ちっぽけな背中

俺が目覚めた。

そこはベンチであった。

えっと・・・・・・・・・。説明しとくか。

まず、俺はなんだかんだで無茶苦茶もてる幼馴染と

平和な日々を繰り返してきた。

いや・・・・・・。平和じゃないな。

世界救ったり色々したからな・・・・・・・・。

で、俺の名は|服部氷馬(はっとりひょうま)というんだが

多重人格で|炎鹿(えんか)という人格が元々いた人格だ。

それでまたこないだ|月鴉(つきからす)とか言うのができたらしい。

それと、運命の子『イザナギ』とやららしく

時空移動魔法を使える特別な奴らしい。

なんだけど、神が俺たちを消そうとしてなんだかんだで

やって攻撃してるらしくそれを俺以外の二人の人格が何とか止めてるらしい。

それで、何とかして人と関わりを持って人のすばらしさを伝えようって話だったんだけど

神はそんなんじゃ許してくれなくて色々やばくなって

自称魔女のマーガレットがそのことを探ろうとして消された。

でもって俺と幼馴染の|里中九十九(さとなかつくも)と|水羽勇人(みずばねゆうと)

(水羽が俺の言う幼馴染だ)と一緒に何だかんだでどうにかし様としてた所に

マーガレットが消されたという事実が入ってきてぐっちゃぐちゃになり

最終的に発見した俺がマーガレットが編み出した全ての元凶となる

事件を解決するべく+犯人としてつかまらないようにと言うことで

走って異界への入り口へ向かった。ってのが一つ。


んでもってもう一つ。その元凶についてだ。

俺は元凶となる事件、即ち|柊真白(ひいらぎましろ)が神に消されるという

事件から真白を守るべく奮闘しようとして

水羽に話したら旧知だったらしく会いに行って

そしたら、色々あって真白と呼ぶことになって

真白と付き合うことになって・・・・。という話なんだけどその辺は置いといて・・・・。

結局的に一度は失敗した。

でももう一度可能性にかけてやってみた結果

時空移動が出来て、それで真白を消そうとした人物を

止めようとした。

結果、その少女は神と契約したという。

その少女が自分の住む世界が危なく自分が救うためには力が必要で

しょうがなく消そうとしているとの事なのだ。

俺はさすがにそれはさせないと思いその少女の世界を救うから

契約を諦めろと説得。

何とか説得した挙句疲れきったので休みたいと俺が申し出て

別に急ぐ事もない。7年のうちにどうにかしてくれればいい。との事で

休みを取った。

で、睡眠をとったのがこのベンチなのだが

どうにも夢で聴いた言葉が頭によぎる。

が、気にしていてもしょうがない。


というわけで今からいこうとしているってのが現状だ

と、何だかんだあったわけだが俺とその少女は公園にいる。

沈黙が気まずい空気を作る。

そこで俺はふと疑問に思ったことを尋ねる事にした。

「なあ、お前なんていうんだ?名前」

いや、別になんか役に立つわけじゃないんだけどさ・・・・・。

でもまあ、その少女なんていってるのも面倒だし。

「わ、私か・・・・・・・。マスボラール・チャケルシガナスだ。」

その少女・・・・。じゃなくマスボラールはそういった。

長いな・・・・・・。まあ仕方がないよ。うん。

そもそも異界の人は名前長いしな。

「よし、じゃあシガネと呼ぼう」

俺は、半ば許可を取るために半ば独り言のように言った。

「勝手にしろ。・・・・じゃあ行くぞ。こっちだ」

シガネはそういって公園の中心に行った。

どうやら、ゲートからではなく魔法で行くところのようだ。

「じゃあ、魔法を発動する。魔法を使ってあっちに行ったら

多分、どこかの草むらにいることになると思う。

それは私にもどうする事もできない。あっちには連れて行くがそれからは

何も出来ない。とりあえずマスポロという町に来てくれ。」

シガネはそういうと魔法を詠唱した。

そして辺りが光り・・・・・・・・・・・・・。

俺はジャバースへ行った。

更に言うと俺が住んでいたこの町から俺は消えた・・・・・・・・・・。

それがしばらく続く悪夢を生み出す事なる事も

俺はずっとずっと先に知るのである・・・・・・・・・。


この町に俺は消えた・・・。

俺がいない町で頼れるのは水羽だけだ。

しかし俺は水羽に頼るかどうかの葛藤をたっくさんしたんだ。

そして編み出した結果ならしょうがない。




というわけで、ジャバースに着いたと思うのだが・・・・・。

なんだか体中が糸に包まれているようだ。

炎鹿が出てくるときみたいな・・・・・・・・。

そして声が聞こえる・・・・・・。

「あなたの種族が決定しました。あなたはこの世界ジャバースで

サバルドという人型種族として生きることとなります。」

そんな声が頭に響く。

サバルド?種族?ほとんどが意味不明だ・・・・・・・。

ただ思うことが一つだけ。人じゃないものになる可能性もあったということ。

それにならなかった事で幾分か動きやすくなったので良かったと思う。




そして視界が暗転した・・・・・・・。

きっとしばらくしたんだろう。

少しして俺の目は開いた。

「ん・・・・・・・。」

俺は小さくうなる。ここは・・・・・・?


シガネの言う話だと草むららしい。

というか草むらだって事は見たら分かる。

どこの草むらなのかが分からん。

かと言ってさすがにもう時間移動魔法で聞きに行く事もできないし

きっと別世界にもいけない。

シガネのような特別な魔法がなければ。


と言う事で俺は伸びをしながらあたりを見回す。

困ったな・・・・・・・・・。

地図もないし・・・・・・。人もいなさそうだし・・・・・。

それに魔王がいるってことは多分モンスターも居るだろうし・・・・・・。

せめて武器さえあればな・・・・・・。

そうだ、こう見えて俺色んな世界でやってっててきとうなもので

武器を作れるようになったんだ・・・・・・・。


とりあえずそこにある木を止めてっと・・・・・・・・・。

とりあえずは簡易木刀を作った。

とはいえこれじゃモンスターは殺せないからここを出るまでにドンドングレードアップしないと・・・・。

そう思っているとさっきの声が頭に響く。

「工作スキルLV1を獲得しました。」

そう無機質に言われる。その一言で何となく分かったが

逆に混乱がいっぱいだった。

スキル?今までに行った世界でスキルなんてあったかな?

