

そんなこんなで放課後になった。俺は魔王に呼び出されていたので魔王の元に向かう。

出来るなら殺す。俺は色んな攻撃系スキルがあるんだ。魔王に劣らないほどに・・・・・・・・・・。

それに魔王は鑑定を持ってはいない。多分殺れる。

それが例え無理でも何とか説得して企みを阻止させる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

それを出来るだけ早く終わらせる。そんな決意と共に魔王の元に向かった。

「おう、来たか」

魔王は、俺を出迎えた・・・・・・・・。結構怒りをあらわにして・・・・・・・・・・・・・。

だが、そっちのほうが好都合だ。怒りで我を失うぐらいのほうがいい。

「はは、で?何でしょう」

俺はまさに反抗的な態度をとる。それで怒ればこっちのもの。それが出来なくても

魔王が俺を問題児だと認めれば近づくチャンスが出る。それさえ出来ればこっちのものだ。

魔王は更に怒りをあらわにした。何だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

何だ、こいつちょろい・・・・・・・・・。殺せる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺の、SDの能力は、殺人の能力は・・・いや暗殺の能力は確実にこの世界随一だ。

誰にも負けない。こんなちょろい獲物俺の手にかかれば楽勝で殺せる・・・・・・・・・・・。

「いやあ、すごかったな朝の自己紹介は・・・・・・・・・・・。私はその方法が悪いとは言わない。

私は君がやろうとしていることを知っている。君は私を殺そうとしているのだろう?

理由は、世界の同期・・・・・・・・・・・。神にでも頼まれたか????

私が世界を同期したら神たちもそりゃ困るわな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

だが、私は死なない。私は世界を同期することが正しいと思っている。

そしてそれが出来るのは、イザナミである私だけだ。だから邪魔するな。

でも、私は君の学園を生活を妨害したりはしない。それについては文句をつけようとはしない。

ただし、一つ言わせてくれ。君のやり方は、間違っている・・・・・」

魔王は長文をすらすらと言ってのけた。完全に俺のやろうとしていることが暴かれていた・・・・・。

化け物が・・・・・・・。ちょろくねぇのかよ。全然・・・・・・・・・・・・・・。

でも、でもこいつの言っている事はむかつく。自分のやろうとしている世界の同期を正当化している。

そんな事すればどこかの異界が消滅する。ここかもしれない。俺が元いた場所かもしれない。

ヴァルハラかもしれない。どっちにせよ許すわけにはいかない。それに、俺のやり方が、間違っている・・だと?

俺は2度目の学園生活なんだぞ?俺に間違いはない・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺が一人で居たいからそういう環境を作る。それだけ・・・・・・・・・・・・・。

たまに近づいてくるやつは、大抵「いい奴」だ。世間一般的な。俺はそういう奴のきれい事が

嫌いだ・・・・・・・・・・俺が完全に敵わないから・・・・・・・・・・・・????

あれ?そうだっけ・俺はそうじゃなかった気がする・・・・・・・???いやそうであろう。

誰かの記憶が植え付けられているのかも知れない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺はそれが間違いだとは思っていない・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

思いたくもない。「せ、先生。先生、そもそも間違っている事が悪い事だという認識や間違ったら

改めなきゃいけないという認識から間違っているんですよ・・・・・・・・・・・・・。

だって、そもそもそれが間違っているかを決めるのはその場にいる人間が感覚で決めることで

間違っているというのは不確定な要素なんですよ。

実際1+1は2ですけど1+1が3にも4にもなるっての理想的だって思う人もいるわけで

その感覚がばらばらなんだから間違っているとその人は思っていてももう片方は正しいと思っているわけで

なのに権力者や多数意見と食い違うからって『悪』である、というのは理不尽じゃないですか???

それに少人数でも権力者じゃなくても正しい事を言うかもしれないわけで・・・。

いえ、言い切りましょう。少人数者や弱者のほうが困っている人を見る目に長けています。

つまりむしろ、多人数や権力者と食い違った意見こそが正しいんですよ。

でも、それを多人数や権力者は間違いと呼びます。間違っているほうが改めるべきなのに

正しいほうが改めるようになるんですからだったら間違っている事は、悪ではないし

それに間違っているからといって正す必要はないんですよ」

俺はらしくもなく間違っている、そういわれたことについて文句を言ってしまった・・・・・・・・・。

世界の同期のほうは?????????どうするの???????????????

はあ、俺って論点をずらす天才かもな。それにしても今回は随分としゃべったな・・・・・・・・。

おかげでこっちにも冷や汗が流れているしその冷や汗の原因である魔王・・先生?は

こめかみをぴくぴくさせている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

確かに怒るのは当然だ。しかし、そこで怒るということは自分と意見が食い違うだけで

叱る、つまり権力を乱用しているのだと俺に言われる事をおそらく魔王・・先生は理解している。

・・・・もういいや。先生でいこう。

「確かに・・・・・・確かにそうだな・・・・・・・・・・・・・・・。

では言い直そう。私はそういったやり方が嫌いだ。そんなやり方をして欲しくはない。

服部君。君は確か、異世界からの使者だったな・・・・・・・・・・・・・・。

もしかしたら異世界ではそういう考えのほうが一般的なのかもしれないな」

いや違う・・・・・・。先生がいっているのを聞きながらそう思う。

「でも、こっちのジャバスという世界ではそういうやり方は好まれない。いや、君の場合好まれない事が目的だろう。

だが、そういうやり方をして欲しくはない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

君は実に興味深い。そして君は、人を動かす力がある。でも君は不器用だ。

不器用なのならわざわざ君が人を動かす事はない。無理をして人を求めようとするのは危険な行為だ。

自身の力を使う為に無理をしてしまっては意味がない。私は君が壊れて欲しくない。

君は面白いからね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

先生はそういっている・・・・。違うんだけどな・・・・・・・・・・・・・・・・。

駄目だ。やっぱりこの人には理解してもらえない。理解できるはずがない。

炎鹿だって始めは理解してくれなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「それと私は鑑定スキルを持ってはいないが魔王族って言うのは代々品定メ乃邪眼、というのを持っていてな。

鑑定スキルがなくても鑑定ぐらい出来てしまう。だから君のステータスが異常なのも

七大罪スキルを2つ所持できている事も分かる。一つ腐敗、というのだけ分からないがな。」

先生はそういった。俺は気付いた。この先生を俺は嫌いじゃない。嫌いじゃないけれど

好きでもない。親身に生徒の事を考えてくれているんだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

でも、それが俺には大きなおせっかいにしか感じない。まるで反抗期だな・・・・・・・・・。

でも俺に反抗する勇気なんてない。反抗する勇気がないんだから反抗期じゃない。


少しの間、先生と俺の間で沈黙が発生した。気まずい雰囲気だった・・・・・・・・・・・。

俺は、先生の目を見る。別に目を見て話せとかじゃない。普通に目が合っただけ・・・・・・・・。

でも先生は俺ではなくどこか、遠くを見ていた。自身の力不足に絶望するような目だった。

例えるなら騎士のように堂々と・・・しかし戦いに疲れ、助けを求める哀れな戦士・・・・・・。

「あ、あの・・・・・・・。一つ聞いてもいいですか????」

俺は、その沈黙が嫌で先生に声をかけた。聞きたいことがあったのも事実だ。

「ああ、何だ・・・・・・・。何でも聞いてくれ」

先生は、しばしの間を空けて答えた。時差、とでも呼ぶんだろう。

「世界の同期について何ですけど何でそれをしなきゃいけないんですか?