いや無かった。つまりこの世界は他の世界とはほとんどが違う?


そうするとスキルの習得方法が分からないと大変だな。

木刀をふれるから無くても戦えるだろけど・・・・・・・。



そんな不安を残しながら俺はジャバースに到着した。



とりあえず、この森から脱出せねばならない。

・・・・・・・・・。ただ周りを見ても建物らしきものはない。

草や木ばっかりだ。


やばくね?・・・・・・・・・・・・。

7年で脱出できるか?

いや7年じゃない。出来れば1年で出たいのだ。

何せ魔王を説得しなきゃならない。

とはいえ急いで走っても確実に迷う。

それに魔法がありはする世界だ。

モンスターがいてもおかしくない。

運よく俺たちの世界みたいなトコだといいんだが。



「かさかさ」

近くでそんな音がする。

そりゃ草原なのだから何かが近づいていれば音はなる。

当然だろ・・・・・・・・・???????


ちょっと待て。何かが近づくってやばくね?

今までで最大のピンチじゃない?

モンスター?人?

人だといいんだが一応木刀を構える。


・・・・・・・・・・・・・・・。

静寂が辺りを包む。

(ごくり)

息を呑む。しっかりと木刀を構えて

意識を集中させる・・・・・・・・・。

「キゥ」

そんなか細い声で鳴いたのはウサギだった。

ウサギは草陰から姿を出す。

・・・・・・・・・・・・。

とりあえず、普通のウサギだよな?

まあ、色は黄色だけど・・・・・・・・・・・。

「キゥ」

またウサギは鳴いた。でもその泣き声は

さっきとは違う。

狩をする者の雄たけびだった。

確実にやばい。こいつよくいる

レアモンスターだ。

攻撃やら何やらのステがずば抜けて高いあれだ。


俺は向かってきたウサギを思いっきり

木刀で叩き潰す。

「キゥゥゥ」

今度はか細い声でウサギは鳴く。

しかしまだ立っている。それどころかこちらを睨みつけている。

そして・・・・・・・・・・・・。

「キキゥ」

ウサギはこの世のものとは思えない声で鳴いた。

そして・・・・・・・・・。

(ズッドン)その音と共に俺は10メートルほどとんだ。

正確には吹き飛ばされた。

「・・・・・・・・・・・・。」

やばい。こいつやばい。

攻撃が強すぎる。軽くあばら骨を数本やられてる。

いや背骨も逝ってる。

確実に戦えない。

「キキゥ」

再びウサギは鳴いた。

そして俺が倒れてるのをいいことに馬乗りになって殴ろうとしてきた。

なんて器用なやつだ・・・・・・・・・。

殴るとか違反だろ。

そんな不満があふれるがここは異世界だ。

しかも初めてきた。

何があるかなんかわかんないししかもここは

生存競争の真盛りの草原だ。

不満なんか聞かない。


ならば・・・・・・・・・。

俺はやっとの思いで木刀を持ちウサギの頭を殴る。

・・・・・・・。確かこの手のやつは防御が弱いはずだ。

「ぅぅぅぅ・・・・」

ウサギはふらついて、やがて倒れた。

「ふぅう」

俺は一息つく。

がやはり痛みは残っているのだ。


ウサギは倒れた。

それはいいのだが、さすがにゲームみたいにはじけたりはしないようで

ゲームっぽいがゲームじゃないのだと実感する。

・・・・・・・・・さて。

と言う事で俺の目の前にはウサギの死体が転がっている。



・・・・・・・・・・どうするか?

それが悩みどころだ。

・・・・・・・・・・何を悩んでるかって?

だから、死体をどうするかだよ。


・・・・・・・・・・・・・。ああ、どうするかって言うのは

色々解剖してみるかって事。


まあ、考えるわけなのだけれど俺の出す答えは

「NO」だった。

理由はいくつもある。


1つめ。

・その技術が俺にはない。

→だってそうだろ?普通解剖の技術なんか持ってないって。

異界に言っているんだから十分普通じゃない?

いやいや冗談きついって。

どこで学ぶのさ解剖技術なんて。

そもそも異界言ってもそんなに殺してないし。

基本決闘とかだし。死ぬ間際で止めてるし。

マジの死体をこうまじまじと見る機会はないでしょ?


2つ目。

・体中が痛くそれどころじゃない

→いやこれ大きいよね。

だってさ、あバラやっちゃってるんだよ。

マジ痛いって。

そもそも異界言ってるから魔法は使えなくもないけど

防御とかはちょっと受身取れるぐらいだし。


3つ目

・危ない

→何が危ないってここ草原だよ。

モンスターいっぱいのトコだよきっと。

ないでしょ。マジありえない。

こんなトコで解剖するのに何時間かかるよ。

そんな事してちゃやられちゃうよね。


さてさて、じゃあどうするか?

俺は考える。

さすがにこのまま長い間放置すると

別のモンスターを呼びかねない。


・・・・・・・・・・。別のモンスター?

よく考えるとそれで呼び寄せておけば

他の誰かこの世界の住民が

来てくれたりしないかな?

いや・・・・。その前に死ぬな・・・・・・・・。

だとすれば何らかの方法をとるべきだ。

解剖は無理なのでそれ以外で。



まず何だけどこいつ考えてみるときっとレアモンスターなんだ。

だとするとだよ。毛皮とか剥いどいた方がいいんじゃないか?


いや、別に鬼畜とかじゃなくて。

まじで。高く売れるかもだし、それに暖かそうだから

寒さを凌げるかもしれない。


寒さ?よく考えたら今は冬なのだろうか?

この気温で春、秋ならいいが夏や冬だときつい。

なんたって今が程よい気温だ。

つまり夏や冬はそれが一年で寒い日や暑い日なのだ。

夏だったら冬、冬だったら夏との気温差が

かなりあることを想定としても

どちらかに偏っている事になってしまう。

それは適応するのが大変そうだ。



・・・・・・・。そんなことよりこれどうしよ?