だって、それをしたらどこかの世界の人が死にますよね??皆」

俺は気になっていた。でも聞きにくいことを聞いた。何となくこの人は、この先生は野望程度で

世界の同期というデメリットの大きいことをしない、そう思った。

「それは・・・・・・・・・・・・。君、神の使いじゃなさそうだな?何者だ?」

先生は、俺に質問で答える。いいにくい事、いいや何故俺がそんなことを知りたいのか気になったのだ。

それ以上の裏はない。それを俺の観察眼が明確に裏付けていた。

「俺は・・・・・・・・。『イザナギ』だ。運命の子・・・・・・・・・・・・・。

・・というかイザナミって???・二人いるのか?????」

俺は、先生の質問に意を決して答えた。そして更なる質問をする。神とか運命の子とか

その辺の事が分かっていない。だから当事者に聞いた。シガネ、もイザナミを名乗っていたから。

「ああ、イザナミは二人、イザナギは一人。しかし正確にはイザナミも一人かもしれないな。

確かにイザナミである二人は同様の力を持っている。しかしイザナギには到底及ばない。

イザナミの存在意義はイザナギ、に選ばれる事にある。

しかし、驚いたなイザナギが君だとは」

・・・・・選ばれる????更なるなぞが増えた・・・・・・・・。だが一方でその言葉の意味も

何となく理解できた。選ぶ。そのことの意味が。

「選ばれる、というのはイザナギもそうだ。イザナギは、イザナギ自信を選んだイザナミの中から選ばなくてはならない。

因みにもう一人のイザナミと知り合いなのか???」

先生は俺に補足を付け加えて教えてくれた。それと共にもう一つの質問をして・・・・。

「ああ、シガネがそうだ。」

俺は、隠すことでもないので簡単に教える。

「シガネ?ああマスボラール・チャケルシガナスのことか。・・・・・・・いやそんなはず・・・・・。」

先生はぶつぶつと独り言を言う。ほとんど聞こえないけれど。

「なあ、それはおかしな話だな。イザナミ同士はお互いに分かるはずなんだ。

確かにこのクラスにいることは間違いないんだがでも探った結果マスボラールではないことが

判明しているんだ」

先生はそういった。


もしもそれが本当だとするのならそれは俺にとってここに来た意味すら失う発言だった。「・・まあいい。私のほうでもう一人については探ってみる。それで君には”指示”がある。」

先生は言う。お願い、じゃなく指示なあたりがこの先生らしい。もはや権力の乱用といわずして

なんと言おうか?・・・・・・・まあイザナミの件を任せられるだけでもいいとしよう。

「分かりました。指示が何かは知りませんが聞きましょう。でも、その前にさっき言っていた

イザナギがイザナミを選ぶ、ということについて聞かせてくれませんか?」

俺はそのことについて尋ねたかった。確かに何となく分かってはいる。でもそれが間違いかもしれないし

間違っていなくても誰かの口から確実に聞いておきたかったのだ。

「そうか・・・・・・。イザナギがイザナミを選ぶ。その前にイザナミがイザナギを選ぶ。意味は分かるか?」

俺は首を横に振る。イザナミがイザナギを選ぶ、というのが分からない。

「簡単な事だ。選ぶ。つまり恋をするのだよ。イザナギはイザナミに好かれる様にしなければならない。

それをした上でイザナギは、自身を好いているイザナミの中か恋愛感情を持てるもの俗に言う[好き]な者を

選ぶ。無論選ばなくてもいい。イザナギにはイザナミを新たに作る力もあるからな。

自分の好きな人をイザナミにしてもいい。ただ、イザナミは、2人までしか出来ない。

君が誰かにイザナギの資格を与えればどちらかのイザナミの資格が失われる。

人生は全てうまくいくとは限らないんだよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

さて、服部君、私の”指示”を聞いてもらってもいいかな?」

先生がいたずらっ子のような顔をしていった。俺はこの『いたずらっ子のような顔』というのに

多少のトラウマがある。記憶はないが本能的にトラウマがあると感じてしまう。

更にいえばそれによって俺は、大きな恐怖を感じている。鳥肌が立つような・・・。

「君には、告白部に入ってもらいたい。」

先生は平然とそういってのけた・・・・・・・・・・・・・・・。

こ、告白部??????何だ?それ?そんなの誰が考えたんだよ。だっさ・・・・・・・・・・・・。

それに絶対冗談で誰かがいった奴を真に受けた馬鹿がいるだろ・・・・・・・・・・・・・・。

はあ・・・・・。何?なんか悪口を言われた気がする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「はあ・・・・・・・・?えっと・・・・・・・・・断れないのは何となく分かります。

それで何をする部活なんですか???」

俺は、当然持つであろう疑問を解決させる為尋ねた。まさか好きな人に告白するのを

手伝う・・・・とかじゃないだろう?????・・・・・いやああながちこの先生の事だ。

あってからの日は浅いが何となくこの先生ならやりかねない気もする・・・・・・・。

「学校の人間が抱えている言いたいんだけど言いにくいことを告白させる部だ。依頼を受けてから

色んな手を使って手伝う。そうだな・・・・・例えば自分は昔、犯罪を犯していて・・・・・とか。

自分はいじめられています・・・助けてください・・・・・・・・・・・・・・・・とか。

半分は懺悔半分は救済要請を聞くところだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

何だ・・・・・・俺が思っていたことじゃなくてよかった。まあこの先生はそこまでゲスじゃなかったということだ。

「あ、因みに恋の告白とかもするぞ。それと告白部で告白されたことは必ず他言無用。

それプラス必ず救済か援助をする事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

やっぱり前言撤回。ゲスだ・・・・・・・・・・・。ひどいこの先生。

「誰か他にいるんですか????」

俺は、青ざめながら言う・・・・。正直他に誰かいるんなら尚更嫌である。何度もいうように俺は一人が好きなのだ。

人が嫌いとかじゃなく・・・・もないけど。でもまあ一人が好きなんだ。

決してコミュ力が足りないとかじゃない。

「おう。お前の隣の席のつきばし ゆうきょ。満月の月に石橋の橋と書いて月橋、

優しい嘘と書いて優嘘で|月橋優嘘(つきばしゆうきょ)だ・・・・・・・・・・・・・・。

仲良くしろ・・・・・・。」

魔王は「それがどうした??」みたいな顔で言ってのけてくれた。あ、怒りと絶望のあまり魔王っていってしまった。

先生です。せんせー・・・・・・・・・・・。

俺は、精一杯嫌そうな顔をするが効果はなく先生によって告白部の部室に連れて行かれた。

いや、運ばれた・・・・・というべきだ。

あ、こういう乱暴な態度とるんだったら先生じゃないな。

魔王です。まおー・・・・・・・・・・・・。

「いいから、お前は今日からここの部員だ。選択の余地もない」

先生(魔王)は、俺にそう言い聞かせてから部室のドアを開けた・・・・・・・・・・・。

部室・・・・・・・。赤部屋というキーワードが頭に浮かぶ・・・・・・・・・。

何だ、赤部屋って????まあいっか。時々記憶?がよみがえる。

「せ、先生その人は??????」

月橋さんが、先生に向かって抗議並みに尋ねて来る。この勢いだがドアを開けてすぐの出来事だ。

反応速度、はやっっっ。

「こいつは、ここの新入部員だ。色々教えてやってくれ・・・」

先生が言う・・・・・・・・・・・。くそっっ。やっぱ魔王だな。慈悲がない慈悲が・・・・。

殺したい・・・・・・マジで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

月橋さんもどうやら、嫌そうな顔を浮かべている。

さすが俺。完全な嫌われ度。これなら心置きなくここでも一人で過ごせそうだ。

「じゃ、よろしくぅぅぅ。」

のりのりで先生が帰っていく。何が楽しいんだか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は、先生を目で追ってから振り返って月橋さんを観察する。間違いない。結構な勢いで後ずさりしている。

お、部室の端に着いた・・・・・・。後ろを向いた。・・・・・あれは・・・鏡か?