急がないと・・・・・・。



「ん・・・・・・。」

俺はうなる。

ここは?確かさっき木刀作って・・・。



俺は戸惑う。が、ここがどこかすぐ分かった。

意識の中だ。炎鹿の。

つまり俺は中に戻った。

でも、多分炎鹿も月鴉も中にいる。

なぜかというとここにいると感じるのだ。

新しい人格が外にいると。

要するにこっちに来て生まれた人格だろう。



とはいえ名前ないのは不便だ。

・・・・・・。よし、『蛇芭』とでも名づけよう。

こっちでの人格だ。


・・・・・・・・・・・。

さて、それで、だが俺と蛇芭はジャバスでの活動を

目標としていこうと思うのだが

やはり4人の中で連携をとって行きたい。

なにか良いスキルはないものか?


さっき工作をゲットしたし多分この世界は大抵スキルで出来てるんだと思う。

だとするとスキルがものをいいそうだな。


と、思ってると声が聞こえた。

『多重人格連携スキルを入手しました』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

多重人格連携スキル?

ちょうど今ほしかったやつだ。

使い方は・・・・・・・・・・・・・・。

分からない。でも念じれば使えるんじゃないか?


俺はてきとうに念じる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、この死体をどうしようか?

俺は考えてるんだが考える時間もない。

でも良く分かんない声が頭に響く

『おい、聞こえるか』

ん?????何々?

この声、もしかして肉体担当のもう一人の

氷馬とか言う人格?

でもなんで?

『スキルとっていまお前と連携取れるようになった。

今後はお前と協力して行こうと思う。

というわけで体のほうはよろしく。

俺はこっちで何かわかるか探ってみる』

との事だ。

了解。

どうやらこのスキルどっちかが切らない間は思ったことは

全て相手に伝わるようだ。


んじゃ、スキルとか調べといてよ。

『いや、それが調べるにも出来ないんだよね。

何かそれらしきものない?』

それらしきものって言っても・・・・・・・・・・・。

『そうだ、俺が工作したら工作スキル覚えたし

何か見てれば鑑定とかその辺のスキルゲットできるんじゃね?』

なるほど、頭いいな。

じゃあ、このウサギの死体を・・・・・・・・・・・。

「ジーーー」

そんな音がするぐらい観察する。

すると・・・・・・・・・・。

『鑑定スキルlv1を獲得しました』

その声が聞こえる。

その声って言うのも不便だな・・・・・・・・・・・。

ナレーターさんでいいか。

『Lvとかあるって事は多分効果は期待できないな』

うんそうだな。でもまあやってみよう。

『おう、じゃあやってみる。よっと』

・・・・・・・・・・・・。

どうどう?出来た?

『おお・・・・・・・・。案外見れる。

スキルと、名前とHPとMP多分マジックポイントと

あと・・・・・・・。あと、SPってのがある。』

SP?何それ。

『ちょっと待ってな・・・・・・・・・。

駄目だ分かんない。そうだ走ってみてよ。』

何で?

『走って減ったらスタミナだろ。

そうじゃなきゃきっとスキルポイント』

そっか、頭良いな。

『あ、違う。スキルポイントは別にあるわ。

てことはスタミナだな』

て、おい。危なく走り出すとこだった。

気をつけてくれよ。

『あ、でも減りと回復を見たいから走って。

少しでいいから』

マジで?まあいいや。



・・・・・・・・・・・。

はあ、はあ。

『ふむふむ』

どうだった?

『消費が遅くてそれよりも回復してない。

て、言うかよく見ると緑色とオレンジ色のバーになってる。

緑のほうは走って減ったけど

オレンジのほうは・・・・・・・。』

何?分かんない?

ギュルル・・・・・・。

ああ、お腹減ったな・・・・・・・・・・・・・・・。

『・・・・・・・・・・。ちょっと今減ったオレンジのほう』

今?なんかあったっけ?

・・・・・・・・・・・。もしかして・・・・・

空腹が原因?

・・・・・・・・・。

そうだよね。絶対。

『うん。てことは満腹ゲージ的なやつか』

だろうね。

・・・・・・・・・。


このウサギ食べちゃおっか?

『いや、さすがに・・・・・・・・。』

でもさ、やばくない?餓え死にするでしょ。

『うん・・・・・・。』

ていうかさ、一時的にでも人から別の

モンスターになれないの?

『並列進化システムにより

同レベルのウサギ『ミニマムハステラビット』

同レベルの狼『ミニマムレッサーウルフ』

に並列進化できます。

ミニマムレッサーウルフはあなたと波長がぴったり一致する為

通常並列進化は転生と同じ為危険ですが

安全に並列進化できます』

ナレーターさんが言ってる。

狼か、いいね。

強そうだし。それに進化があるって事は

多分人に戻れるし。

『ん・・・・・。まあいいんじゃないか?』

というわけで、ナレーターさん。

ミニマムレッサーウルフで。

『了解しました』

ナレーターさんの声と共に視界が真っ暗になる。


ん・・・・・・。

ここは、さっきのところか・・・・。

多分気を失ってたらしい。

てことは、狼になったのか?

とりあえず鑑定よろしく

『おう・・・・・・。うん。

種族ミニマムレッサーウルフになってるよ。

名前は・・・・・。ないね。

あれ?スキルが増えてる。工作と鑑定のLv1のほかに

狼牙Lv1があるよ。

きっと固有スキルだろうね』

ああ、そうだね。まあ多分木刀も持てなさそうだし

攻撃手段が増えてラッキーだ。

一応もう一回並列進化できるか見よう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

はい、出来ませんでした。

だよな、どっかでそんな気がしてたんだよ。

『やばくね』

まあ何とかなるでしょ。

『そっか』

うん。というわけでウサギを食おう。

満腹ゲージがやばいんじゃないか?

『ホントだ。しょうがないね』


というわけで俺の中の食う?食わない?

論争は食うということで終止符を打った。


いや、正直旨かった。

もうね、狼の本能だな。

『ねえ、やばい。人間時よりHPとかの限界値が

減ってる。やばい。』

うん、やばいな。

感覚的に攻撃あがってないし。

・・・・・・・・。

とりあえず、安全第一にして罠とかで狩りながらこの世界の事を

知っていって安全マージンをとったほうがいいかも。

『だな。というわけで俺が情報系やるから

体よろしく』

おう任せろ。


てな事で俺はとりあえずその辺の草やらで

即席のホームを作った。

で、思ったんだが俺は、

どうやら、普通の俺が知ってる狼の子供より2、3回り

小さいっぽい。


ああ・・・・・・・。ミスったな。

まあしょうがない。

とりあえず木で罠を作って

寝よう。

疲れた。どうやら並列進化には

体力を使うらしい。


そういえば、並列って事は

普通の進化もあるんだろうか?

ということはやっぱりLvとかもあるんだろうか?

やばい、ちょっと楽しみかもしれない。


あ・・・・・・・・・・。

腹減った。

・・・・・・・・・・・・・・・。


??今何をしてるかって?


俺は今、情報担当の氷馬の指示の元

この世界のことをいろいろと実験してる。

基本スキルの実証だ。

そして、さっきからやってるのが

工作作業。草木をまとめて防寒用具を作ったり

巣を作ったりしている。


・・・・・・・・・・・・・。

俺としては人としての記憶があんまりないので

狼として生まれた、みたいに感じる。

まあ、それは俺が選択した事だが・・・・・。


ただ・・・・・・・・・・・・。

狼が弱いのかこのミニマムレッサーウルフが弱いのか知らんけど

マジで弱い。つめ使ったって草すら少ししか切れないし・・・・・。

狼牙って言うスキルゲットしたし

多分牙のほうがいいからやってみろって指示でやったけど

ほとんど変わらない・・・・・・・・・・。

欠点だらけだ。

ただ、氷馬のいう話だともしかしたら

爪を使っていけばスキルが手に入るかもとの事なので

爪で切って工作してる・・・・・・・。



ねえ?良いの?狼って言ったら戦闘でしょ?

群れでしょ?

こんな地味に工作してちゃ駄目でしょ?


・・・・・・・・・・・・・・・・。

いや、やめよう。

死ぬかもしれないんだ。それは嫌だ。


・・・・・・・・・・・・・。

それから結構経った。

この世界の詳しい時刻は分からないし

そもそも詳しい時刻が知れた時俺は生まれてない。

だから、予想もつかない。

でも結構やってた感覚がある。

まあ、これも感覚だけど。

だんだん慣れてきて草を刈るのも楽になった。


何か、何となく草の弱いところが分かった気がする。

と言う事で、それを実践してみよう。

力の入れ方とかで少し楽になるのは分かったけど

実際に草に弱いところがあるか分からない。


よっと・・・・・・・・・。

勿論声には出ない。だって狼だし。

サクッ・・・・・・・・・・・・・・・・。

『弱点察知Lv1を獲得しました』

ん?ナレーターさんの声だ。

スキル?弱点察知とかいいな。

うん、これ採用。

おーい。氷馬。ちょっと見てみてよ。

『あ、ごめん、炎鹿たちと色々やることが出来た。

体は一人で頼める?

鑑定は念じればオンオフできるから。

跡は手探りで』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


え?え?え、え?

何、完全人任せ?

ちょっと・・・・・・・・・・・・。

何よやることって。

同じ体の中に生きててもそんなに分裂しなきゃなの?


いや、もしかして俺だけ取り残された?

えーどうしよ。一人立ちか・・・・・・・・・。

えー。えー。人任せ良くないな・・・。



待てよ。てことはこの体は俺に預けられた?

ならば、俺の判断しか適応されないの?

これいいかも。便利だし。

俺の時代来たー的な?

よし、来たぜ。

実はやりたいことあったんだよね。

いや、その前に鑑定だな。

見てみよう。


鑑定をしろって念じて・・・・・・・。

もうとりあえず、オンのままでいいや。

さて、自分の足でも見ればいいかな?

じゃあやってみよう。



「ミニマムレッサーウルフLv1


HP10/10

MP5/5

SFP100/30  

SMP100/100

スキル

鑑定Lv1

狼牙Lv1

工作Lv1

多重人格連携                     」


これがステータスらしい。

多重人格連携だけLvがない。

何故?


・・・・・・・・・。

ああ、もうカンストしてるって事?

いや、元々Lvがないスキルもあるんだな。

参考にしよう。

一匹狼って俺の事じゃね?

うんうん。一匹だし・・・・・・・・・・・・。


じゃない。そんなことどうでもいい。

重要なのは生きることだ。

お腹が減った・・・・・・・・・・・。

さっき見たステータスにSMPとSFPがあったし

明らかにSFPが減ってたから

スタミナフードポイントとスタミナポイントなのだろう。

スタミナ、がいるかどうかは別として。

てことは、100中70も減ってんのは、やばいと思う。

餓死する勢いだと思う。


ったく、氷馬が過重労働させるから。

さて・・・・・・・・・。

食料は、どうすれば?

狩り?そんなのしたことないよ。

やばいな。けどしょうがない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


駄目だ・・・・。

お腹が減って狩りに何かいけない。

「ガサガサ」

ん?この音は何?