さすが竜眼。よく見える上に観察眼のおかげで要点をしっかり押えられる。

「え、えっと・・・・コホン。よろしく・・・・・・・。部長の月橋優嘘です。

満月の月に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

月橋がいやいやながら自己紹介をする。あ、色々観察した結果さん付けをするほどの格上に見えないのでやめた。

下の名前は難易度高い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「いや、それさっきも聞いた。」

名前の漢字の書き方とかをいっているので月橋に俺は突っ込んでおいた。


「・・・・・・・・・・・・・・・で?」

俺はついつい呆れ気味にそういった。かれこれ30分経っているんだぞ?何も来ないって・・・・。

「で?っていわれてもそもそもこの部活と部室自体知っている人なんて少ないんだし依頼なんて早々来ないよ。

何か事を待たれても・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

月橋が言う。



やっぱり告白部は駄目だ。

・・・・・・・やはり、いまだに沈黙が続く。いや、この静けさこそ至極・・・・・・・・・・・・。

俺は沈黙ではなく静寂、そうこの感覚を思うことにした。実際そう思う。

静寂とは美しいのだ。青い、に浄化と書いて静か、そして屋根の下に水を失った淑女の淑(叔)と書いて静寂と読む。

美しいわけがない。そもそも美しいという基準は、静寂にあるといってもよい。

いかに静寂を作り出すか・・・・いかに静寂を表現するか。それこそが美しさだと俺は思う。

蛇芭にこの体を任せているときに俺は色んな事を調べたりしてきたが、結局ラストに1年間は

ホントにやることがなくて繭のようなものの中で静寂を楽しんでいた。

俺が生まれて以来、ああも静寂に長い間いた事はない気がする。人とは、生物とは音を発する事でしか

物を伝えられないのではないだろうか?文字やジェスチャーなど不完全極まりない。

その点で言うならば何も伝えず孤独に生きる生物こそ、美しい。

静寂の中で生きる生物こそが美しい生物だといえる。その点で言うならばやはり孤独というのは

至極であり人を避けるというのは、生物の本能として当然なわけだ。むしろ仲良くしているやつらこそ

生物として間違っている。だというのにその間違いが多いからといって集団で活動する事を

決めているこの世界は狂っているのではないだろうか?気まずい時間はいまだに続いている・・・・・・・・・・・・・・。はあ早く終わんないかな??部活の時間。

後何分だろう?てかいつ終わるんだよ?こういうのってやる事なかったら帰っていいんじゃないの?

「・・・・こ、コホン・・・・・・。えと・・・え・・・・・・・・・・・・・。

そうだ。君の事なんて呼べばいい???副部長??」

月橋がそう提案してくる。・・・・・ふ、副部長?冗談じゃねえ・・・・・・・・・・・・・・。

ありえないだろう。ひどすぎる・・・・・・・。まあ、二人しかいないなら必然的に

そうなるのは当たり前だけど・・・・。でもそういうのはしっかり言っておいてくれないと・・・・・・。

やっぱ、あの先生、魔王だ。うむ。魔王先生だ。・・・?何か魔王を崇めている感じになっちゃってるじゃん。

あんなのを崇めるとかないんだけど。てかさ、もし魔王がホントにイザナミだとしたら魔王かあと一人のイザナミ、

それがシガネかも知れないしそうじゃないかもしれないけどそちらにせよ魔王と恋に落ちる

なんて事もありえなくはないのか?・・・・・・・・・ヴェ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

いや、無い。あれは年的には人間で言って俺と同じぐらいだけどでもあれは無い。

あんだけ悪魔みたいなのと恋に落ちるとか・・・・・・・。もう必然的にもう一人と恋に落ちるしか無い?

うわ・・・・・。まあ、どっちかの力さえ取ってしまえば好きな人をイザナミに出来るんだけど・・・・。

まあ、そもそも俺を好きになってくれる人なんかいないわけよ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

昔、短期間だけ付き合った記憶があるな・・・・・・・。何だあれ?

でもまあ、悪い思い出の気がする。そうじゃないわけが無い。

「・・・・・・・・・・・・・呼びたいように呼べばいい。そもそも俺何かを呼ぶ機会なんかないんだし

俺の事なんか空気だとでも思って俺の存在自体を忘れてしまってもいい。」

・・・・・・・・事実である。俺の事なんか呼ぶ機会ほとんどないはずだ。

なんと呼ばれても別にいいしそもそも呼ぶ機会がないんだったら存在自体忘れてくれてかまわない。

そのほうが好都合だ。静寂を楽しめる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ぼっちの典型的な言葉だな。存在を忘れてかまわない!!静寂を楽しみたいんだ!友達いないんじゃなくて

作らないだけだ!!そもそも友達がどこまでを基準としているのかをはっきりしてもらいたい!!とかな。

・・・でも俺はぼっちじゃないぞ。ぼっちじゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

た、例えぼっちでも淋しくないし・・・・・・・・。淋しくなきゃべ、別に問題ないし・・・。

「・・・・・・・ハトってさ友達いるの??」

月橋がそういった。はあ?何言ってんの急に・・・・・・・・・・・・・・・・・?

もしかしてもうおかしくなっちゃった?何々??

「何言ってんの?ハトって?まあ、ハトも集団でよく見かけるし友達とかそういう親しい関係性のあるハトも

いるんじゃないの?」

俺は、そんな当然な事にも答える・・・・・・・・・・。これでもし独り言とかだったら恥ずいな。

「何?そんなの当たり前じゃん?」みたいなこといわれそう。

・・・ほら俺の事を「は?」みたいな目で見てるよ・・・・・・・・・・・・・。確かこっちにもハトはいたよな?

「・・・・・・ああ、ハト?そうじゃなくて服部君のことを聞いてるの」

「・・・ああ俺のあだ名がハトか。なるほど・・・・・・・・・・・・・・・。

じゃねえよ。何、人の名前を平和の象徴みたいにしてんだよ!!!!!!!」

俺は半ギレで言う。だって当然だろ?自分の名前をハト呼ばわりされちゃだれだってこうなる。

「いや、だって自分が何とでも呼べって言ったんじゃん」

月橋が不服そうに言う・・・・・・・・・・・・・・・・。まあ言ったな。

言ったけど、言ったけどそれは酷いんじゃない?ハトって・・・・・・・・・・・・・・。

しかも俺が言った言葉はそんなナイスガイみたいな言葉じゃねえよ。どんだけ俺がかっこつけてるみたいになってんだよ。

「で?どうなの?」

月橋が聞いてくる・・・・・・。どうなのって?・・・・・・・・・・・・・ああ友達が居るかってやつか。

「そもそも友達という関係性の定義を教えて欲しい。恋人には確かに恋愛しているという定義が存在するし

夫婦も結婚しているという定義がある。だが、友達にはそういった定義が無い。

知り合いと友達の境はどこにあると考えているんだ?もしその定義がお互いが認めている、というならば

わざわざ『今から友達になろうぜ』なんて言い合っている人間は俺にはいない。

だから0という事になる。」

・・・ついつい饒舌になってしまった。昔は、友と呼べる人間がいた気がする・・・・・・・・・。

いや、幻であろう・・・・・・・・・・・・・・・・多分。

「・・・・・・そっか・・・・・。じゃ、じゃあさハトの言う恋人はいる?ハトに」

月橋がまたやたら面倒な事を言ってきた。何で人は、こうも知りたがるかな?