・・・・・・・・・・・・。

ああ、さっき言われて設置した罠だ。

何だどうでもいい。

罠なんて・・・・・・・・・・・・・・・。

ちっがう。罠から音がするって

かかったって事じゃん。

どうでも良くないじゃん。


俺は、急ぎめに罠に向かう。

そこには簡易罠にかかっている蛇がいた。


蛇・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

しかも俺よりも大きい。

2倍はある。やばい・・・・・・・。

一応鑑定しよう。

「マスネークLv5

HP100/100

MP100/100

SFP400/400

SMP600/600

スキル

蛇毒Lv3

蛇牙Lv3               」

Lv5・・・・・・・・・・・・・。

レベルアップがあることは分かったが

それ以上に今は死の危険性が大きい。

大きすぎておかしくなるほどに・・・・・・・・・。

正直言おう、勝てない。

罠にはかかってるけど罠は動けなくするだけだし

木じゃ少ししたら壊れてしまう。

しかも蛇は毒をちらほら吐いて威嚇してきている。


やっばいな・・・・・・・・・・・・・。

でも、これ逃がしたら餓死するな・・・・・・・・。

餓死って苦しいだろうな。

それぐらいなら戦って死んだほうがいい。



「グルウウ」

一応威嚇する。まあ意味はない。

走って、蛇の元に行く。

が、蛇の吐く蛇毒をよけるのに精一杯で

近づけない。

・・・・・・・・・。

手強い。手強いが、俺は一応人間だ。

人間の知能ならいける・・・・と信じたい。

と言う事で一回退散・・・・・・・。


いやあ、あんなの危なくて勝てないって。

勝てっこない。人の知能とか関係ない。

と言う事で武器を作ろう。


その辺に落ちてる木を使って槍を作ろう。

ここからでも殺せるぐらい長い。

弱点察知とやらで少しは木を切れるだろうから

加工も可能だ・・・・・・・・・・・・。

食料の為だけじゃない。

ここで退くのはありえない。


あ、退くって言っても今やってんのは違うよ。

違う。ほんとに。

これは、あれだから。あれ。

作戦会議ってやつ。

一人だから違うか・・・・・・・・・。

休憩?うんそれ。休憩だから。


と言う事で落ちてる木を一箇所に集めようと思う。

が、これはこれでぶっちゃけ命がけ。

まず、蛇から離れた所で拾いたいんだけど

それをするのも結構危ない。

あの蛇ったら容赦ないしにもう打ちまくってるからね

蛇毒を。HP10だし死ぬと思う。

かする程度じゃなければ。


と言う事で全力で走って逃げる。

「シャー」

蛇が威嚇して更に蛇毒を撃ってくる。

・・・・・・・・・・・・・。

まず一発目、回避。

二発目、ぎりぎり回避。

何だろう?体感的には人のときよりスピードが早い気がする。

体が小さいからだと思う。

3発目・・・・・・・・・・・。

やばい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

尻尾にかすってHPが残り1になってる。

運よく体に毒は回ってないけど

次当たったら死ぬ。

『毒耐性スキルLv1を獲得しました』

ナレーターさんの声。でも聞いてる余裕無し。


とりあえずそれ以降は当たらずに避難完了。

避難完了したのは良いんだけど

やばい。無茶苦茶痛い。

苦痛すぎる。こんなのもう味わいたくない。

てか、蛇の毒だけで死に掛けるってどんだけ

弱いんだし。

狼だよ、狼。

一匹狼とかさ、狩りとかさ何かかっこいい感じじゃん。

こんな貧弱なはずないでしょ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

もしかして俺のせい?

操作する俺のせいなのか?

いや違うな。別に自分に自身があるわけじゃないけど

それはないと思う。

何かこう本能でしっかり動けそうだ。


て、言う事は、この種族即ち近くの

ミニマムレッサーウルフが弱いんだと思う。

まあLvもあるけど・・・・・・・・・・・・・。

だって、ミニマムだよ。絶対子供でしょ?

それにレッサーも確か劣った的な意味だったと思う。

それって駄目じゃない?

折角強くなると思って狼になったのに・・・・・・・・。


まあ、嘆いてもしょうがない。

今は、木を集めなければ。

と言う事で、戦線を離脱し木を集める。


とはいえ、ほとんど木なんかなくしょうがないので

石やらこないだ作った木刀やら

草原の中の木とかを刈ったりする。

石とかは多分まだ加工できないと思うが

やってみる価値があると思う。


まあ、足りないので今は一番

若そうな木を切っている。

さすがに牙でやる勇気はないので

爪でがりがり・・・・・・・・・・・・・・。

しょぼいな、我ながら。

弱点察知もLv1だと何か、

何度も見たことのあるもの以外は使えないらしい。


因みに鑑定は常にオンにしているが

この木の鑑定結果は

「木」

だけで、HPとかは、表示されない。

草やらもそうだ・・・・・・・・・・。

不公平だと思うが今言ってもしょうがない。

「グルウウ」

何故か本能的に威嚇行動をとる。

そして勢いよく爪で攻撃する・・・・・・・・。

『狼爪スキルLv1を獲得しました。』

ナレーターさんの声だ。

狼爪?まあ、効果としては分かるから

鑑定は後だ。


木を切ってはいるのだがやはり反応は鈍い。

とはいえ、スキル獲得で少しは補正されているのか

少しずつ切れている。


何か、さっきから木のくずとかがかかってちくちくする。

これだけでもダメージが入りそうだ。

『毛皮スキルLv1を獲得しました』

毛皮スキル?もしや防御をあげてくれるのか?

感謝感激だな。

てか、ホントにダメージはいりそうだったのか。

まあ、この辺が狼の武器だろうな。


それからもずっと切り続けている。

まあ、実際そこまでの時間じゃなくて

あせってるから長く感じるだけなのだ。

だとはいえ、蛇が逃げかねないから

急がなくてはならない。

『狼爪スキルがLv2になりました』

ナレーターさんの声が聞こえる。

よし、あと少し・・・・・・・・・・。

「バターン」

木の倒れる音が響く。



さて、ここからが、戦いだ。

急いで木を加工してなっがい槍を作る。


まず狼爪スキルを活用しながら

ドンドンきる。

更に持ち手を作る。ここで大切なのが

狼に使えるようにする事。

難易度は高いが出来なくはない。さて、どうやって持ち易くするかと言うのが問題だ。

まず普通に人がもてるように作った場合

もしかしたら今後手が器用になってもてるかもしれないが

今はまず持てない。

それは分かりきっている・・・・・・・・・・・・・・。


問題はその次、じゃあどうやって作るか、にある。

それについては答えが出ない。

というか今まで人、というかそもそも

さっき生まれたような人格に考えさせるのが野暮ってもんだ。

無理ゲー確定だと思う。


でも逆に言えば狼でいた時間のほうが長い故に

他の3人よりも狼に適合しているというのはある。

ということで俺は考えて編み出す。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


いや、ないな。詰んだな。

蛇に勝てないでしょ。木なんかで。

まあ、相手罠にかかってるけどさ。

でも、毒強すぎる。どうしたって木が溶けるなり折れるなりする。

確かあれでLv3。有り得ないだろ?

いや、もしかしたらレベルが上がれば攻撃もあがるのかも。

もしそうならこの爪で殺れるかも。

とりあえず、Lv3にしよう。

・・・・・・・・・・。じゃないね。

毒から守らないと意味無い。


守る?今ふと頭に浮かんだけど守るのもありか。

回避ばっか考えてたからな。

うーん?危ないけどやってみるべきか。

毒耐性もついてるし。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


だめ、ない。有り得ない。

よく考えたらかすっただけで瀕死状態だよ?

鎧風のものを作ったら動きとりずらいし

もろに当たるのがオチ。

・・・・・・・・・・・・・ああ、やっぱ詰んでる。

負けたわ。うん、勝てっこない。

罠にかけたのこっちなのに・・・・・・・・・・・・。

ていうか、ここで諦めてもしょうがなくない?

どうせ死ぬし。


危ない危ない。もう負けるの覚悟だったんだ。

負け覚悟で餓死は嫌だから戦ってるんだった。

目的を忘れるのは良くないね?

でも、どうせやるなら勝ちたいな・・・・・・・・。


いっその事さ銃みたいの作ってみたらどう?

どうやら、あっちの世界の基本的な記憶は

断片として残ってるらしく見たことないのに

思いつく。

まあそれ位しないと俺即死だしね。

それでなんだけど、銃みたいのにしよっか?

いや、銃って言うより砲台的な?

石が弾で。気絶さえさせられればな・・・・・・・・。


あれ?いけるんじゃないこの作戦。

うんいけるな。今度こそ問題なし。

じゃあ、狼爪スキルのレベルアップも目指しながら

木を切って砲台を作りますか。


始めは難しい、そう思っていた。

細かいし、狼には無理かもと。だって色々頭使うし。

でも何故か、すばやく出来た。というかすばやく作れている。

今も作っているからな・・・・・・・・。

どうやらこの種族は罠を作ったり武器を作ったりするのに

向いているっぽい。

『工作スキルがLv2になりました』

お、ナレーターさんの声だ。

工作スキルのレベルがアップって何に役立つんだろ?

作れるものが増えるとか?

てな事を思っていたんだけどすぐにその考えは裏返った。


理由?簡単な話だ。今までも本能的に出来ていたが今度は

頭の中にみるみる設計図が現れているのだ。

もう、作りやすいのなんのって・・・・・・・・・・。

まあ、そんなこんなで今は砲台、

て言うのはネーミングセンスがないので

名付けて「ウルフランチャー」を作っている。

木を切っては表面をきれいにする作業だ。


ただ一つ問題があるとするならば俺にものをつける糊的な物が

ないことだが、まあ、なくても作れるのでいい。

あれば携帯型とかも作れるんだが・・・・・・。

まあ、そんなこんなで今は弱点察知フル活動で

木を切っている・・・・・・・・・・・・・・・。

『弱点察知スキルがLv2になりました』

ナレーターさんの声だ。

多分だけど弱点に与える威力が増加とか

弱点がより鮮明に見えるとかの効果だろう。

というか、多分前者だ。

なぜなら今やっていてもさっきと同じ様にしか見えず

逆にさっきと同じ力の入れ具合なのに

若干切れやすいからだ。

さて、そんなこんなで既に戦闘開始から1時間がたっている。


やばい・・・・・・・・・・・・。

て思いながらもついにウルフランチャーが

完成した。

今度、携帯版も作りたいが今はいい。

と言う事で移動できるぎりぎりに移動し

位置を固定、そしてウルフランチャーから石、いや弾を

打ち放つ・・・・・・・・・・。


見かけは地味だがこの辺の石は硬くて

実は当たるとすごい痛い。

さっき探してるときにこけて当たったときはマジ痛かった。

HPはギリ減らなかったけど・・・・・・・・・・。


「キシャー」

蛇に石じゃなくて弾がヒットし蛇が鳴く。

よし、思惑通り気絶したが念のため跡、1、2発打つ。

念には念を、だ。

そして近づいて蛇の体を爪で切る。


さあ、今度は、こっちの番だ。いざこっちの番となると緊張する・・・・・。


なんてことはなくてもうバリバリ殺る気満々だった。

さっきまでに仕返ししてやろうかといわんばかりの・・・・・。

これは、俺の性格なのか狼の本能なのか?

後者ならこんなときだけ役に立つなよと思うけど

前者ならそれはそれで嫌だ。


・・・・・・・・・。ああ、早く殺んないとね。

起きる前に・・・・・・・・・・・・・・・。

と言う事で狼爪で引っかく。

いや、ホントに思ったんだけど何かうろこみたいなのがあって

引っかいたぐらいの傷しか出来ない。

これやばいかも・・・・・・・・・・・・・・・。

と言う事で狼牙でもやってみる・・・・・・。

ガリッ・・・・・・・・・・・。

あんまり爪と変わんないな・・・・・。

いや爪のほうがダメージ大きいな。

・・・・鑑定してみよう。というか鑑定は常にオンだから

蛇を見れば発動されるけど・・・・・・・。

「マスネークLv5

HP100/50

MP100/100

SFP400/100

SMP600/400

スキル

蛇毒Lv3

蛇牙Lv3                  」

お、減ってる減ってる・・・・・・・。

てか、腹ペコゲージが何でこんなに減ってるんだ?

始めはマックスだったのに・・・・・・・・・・・・・。

もしかして蛇毒?

スタミナのほうは暴れてるから分かる・・・・。

時間経過でここまで減りはしないと思う。

ということはやっぱり蛇毒?

体内エネルギーを使うとか良くあるパターンだしな。

それにしても100中50減ったのはうれしい。

と言う事で切り続ける。

『狼爪スキルがLv3になりました。』

お、レベルアップか。ありがたい。まあ、今はとまってられない。

既に左前足も稼働中だ。

これ、手を動かすのと感覚が違うんだけど

何となくコツをつかめた気がする。

波長が合ってただけあるのかな?