そういうの「デリカシー無い」って言うんだけどな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「あのな?いた事あると思う?そもそも俺、あっちでの記憶ないし。それにちょっと前まで狼に進化しちゃってたし」

「・・・・・?あっち・・?もしかして先生の言ってた異世界からの使者ってハトの事なの?」

・・・・・先生余計な事いったんだな・・・?だからハトは、やめろって。

「ま、まあな。ほら。近くの大草原あったじゃん?あそこに無防備で飛ばされてそれから並列進化で波長が似てるからって

狼に進化してその後、色々死の危険にあったらしい。草原での事は他の人格が体を操ってたから

詳しくは知らない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺は、隠すことも無いのではっきり言う。事実、狼に進化して少ししてからは蛇芭に任せ切りだったし・・・。

・・・そういえば蛇芭ってどうしたんだろう?環境の変化で新しい人格ができるのは分かるから

あいつが出来ていても驚きはしなかったけどあいつってホント何なんだろう?

「他の人格?」

月橋が疑問そうに言う。あ、先生はそこまでは言ってないのか?いや知らないのか?

「俺、多重人格だから。まあ、基本メインに出てるのは俺だけど」

事実である。炎鹿はほとんど出てこないし月鴉なんか中でしか活動していない。

それにしても人間の好奇心ってすごいな・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「まあ、だから俺にそういう関係性を持った人は多分いない。もしかしたらいたかもしれないけど

子供のお遊び程度って言うか・・・・実際スッゴイ異常なほどに早く振られたと思う。」

・・・何となく。何となくそんな気がする。俺別れることを容認して清々しい気持ちになった気がする。

記憶が戻っているのかもしれない。

「そ、そうなんだ・・・・・・・・・・」

月橋はそういうとまた、頬杖をついて外を眺める・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

何だろうか?思いつめている、そんな感じだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



それにしても、依頼が来ない・・・・・・・・・・・・。

無論、俺は魔王を殺す、などという真似は出来ないと思うのでやらないしそもそも話を聞く限るでは

俺が交渉するまでも無い気がする。ただ、不思議かつ奇怪であるのはただ2つ、魔王である彼女がイザナミであること。

それとシガネがイザナミではないと思っていることだ。

シガネか魔王どちらかがうそをついている可能性がある。ならば、魔王のいっていたように

俺はイザナミを選ばなくてはならないのだからそのためにも自身の力で本当のことを見極める必要がある。

俺には、観察眼スキルもあるわけだし腐敗スキルというのが効果を見るを思考能力を格段に向上させるらしいので

確かかつ、確実に見極めるだけの力が俺にはある、ということになる。

別にこの学校にいる必要はないのだが、以上の理由でこの学校にいることを俺は選ぶ。

だとするのならこの「告白部」にとどまる事はここにいる事の絶対条件であろうから今ここで静寂の中にいることは

とても重要である。本心からいえば結構気まずさもあるのでこの部屋から出たいのだが

だが、それで魔王(先生)の逆鱗にでもふれたら退学処分になってしまう・・・・・・・・・・・・・。

それは避けたいのでおとなしくこの部屋に座っている・・・・・・・・・・・・・・。


とはいっても結構暇なので、この少女、月橋優嘘を観察でもしていよう。

あ、観察といっても別にやましい事をするとかじゃなくて例えば人間関係とかやましい事があるとか

あと、現在何を思っているのかとかを知り、自分の身を守るために使うだけだ。

・・・・さて。まず簡単に容姿とかをまとめておこう。

髪は、校則がゆるいこともあって若干脱色されたブラウンカラーだ。

いや、言い方を変えれば地味めのオレンジにもなる。長さは、というと首あたりまである。

ショート?というのだろうか?こういうのには詳しくな・・・いや結構分かる気がする。

別に具体的に分かるわけじゃないのだがでも、こういう女性の髪形にはこだわっている気がしなくも無い。

変な感覚である・・・・・・・・気持ち悪い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

まあ、いい。首までしか髪がないため別に何かで留めていたりとかそういうのも無い。ただ整えている、という

感じはある。しっかりと手入れされているようだ。そのおかげか髪が痛んでいるような形跡は

一切無い。耳に髪が若干かかっているが耳にかける様子は無い。そういう髪型なのだろう。

顔立ちは、というと可愛い感じ、というのか目や鼻や色んなパーツは整っている。

美しい、というよりかは可愛らしいという印象だ。それは自身でも分かっているのか

きっちり、髪型ともマッチしている。おそらくあえて顔に合わせた髪形にしているのだろう。

まつげは長く眉は薄くも濃くも無い。肌は一般的な日本人の肌色で夕焼けのせいか若干、薄紅色に染まっている。

瞳は、これもまた、美しい、というよりかは可愛らしいという印象である。

この可愛らしいというのは幼い、とかではなくキュート、というやつだ。夢見る瞳、とでもいうだろうか?

キラキラ輝いていてとても可愛らしい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

唇は・・・・・・・・ぷるん?としている。という表現で間違いなぐらいだ。

例えば、乾ききっている、とかそういうのは無い。かと言って口紅が塗られているとかそういうのでもない。

例え方が難しい・・・・・・・・・・・・・・・・そんな感じだ。

肌は全体としてすべすべ・・・触ってはいないので見た感じだが、・・・すべすべしていて

なでてみたい・・・・・そんなことを思ってもおかしくないぐらいだ。

俺は考えないけど・・・・・。ホントだぞ。ほんとにそういうことは思ってない。

で、服装だが、無論制服なのだがこれまた校則がゆるい為うまく手を加えて着こなしている。

これもやはり可愛らしさを熟知した着こなし方だ。美しいというより可愛らしいということを

自分で自覚しているんだろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


さて、じゃあ他のことだな。まず今何をしているか・・だが、正直言って分からない。なんか頬杖をついて外を眺めている。

すごく頬を赤くして・・・・・・・・・・・・・・・・・。まあ、夕焼けのせいって可能性もあるけれど

でもまあ、それにしちゃ赤すぎる・・・・・・・・真っ赤といってもいいぐらいだ。

目線もあちこちを見ていていわゆる「おどおどしている」というやつだろう。

正直、心情とかも読めない。しょうがない。鑑定でもしておくか・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・やっぱり。月橋も普通の人間か・・・・・・。ステは俺のステと比べて全カテゴリーで

100分の一を下回っている・・・・・・・・・・・いやこれでも普通の人間だと高いほうである。

さっき教室で見た限りじゃ150分の一をいた回っている奴もいた。

俺が体育とかで本気出すと反感買いそうだな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

最低、どっかの科学施設でつかまりそうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


?月橋が結構気まずそうにこっちを向いた。

部長として俺と話さなければならない。でも話したくないよ。こんなやつと・・・・・・・。

みたいな苦悩を抱えているのだろうか。俺は心まで読めないので行動とかで読み取るしかないが

大幅これであっていると思う。

それにしても・・・・・・・・・・・それにしてもこの部活やめたい・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・今だに静寂は乱れない。何故終わらないのだろう?

というか俺にも副部長の権限があるなら部長に部活終了の相談を持ちかけることぐらい出来るのではないか?

・・・出来なくはないだろうな・・・・・。でも人と話すのは面倒だな・・・・・・・・・・・。

いや、決して人と話すのが苦手とか女性と話すと緊張するとかじゃない。そもそも月橋と話すので

緊張とかは無い。マジでありえない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

それと俺がコミュ障だとか、そういうことでもない。決して無い。マジで。うそじゃない。

・・・・・・・ホント・・だよな?うん・・・うん。そうそう。コミュ障じゃない。

・・自信なくなってきた。自分のためにも証拠を見せるか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「な、なあ・・」

「あのさ・・・」

うわ・・・・・・。やっちゃった。気まずい・・・・・・・・・。何でこういう時に声が重なっちゃうかな・・・。

もう無理だ。トラウマになってしまう・・・・・・・・・・・・・・。

正直、こういうハモっちゃったとかあっても全然ラブコメ感は無い。0に等しい。

ただただ、気まずいだけだ。マジでやめて欲しい。苦しい&気まずい&トラウマになるだけだから。

運命に神様とかいるんだったらホントにそういうのおせっかいだからやめて・・・・・・・・・。

?俺、神にたてついてるのに何で神にお願いしてるの?よく分からない・・・・・・・・・・・・・・・。

あ、べ、別に動揺してるわけじゃない。俺の精神は鋼、いやダイヤモンド以上に固いんだ・・・・・・・・。

「何?」

俺は先手を取る。こういう時は先に動かないと負けだ。多分・・・・・・・・・・・・・。

人と関わった経験とかが無いしもしあっちであったとしても記憶ないし・・・・・・・・・・・・・。

だから経験則って言うより勘だけど・・・・・・・・・・・・・・。

「い、いや・・・・えっと・・・依頼人来ないね・・・・」

月橋が気まずそうにそう言う。全く、お互いが気まずい思いをするならこんな事マジで起こって欲しくない。

というかそんなことでしゃべるなよ!そのせいで気まずくなったじゃねえかよ!!!!

「で、そっちこそ何?」

月橋は、気まずそうにしながら言う。ああ、どうしよう・・・・・・・・・・・・・・・・。

こんなときに発言とか難易度高すぎる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

あ、ど、動揺とかしてるわけじゃないぞ。俺の心は鋼、いやダイヤモンドより硬い・・・・・・・。

「部活、まだ終わんないの?」

・・・・言えたっ・・・・・・・・。よしっ。やったぜ。マジでうれしい。これで気が楽に・・・・・。

「あと30分。5時半までは、告白部をやっているって告知しちゃってるし・・」

なぬ・・・・・・。マジで・・・・・・・・。後、30分・・・・・・・・・・・・・・・。

ああ、神よあんたはどんだけ無情なんだ・・・・・・・・・・・・・・。気まずいじゃないか。

この後どうすればいいんだよ。やばい・・・・・・コミュ障かも、俺・・・・・・・・・・・・・・・。



それから、10分ほどが過ぎた。外を見てみる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

他の運動系の部活は熱心なところだと今、夜間の練習に向けて休憩しているところで、

熱心じゃないところだと帰り始めているところも多い。全く部活まであるってどんだけあっちと似てるんだか・・・。

でも、ここは部活といっても剣術部とか魔術部とかファンタジーな物やファンタジー系のスポーツの

部活も多い。その点では違うとも言える・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

因みに、人気なのは魔術部と決闘部だそうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

という感じなことを考えていると部室のドアが開いた。

俺は、とっさに入ってきた人間を鑑定する。・・・・・・・・・・・・・・・・。

ステは平均的に月橋と同じぐらい・・・・・・・・・・・・・・。スキルに「剣術」がある。

ということは、剣術部のやつか?でもなんで?荒らし?

「あの・・・告白部とはここでよろしいんでしょうか?」

「はい。えっと・・・・依頼ですか?」

その声を発してのは男性だった。さわやかイケメンって感じの・・・・・・・・・・・・・・。

体つきもそこそこいい。俺には到底及ばないけれど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺がチートなのか・・・・・。たく蛇芭のやつ何しやがったんだか・・・・・・・・・。

「そうです・・・・・・。今いいですか?」

さわやかイケメン君は言った。声もさわやかだし女性なら誰しも恋しそうだ・・・・・・・・・・・。

女性・・・・・・・・・?そういえば月橋ってそこそこな顔だしモテるんだろうか?

モテるなら俺が一緒にいると俺が恨まれそうだな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「で?あなたが告白して救済して欲しい事は何ですか?」

月橋が・・・慣れて・・・はいない感じでやる。もしや客来たの初めてなんじゃ?

「俺、剣術部の部長なんですけどうちの剣術部が弱くて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

多分、剣術部が弱いのも部長の俺のせいで・・・・・・・・・・・・・・・。それでどうすればいいのか迷っています」

・・・・懺悔の部屋みたいに先生言ってたけど要するに何でも屋的な感じで校内の困りごとをどうにかしろってことじゃ?

それって・・・・それって先生の仕事じゃ・・・・・・?押し付けてるの・・・・?

それとも、生徒の問題は生徒で解決ってやつ?うーん。前者っぽいな・・・・・・・・。

「じゃあ、剣術部を強くすれば良いんですか?」

月橋が問う。確かにさわやかイケメン君の言う話だとそう聞こえる・・・・・・・・・・・・・・。

ただ、それって非常に難しい事なんじゃないの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

「いや、最終的にはそうなんだけど誰か強い人がいれば刺激になると思うんだ。だから俺を強くして欲しい」

さわやかイケメン君はそういった。・・・・・・さすがである。まさにリーダー格。

自分が高まれば皆もついてくる・・・みたいな?全て自分の力不足なんだ!!・・・みたいな?

ただ・・・・俺からすると正直言ってこの依頼は難しくは無かった。

俺が、ちょっとだけ力を出してこのさわやかイケメン君を鍛えるか部に入って少し実技を見せるかすれば良い。

ただ・・・・・・ただそれはな・・・・・・・・・・。それは今後いろんな事がありそうで怖い。

研究施設に捕まえられたり、地下に埋められたり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「分かった・・・・・・・・・・・。じゃあ、剣術部に割り当てられている屋上に行って練習をするから

ハト、準備しといてね?」

・・・ハトって人前でも言う?しかも準備って・・・俺もやるって事?



どうやらしょっぱなから最悪の依頼が来たようだ。最悪の依頼を受けた俺は止むを得なく体育着に着替えてジャージを着て屋上に行った。

するとそこには既に着替えていたさわやかイケメン君とどうやら急いで着替えて今駆けつけたような

月橋がいた。そして二人とも剣を持っている・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

何あれ?かっこいいんだけど?というかそんなの持ってないんだけど・・・・・・・・・。

と、思っているとさわやかイケメン君が重そうに剣を俺に渡してきた。

「重いから気をつけて」

さわやかイケメンはそういって渡してきたけど正直持っている感覚すらないぐらい軽い。

「軽っ」

やばい・・・・つい口を滑らせてしまった。軽いとか言ったらステが異常なのがばれる・・・・・・・。

ばれた時に向けられるであろう哀れみの目が想像できる・・・・・・・・・・・・・。

冷たい視線が向けられ俺は、その視線でトラウマを増やしてしまう・・・・・・・・・・・。

「何言ってんの・・・・?軽いわけ無いじゃん。強がってるんじゃないよ」

月橋が怒ったように&馬鹿にするように言う。いやいや強がったいないんだけど・・・・・・・・。

というか、月橋も持てているけれど無茶苦茶持つので強いいっぱいそうだ。

言われてみるとさわやかイケメンのほうが100ほどATが多い。それが原因だろうか?