ということもあり2分間ぐらいきり続けて

蛇はぶっ倒れた・・・・・・・・・。

いや、元々気絶してるから倒れてるけど

そういうことじゃなくて生命反応がなくなったって事。

つまり、勝ったって事。

やばい。すごくない?罠にかけて色々ずるい手使ったとはいえ

Lv1がLv5に勝ったんだよ。

もしかしたらLvが上でもこういう戦い方すれば勝てるかも。

そのためにもウルフランチャーの携帯版を作んなきゃだな。

『ミニマムレッサーウルフがLv1からLv2になりました』

ナレーターさんの声。

何?レベルアップ?

やっぱあったんだ。でも格上を倒して

あがるのが1だけとか悲しいかも。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

いやしょうがないでしょ。

てか、アップしただけマシ。一歩どころか

結構前進でしょ?

『レベルアップのため各ステータスに

ポイントが加算されソウルポイントを入手しました』

ソウルポイント?何それ。でも今あるやつから考えると

消去法でなにか分かる。

定番のHP、MP、SPがあるんだから後は

・・・・・・・・・そうスキルポイント的な?

多分そうだと思う。

「ギュール」

お腹が鳴る。やばい腹減りすぎて

きついかも・・・・・・・・・。

うむむ・・・・・・・。この蛇を食べるか。

そのために仕留めたんだし。

食べた。蛇を食べた・・・・・・・・・・・。

狼が・・・・。あれ?狼って肉食だったと思ったけどな。

蛇の肉だから?すっごい肉っぽくなかったんだけど・・・・・・・・。

まあ、それでも食べるしかない。なんせ

餓死はしたくないから・・・・・・。

もう、サバイバルだよね。ホントあとの奴らどうしたんだろ。

まあいっか。不味いけどおなかが減っててもそれでも不味く感じるけど

それでも食べるしかない。選択肢がない。

あるとすれば死ぬか食うか。それは食うでしょ。

我慢我慢。でも何でこんなに不味いんだろ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

ああ、蛇の毒か。そりゃそうだ。・・・・・?

あれ、やばいくない?死ぬんじゃない?

いやあまさかな。耐性あるし。

それに蛇の毒は傷とかあって体内に入らなきゃいいらしいし・・・。

うろ覚えだけど。ていうか何でそんなこと知ってるのか謎。

本来人格ごとの記憶はないはずなんだけどな。

多重人格連携スキルのおかげかな。


とりあえず満腹ゲージはフル回復した。それでも蛇は残っている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

もう食べるのやめよう。わざわざ食べるほど好きじゃない。

むしろ嫌いなんだし・・・・・・・・・・・・・・。

じゃあ、ソウルポイントの検証でもするか。

前までは氷馬がいわれたようにやってる検証に意味を見出せなかったけど

今回戦って検証に重要さがわかった。今もってるスキルはあらかた分かるから後回しにして

先にソウルポイントだ。いくつ貯まったのか。

そして何に使うのか、どのように使うのか。

分からないと痛い。

てな訳で鑑定で自分を見る。

「ミニマムレッサーウルフLv2


HP12/12

MP6/6

SFP110/110  

SMP110/110

スキル

鑑定Lv1

狼牙Lv1

工作Lv2

多重人格連携  

毒耐性Lv1

狼爪Lv3

毛皮Lv1   

弱点察知Lv2           」

お、レベルが上がるとHPも回復するのか。

多分食事で回復するのは満腹ゲージだけだろうし。

食事するごとに上がるなら食事の効果が

大きすぎるからな・・・・。

何々・・・・。とりあえずスキルは思ってたとおりだな。

で、ソウルポイントは・・・・・・・・・・・・・・?

どこに書いてあるんだ?

分からない・・・・・・・・・・・・。


そんなことを考えていると鑑定で出現した画面が切り替わる。

切り替わった画面はスキルの詳細の画面だった。

「所持ソウルポイント100」

画面とはいえその文字が出てるだけだ。鑑定にもレベルあったし

もしかしたらレベルが上がればもっと見れるのかもしれない。

多分スキルポイント的なのだろう・・・・・。

ただ、取得できるスキルが記載されないのは惜しい。

と、思っていたが・・・・・・・・・。

「暴食スキルがソウルポイント100で習得可能です。」

との声が聞こえた。ナレーターさんだ。

え、それだけ?・・・・・・・・。説明とかは?

ないの?ないんだ?使えね・・・・・・・。

・・・・・でもあれだよねこれ使っちゃったほうがいいよね。

変にためてても分かんないし。

と言う事で習得します。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「暴食スキルLv1を獲得しました。」

ナレーターさんが言う。

うん、とりあえず習得。でも効果はわかんないな・・・・。

暴食ってそういえば七大罪のあれかな?

それとも普通に暴飲暴食の?

後者かな?だって前者が100で手に入るわけないじゃん。

でも食事系でしょ?多分。

じゃあ、この蛇を食ってみるか・・・・・・。

しょうがないもんな。不味いけど・・・・・・・・・・・・。

でも検証のためぇ・・・・・・・・・。

我慢して、ホントに我慢して口に入れる。

あむっ・・・・・・・・・・。やっぱ不味い。

どこかで何でもおいしく感じるスキルかと思っていたので

結構ショックだ・・・・・・・・・・・・。

かっなりショックだ。大事な事なのでもう一度言う。

かっなりショックだ。かっっなりショックだ。

すごい大事なので4回言いました。いいでしょ?

・・・・・・・じゃあ何なんだ?

どういうスキルなのか。暴食しても体を守るのか?