さわやかイケメンのほうはもてているだけじゃなくてしっかり振れそうだ。

「で?どうやって強くすんの?このさわやかイケメン君を」

俺はそう尋ねた。正直名前はわかんないしさわやかイケメン君でいいでしょ?

「さ、さわやかイケメン君って・・・・・・。同じクラスだしクラス委員だし今日だってハトのために

休み時間自己紹介してたじゃん・・・・・・・・・・・・・。覚えてないの?」

月橋が怒鳴る・・・・。呆れながら怒鳴っている・・・・・・・・・・・・・・・・。

ああ、そんな奴いたかもな・・・・・・・・・・・記憶にございません。

「はは・・・・・・・。|成宮悠斗(なるみやゆうと)って言います。よろしく」

さわやかイケメン君が言う。いや名前は聞いたけど俺の中じゃさわやかイケメン君だ。

さわやかイケメン君でいてくれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「で?」

俺は短く月橋に聞く・・・・・・・・・・・・。本題をずらさないで欲しい。

コミュ障じゃないけど・・・でもまあ面倒だから・・・・・・・・・・・・・・・。

「あ、えっと実践を積もうという事で私とハトが二人で成宮君を戦う2.1の練習をしようと思ってる。」

月橋が言う。・・・なるほど良い判断だ。数で追い詰めて戦えば普通過酷な戦いになって良い特訓になる。

”普通”だけど・・・・・・・・・。俺がいるからそもそも”普通”の面倒な方法をとる必要は無い。

俺と1対1むしろ俺対月橋とさわやかイケメン君のほうがさ和歌やイケメン君の指示能力が上がっていいと思う。

「いいや、俺をさわやかイケメン君と月橋が倒す形式のほうがさわやかイケメン君の

指示能力が上がっていいと思う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺はそれを口にしてみる。若干75分の1ぐらいの力でやれば十分だろう。

「え・・・・・それはちょっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

月橋が戸惑いながら目線をキョロキョロと変える。

さわやかイケメン君も同様に「それは・・・」という顔をしている・・・・・。

俺ってそんなに弱そうなのか?

「じゃあ分かった。俺とさわやかイケメン君の1対1でどうだ・・・・・・・・・・・・。

実際月橋なんかじゃどうしょうもなさそうだし・・・・・・・・・・・。」

俺は言う。これなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「あ、あのささっきから気になってるんだけど何で名前で呼ばないの?

それと私は何で呼び捨てなの?私、ハトよりは強いよ」

月橋が結構怒った感じに言う。俺より強いって・・・・・・・・・・・・・・・・。

先生でもそれは無いぜ・・・・・・・。先生だって同等だし、それに魔力の点じゃ俺MPが無限だからたまりさえすれば

魔王にすら勝ててしまう数値なんだけど・・・・・・・・・・・・・・?

「じゃあ、俺と月橋で勝負しよう。さわやかイケメン君は月橋に的確な指示とアドバイスをする。

それでどうだ?」

俺は今度こそ名案を出す。さわやかイケメン君についてはこれからもずっとさわやかイケメン君という。

「な、馬鹿にしすぎでしょ。私がハトなんかに負けるわけ無いじゃん」

キレ気味で月橋が言う。お?これ、チャンスかも?良い感じに俺の力が普通の人よりちょっと上だって見せられれば

さわやかイケメン君も信じてくれるだろう・・・・・・・・・・。

「負けるわけ無いって・・・・・・・・・・・・・・・。じゃあ、やってみるか?

剣術って確か相手にギブアップって言わせるか相手の剣を奪えば勝ちだったよな?」

実は気になっていたので調べていたのである。実はね・・・・・・・・・・・・・。

「いいよやってあげる。じゃあ負けたほうが帰りにカフェでなんかおごるって言うのはどう?」

月橋が言う。どんだけ自身あるんだよ・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺の勝ちは見えているしちょっと加減して良い感じに負けるかな・・・・?あ、でも俺今金欠だな・・・・。

家買ってから・・・・・・。まあ、満腹ゲージが無いという事はお腹もすかないということだし困らないけど。

お腹空かないのと美味しい物があると食べたいというのは別なんだ。

ここから先食べるものが無いのはきついな・・・・・・・・・・・・・・・・・。

しょうがない。ここは普通の勝ってしまうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「分かった・・・・・・・・・・・・。その言葉忘れるなよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃ審判と月橋のサポートを頼んだ」

俺は、月橋に宣言?してからさわやかイケメン君に頼んだ。

「わ、分かった・・・・・・・・・・・・・。じゃあお互い位置に着いて」

その合図と共に俺と月橋は5メートルほど距離を作る。普通結構遠く見えるはずなのだが

竜眼のおかげかほぼ近距離にしか見えない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「じゃあ、|決闘(デュエル)スタート」

さわやかイケメン君の合図で試合(決闘)が始まった。

俺は勝つつもりだけどそれでもさすがにしょっぱなで倒しちゃさわやかイケメン君の指示特訓にもならないので

始めは動かず回避に徹することにした。

月橋は、というと重そうにしながらも剣を持ちながらこちらに向かってきた。

重いは重いがそれでも走れないほどじゃない。・・・はずだ。

実際月橋は走っているし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

無茶苦茶遅いけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

やっと俺の前にたどり着いた月橋は俺に向かって剣を振り回した。

この剣、鉄だけども相手を決して殺さないように魔法がかかっている為どんなに威力が強くても

殺しはしない。半殺しはするけれど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は受けようかとも思ったけれど防御力が何故か無いことを思い出して急いで回避した。

よく考えると防御力だけは月橋にすら劣っている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

とはいえ、スピードが俺からしたら遅すぎて回避とすら呼べないほど楽な作業だった。

「すごい。月橋さんなかなか剣を振るスピードが速いよ」

もしかしたらさわやかイケメン君は俺にヒットしているとでも思っているのかもしれない。

何故って?何か俺が移動した後で残像が残ってたから。少しの間だけど。

というか、これで剣を振るスピードは速いほうなのか・・・・・・・・・・・・・・・。

うーん?これやってても意味無いな。俺が直で教えたほうが良い。


俺は月橋が俺に向かって振ってきた剣をゆっくりめに力も入れずにはじいた。

結果、剣は屋上の端に飛ばされ若干屋上の方に跡がつき、俺は月橋には一切ふれてなかったんだが

月橋も結構吹っ飛び気絶した・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

え?嘘?結構力抜いたんだけどな・・・・・・・・。それこそふれる程度だったのに・・・・。

俺は、剣を置いてから結構急ぎめに月橋のほうに向かって持って・・・お姫様抱っこで

医務室まで運んだ。

ただ、マジで急いだ為完全にさわやかイケメン君を置き去りにしてしまっている。

ま、まあいっか。医務室に来ても人がいない・・・・・・・・・・・・・。

しょうがない。スキルを使うか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

確か、俺のソウルポイントは100あったはずだ。俺のレベルが転移しているときに自動的に上がったんだろう。

ヒューマンウィアーやモンスターじゃなければソウルポイントはまず上がらず

何かをやって獲得するしかない。

なので実はソウルポイントは貴重である。という事で俺はスキル「回復」をソウルポイント100で獲得した。

そして月橋を回復する。この辺の使い勝手も全て学んでいる。

怪我のときは対象者の体をつなぐような感じで、病気の場合は菌をイメージして

菌を対象者の体から取り除くように・・・・・・・・・・・・・・・・・。


若干の時間(1分ほど)で医務室に連れてきて回復をした。

これで体の打撲とかは治っているし少しすれば目覚めるはずだ。

「だ、大丈夫だったか?」

お、さわやかイケメン君が来た。・・・困りましたな。どう説明しようか・・・・。

「すまん。急いでて何も言わなかった・・・・・・・・・・・。ちょっと月橋が怪我しちゃってな・・・・。

さっき治したところだ。もうすぐ目を覚ます・・・・・・・・・・・」

俺はそう言う。・・・・正直言おう。結構今回は命の危険があった。うん・・・・・・・・・・。

ただ、人間のしかも自分以外の体を治す、となると結構楽だし、それにこのヒューマンウィアーという種族は

どうやら嫌われる代わりに多くのことに長けているようだ・・・・・・・。

回復もその一つらしく結構楽に治せた・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「いや、怪我を治したってどうやって?結構大きな衝撃だったけど何が起きたの?」

さわやかイケメン君。それを聞きますか・・・・・・・・・・・・・・・?

なんて説明しようか?????

「えっと・・・・ほら魔術部の人が偶然通って治してくれたんだよ」

苦し紛れのいいわけである。

「え?魔術部って回復系のスキルなんか持っている人いないよ?というか回復系スキルなんか

普通獲得できないでしょ?」

え?そうなの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

苦し紛れにしては上出来だと思ったのに・・・・・・・・・・・・・・・・。

「さわやかイケメン君。これから話すことは誰にも言わないか?」

俺はそう確かめる。さわやかイケメン君は頷く。・・・多分こいつは信じていい。

そう俺は、本能で思った・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「俺、近くの大草原に元々いてさ・・・。というか異界からの使者でそこに飛ばされて。

それで波長が合うからって狼に並列進化してで、その後のことはよく知らないけど

多分、暴食と強欲スキルを持った状態でモンスター倒したりモンスターの肉を食べたんだと思うんだけど

それが俺、多重人格で他の人格が操ってたから知らないんだけどまあ、色々あって

鑑定もカンストしちゃってるし結構色んなスキル持ってるしステータスは

ATとSDが3万だしというわけでさっき触れたぐらいにしようと思ったんだけどそれでも

駄目だったみたいで怪我・・というか殺しかけた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

まあ、半殺しで絶対に死ぬことはないんだけど。だから回復スキルをとって回復した・・・・・・。

半分蘇生みたいな形で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺はさわやかイケメン君を信用して打ち明けた。俺は打ち明けた。それは必然的にさわやかイケメン君に心を開いた、もしくは格上だと認めたことになる。

それは悔しいが説明に苦しむのは面倒だし、誰にも言わないという約束だしおそらく俺の言って欲しく無いような態度から

もし言ったら俺がキレて殺しにでも来るんじゃないかと思うんじゃないか?知らないけど

「さ、3万・・・・・・・・・・・・・・。すごいな・・・・・・・・・・・・・・・・・。

それにしても服部君は優しいんだね。強くて優しい。」

いやいや、違うって。もしかして死に掛けていたあたりから嘘だと思ってる?大げさだと思ってる?

俺の鑑定能力でみたらHP1ぐらいしか残ってなかったし大げさじゃないって。

死にかけてたら助けるの普通だろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

というか、この剣のセーフティー機能もおかしいだろ?触れてすらいない本人のHPが1ぐらいしか残ってないって・・・・。

あ、そういえば月橋が使ってた剣も形がほとんど残ってなかったな・・・・・・・・・・。

はは・・・・・・・・・・・(笑????)

因みに回復スキルはMPなんか使わない。それと、よく分かんない事にMPが全回復してた。

∞になってた・・・・・・・・・・・・・・・・。魔王以上ってことでしょ?

まあ一家・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「ん・・・・・・・・?」

ようやく月橋が目を覚ましたようだ。

時間にして2分・・・・・・・・・・・・・・・・。長く感じたのは何故だろうか?答えは多分心の中に・・・。

とかじゃなくて普通に1分で多くの事やっちゃってるから感覚が狂ってるだけ・・・・・・。

「こ・・・ここは?」

月橋は医務室のベッドの上で言う。いや、運んだの俺だけど・・・・・・・・・・・・。

勝手に使っちゃってよかったかな?ま、先生の後で謝っておけばよし・・・・・・・・・・・。

「医務室。決闘して月橋さんが死にかけたところを服部君がた・・・う・・・」

さわやかイケメン君が口を滑らせそうだったので威圧で黙らせた。よく分かんないけど既にLv8になっていた。

威圧をかける相手を選べるほどに。なのでさわやかイケメン君に使ってみたけどよろよろとしてなんか

すごい重力がかかってる感じだった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

威圧怖っっっ。ま、いっか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「死に掛けた???」

月橋は自身のみに起こった意味不明の出来事に突っかかる。

当然だ。死に掛けてたなんて言われたら当然そうなる。何でこうも口を滑らすかな?

馬鹿なの?・・・いや違うな。月橋には俺が話しているとでも思ったんだろう。

でもおあいにく。俺は、さわやかイケメン君にしか話していない。

「じょ、冗談冗談・・・・・・・・・・・」

俺はそういって誤魔化す・・・・・・・・・・・・・・・。

どうやら月橋のほうは馬鹿なようだ。この程度でだまされた?様だ。だまされていると思おう。

「で、決闘の結果はどうなった。」

次から次に聞いてくる・・・・・・・・・・・・。だから人は駄目なんだよ。せっかちすぎる。

「まあ、そのことは今度でいいんじゃないか・・・・・・。俺にも非があったし」

俺はそう言う。さすがに死に掛けたばかりの人間におごってもらうほどやわじゃない。

「何?ハトが負けたんじゃないの?」

え?勝ってたと思ってたの?結構自信家なんだなこいつ・・・・・・・・・・。

「いやあ・・・・・・・・・・・・・・・・・。言いにくいことなんだけど立てるよな?

立てるんなら屋上に行こう・・・・・・・・・・・・・・・・・」

俺はそういって月橋を屋上に連れて行った。しょうがない。月橋にも話すしかなさそうである。

屋上に行くと”少し”跡のついた床と跡形も無く壊れた剣とむしろ何も無かったように存在している

剣があった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「な、何があったの?魔法?隕石でも落ちてきたの?」

隕石、というものもこっちにもあるそうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

全く、おかしいだろう。というか、隕石落ちてきたって程跡付いてない・・・・・・・よな?

目立ってないよな?ひび割れまくりだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・分かった。治せば良いんだ。俺は強酸を弱めにして手から出し床に投げた。

そして床を溶かしてからくっつける。溶接だ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「な、何やってんの?」

月橋は冷たい視線と共にその言葉を投げかける・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

だよな・・・・・・・・・。そもそも俺はお前を殺しかけたわけだし恨まれて当然。

いっその事真実言って嫌われてしまおう・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「1から説明する。まず、俺は異界からの・・・・・っていうのは聞いたよな。」

俺は、おふざけなしで真剣に俺は話し始める。月橋は俺の問いに静かに頷く。

「じゃあその次。俺は暴食と強欲のスキルを持っている。多分それをもったまま大草原で

モンスターをたくさん殺して肉を食ってたんだろうな・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そのせいで俺のステータスは異常になっている。ATとSDは3万越え、

他のステータスも軽く月橋や成宮の100倍はある。だから俺は、回避だけして剣だけさっさと弾こうとして

剣だけに優しく触れたんだけどそれがかなりの衝撃になったらしくて

月橋の使ってた剣は跡形も無くなって月橋は死にかけた。それは確実だ。

鑑定スキルでHPを見たからな。で、まあ俺が回復スキル使って完全回復させた。

というわけだ・・・・・・・・・・。すまん月橋。俺自体は不死身じゃないし防御力だけは0だ。

殺したかったら殺せ・・・・・・・・・・・・・。さすがにそれぐらいは、する。俺だって

この世界にいることの意義を見失ってたしな・・・・・・・・・・・。」

俺は覚悟を決めてそう言った。事実である。多分本当の剣でさせば少しすれば俺は死ぬはずだ。

防御力0だから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

実際、魔王を殺す、交渉する、というのもしなくなったのでやることもなくなって

死んでもいいと思う。多分あっちにも戻れないし・・・・・・・・・・・・。

「そっか・・・・・・・。じゃあ負けたんだ・・私、しょうがない。帰りに私の行きつけのカフェで

パフェおごってあげるよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

どうやら月橋は人の話を聞かない|性質(たち)らしい・・・・・・・・・・・。

「あのな・・・聞いてたか俺の話?俺はお前を殺しかけたんだぞ?」

俺は正直呆れながら言う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「え、聞いてたよ・・・・。殺しかけたとしても生きてるんだし助けてくれたんならいいじゃん。

あ、そうだ。何か成宮君の練習策は思いついた?」

・・・・・・人の話を聞かない、ではなく楽観的、もしくは優しい性格らしい。

変わっている・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「そうだな・・・・・・・・・・。力とスピードさえあればいけるはずだから、重りつけて実戦すれば

いいんじゃないか?後は俺に剣を当てる練習とか?」

俺は、いわゆる戦闘漫画みたいな練習方法を挙げる。しかしこれを実践する事になった。

「じゃあ、時間も時間だし明日からかな?」

月橋がそう言って来る。まあ、それが妥当だろう・・・・・・・・・・・・。

「ああそうだな。じゃあ、さわやかイケメン君にかけてる威圧を解除してくる・・・・?

あ、威圧かけちゃえば良いんだ。すごい重力かかってたぽいし」

俺は密かに特訓時に威圧をかけることを決意してさわやかイケメン君にあるからやることを知らせに言った。その日の帰り道・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は、月橋と一緒に下校することになった。目的はカフェに行くこと。あの学園はそういう帰りに何かを食べる、とかも

完全に許しちゃってる。魔王が面白そうだからという理由で許しちゃってるらしい。

それにしても気まずい。さっきから月橋は、そっぽを向いて何やらぶつぶつ言ってるし。

そのせいで静寂がまた訪れている。・・・こういう時は心の中で歌でも歌ってよう。

ふーーふーーふーん。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気まずい。

静寂は好きだけど誰かと入るときの静寂は静寂とは言わないのだ。静寂の寂は、寂しいって書くんだぞ?

寂しそうな一人のときじゃないと静寂とは言わないのである・・・・・・・・・・・。

「あ、こ、ここ・・・・・・・・・・・・・・・・」

気まずそうに月橋が立ち止まって俺に声をかける・・・・・・・・・・・・・。

俺は、何も言わず月橋に言われてカフェに入る。するとそこには俺の知っている人物がいた。

それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「ん?あ、氷馬さんじゃないですか?」

このしゃべり方で分かる人は少ないだろう。シガネである。シガネといえば俺をここに連れてきた

張本人である。そして自称イザナミである。

「お、シガネ?」

俺も一応挨拶する。すると月橋が俺の後ろに行く。隠れるかのように・・・・・・・・・・・・・。

あれだな、俺といられるのが見られるといじめられるんだろう。とんだ罰ゲームになってしまっているようだ。

「氷馬さんその方は?彼女さんですか?」

シガネは、そう尋ねて来る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「か、彼女!!!!!・・・・・・・・・・・・・・。」

俺が違うと答える前に月橋が変な声をだした・・・・・・・・・・・・・・・・。

「違う。同じ部活メイトってやつだ。そんなわけ無いだろう?」

俺はそう言う。月橋に助け舟を出さないで苛めるというのも面白いかも知れなかったな・・・・・・・。

すると、月橋は、おとなしくなった。とりあえず収まったようだ。

「部活?」

シガネが俺に疑問系で言ってくる。多分それは「あなたみたいな人がよく部活なんかに入れるね」みたいな

疑問系では無い。そう信じたい・・・・・・・・・・・・・・・・。

「ああ、告白部って言う。まあ、何でもやみたいな物だ・・・・・。」

俺が、そういうとシガネはニヤリと笑った・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「そうですか。じゃあ私もその部に入ってもいいですか?」

シガネはそういった。まあ、それだけならびっくりはしない。俺がいるわけだし魔王関連で

何か話したかったのかもしれないし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

でも、びっくりした。何にかというとシガネがそういった瞬間、月橋が大きな声で「えっ」といった事だ。

そのときは冷や汗だらだらで周りの人に謝った・・・・・・・・・・・・・・。

とは、言わない。なぜなら周りの人がいないからだ・・・・・・・・・・・・。

客が少ないようだ。助かった・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「駄目ですか?」

シガネは申し訳なさそうに言う。すると月橋は俺の後ろから離れるどころか俺を後ろに引っ張った。

話があるようだ。

「何だ?」

俺は、月橋に小声で言う。

「いや・・・・・・・・・・。だれ、あの人?どういう関係?同じクラスの人だよね?

何であだ名で呼べるような仲なの?」

月橋が怒ったように言う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

何で怒っているんだ?意味が分からん・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「え、シガネはあれだよ。こっちに連れてきてくれた人。名前長いからあだ名で呼んでるだけ」

俺は、月橋の怒りが怖かったのでさっさと本当のことを言った。

隠すことなんか無いし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「そうか。そうだよね・・・・アハハ」

月橋は作り笑顔を見せながら気まずそうにする。そしてシガネの元に向かう。

「シガネさん?えっと告白部への入部を許可します」

月橋は、部長らしくシガネに言う。言うところはしっかり言うんだな。

「ありがとうございます。皆さんのお役に立てるように善処いたします。」

シガネもさすがだな・・・・・・・・・・・。対応が大人だ・・・・・・・・・・・・・・・・。

「じゃあ、私はここで」

そういうとシガネは去って行った。すると、月橋は、カウンター席に座った。

俺も近くに座る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「好きなの食べて。お勧めはね、このメロンパンパフェ。メロンパンがちぎって入ってるんだよ。

スッゴイおいしくて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

月橋は、俺にメニューのお勧めを言う。元々輝いてるような目だったけど今回は更に輝いている・・・・・。

すごいな・・・・なんか・・・・・・・・・・・・・・。

「じゃあ、それで」

俺は、既に付いていけなかったためてきとうに答える。

「そうする?分かった。マスター、。メロンパンパフェ2つお願いします。」

月橋は、元気よく注文する。ただ、何か痛々しい感じがしたのは確かである。

無理して元気出している感じがあった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

気のせいだと思うが・・・・・・・・まあ多分気のせいだろう・・・・・・・・・。


しばらくしてパフェが来た。これが、思ったよりすごかった。

主に見た目が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

インパクトで言えば最強だろう・・・・・・・・・・・・・因みに恐る恐る食べたところ味も最強だったので

また来たいと思う店ナンバーワンだ。ツーは無いけど・・・・・・・・・・・・・・。

「おいしいでしょ?」

「ああ、まあおいしい」



そんな会話をした後その日はそのカフェで解散した。

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