だとすれば役立たずだな。今の俺には。

だがまあそれは違った。

ナレーターさんの一言によってそれが分かった。

「暴食スキルを発動。マスネークLv5のスキルを

ミニマムレッサーウルフに統合します・・・・・・」

スキルを統合?どういうこと?それがスキルの効果なんだろうけど・・・。

とりあえず鑑定だ・・・・。

「ミニマムレッサーウルフLv2


HP12/12

MP6/6

SFP110/110  

SMP110/110

スキル

鑑定Lv1

狼牙Lv1

工作Lv2

多重人格連携  

毒耐性Lv1

狼爪Lv3

毛皮Lv1   

弱点察知Lv2

蛇毒Lv3

蛇牙Lv3         」

あれ?蛇のスキルが俺に入ってる・・・・・・・。

もしやこれが統合?

食った相手のスキルをもらう的な?

「蛇牙と狼牙が統合されました。牙スキルLv4になりました。」

蛇牙と狼牙が統合?まあそうだろうな。

結局同じ攻撃方法だし・・・・・・・・・・・。

てか、さっきの蛇はLv5なのに暴食スキルを持っていなかった・・。

まあ、鑑定もだけど。

で、暴食を持っていなかったんだけどこれはかなり便利。

なのにもってないのはおかしい。

つまり・・・・・・・・何か良くない事がある?

それか種族限定スキル的なやつか?

狼牙とか蛇毒みたいな?

まあ無くもないな。逆にありえそう。

それにしても食ったやつのスキルをゲットとか

残酷すぎる。もし他の蛇を食ったら

スキルが統合されて蛇毒とか強化されるかな?

うん、いいなそれドンドン食っていこう。

毒はあったほうが便利だし毒出して減った満腹ゲージを

食って回復する。完璧な連鎖・・・・・・・・・。

「条件を満たしました。

アビリティ『暴食』を獲得しました。」

アビリティ?また暴食?多分条件てのは暴食を入手した関係だろうけど。

鑑定でチェック・・・・・。

「ミニマムレッサーウルフLv2


HP12/12

MP6/6

SFP110/110  

SMP110/110

スキル

鑑定Lv1

牙Lv4

工作Lv2

多重人格連携  

毒耐性Lv1

狼爪Lv3

毛皮Lv1   

弱点察知Lv2

蛇毒Lv3

暴食Lv1        

アビリティ

暴食             」

だそうだ・・・・。今気付いたけど暴食ってレベルある。

ということは何らかの効果の違いがあるわけだけど・・・・・。

それについたは分からない。

で、アビリティ・・・・・・・・・。

どういう効果かしらないけどスキルと違うのは分かる。

それにレベルがない。これだけって事もあるけどもしかしたら

レベルが無いのかもしれない。

「アビリティ暴食獲得ボーナスにより各ステータスにボーナスがつきました。

捕食スキルLv1を獲得しました。」

各種ステータスにボーナス?これは分からなくも無い。

でも捕食?暴食に似てるスキルである事は間違いない。

じゃあ食べてみる?蛇をもう一度食べる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

変わらないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

そりゃそうか・・・・・。じゃあ、暴食のサポート系か?

とりあえず捕食というのだから動きを規制したりするものかもしれない。

今度試そう。



というわけで課題と実験する事が見つかった。

なので実践をするしかない。

その前に課題を実験する事をまとめておこう。

課題については考えてはいなかったけど初戦闘をした時点で

課題は見えている。

というわけで回避の特訓をする。

それと、狩らしく後ろから攻撃する事も覚えよう。

もう一つ遠距離攻撃を出来るようにする。

これはウルフランチャー携帯版を使えれば良いんだけど

くっつけるものが見つかるまでは無理。

この二つを改善と最後のは頭の片隅に入れておく。

いい案を思いつくことに期待。無理だろうけど。


次に実験しなきゃならないこと。

まず、捕食スキルの効果を試す。どんなものなのか分かんないから。

ただ、命かかってる。失敗したら死ぬ。

気をつけないと別に強いわけもないし逆に弱いんだから。

もう一つは牙スキルの実験。

威力がどれぐらい上がってるか確かめる。出来れば牙と爪を均等に

しておきたい。そのほうがどっちでも攻撃できて便利だし。

あ、あともう一つ試したいのが蛇毒。

満腹ゲージ使用する(多分)からたくさんは出来ないけど

少しやってみて使い心地とかを調べておきたい。

傷口が無いと駄目なのか肌にふれただけでいいのか、とかな。


それとレベルアップできることも分かったので

レベルアップを目指す。とりあえずLv5が目標かな。

鑑定のほうはつけっぱなのでいつかLvアップするはず。

出来る事ならそれでもうちょっと詳しい情報が手に入ってほしい。

情報ってすごい重要だから。ホントに。

無知とかありえない。特に貧弱だし。

何とか強くなりたい・・・・・・・・・。

生き抜く上でこれ重要。と言う事でそのために草原を

探索する。出口を見つけることも目標だけど

それより今はレベルアップ優先。

このまま狼のままだと町行っても大変だから

何とか戻らないと。進化ってキーワードがある。

並列進化的なのを可能に出来るのか?

頑張って可能にする為にも力をつけないと。


そんなこんなで草原を探索する。

・・・・・・っていってもホント何にも無いな。

木と木と草。それだけ。たまに石とかあるけど・・・・。

モンスターいないなぁと思っていたら見つけた。

・・・・・・・・・・・・・・・・あれは蛇?

また、蛇?ちょっと近づいて鑑定。

ばれないようにしないと・・・・・・・・。

「マスネークLv3


HP50/50

MP50/50

SFP250/250

SMP350/350

スキル

蛇毒Lv4

蛇牙Lv2        」

幸い前のやつよりは弱いようだ。

ただ、気になる点がいくつか・・・・・・・・。

まず毒のレベルが高い。つまり毒使うのは前のより得意ってこと。

前は罠あったから牙のほうは感じなかったけど

毒のほうも回避するので精一杯だった。

結構危なげ・・・・・・・・・・・・・。

それともう一つ気になるのが今言ったけど

罠が無い事。つまり自由自在に動かれるってこと。

本格的にウルフランチャー携帯版がほしい。

勝てるかな?でも勝たないとやっていけない。

何とかなる。生きるために!!!!

というわけでこっちの利である鑑定を駆使して

作戦を考える。何か見逃してる事・・・・・・・・・・。

そういえばこいつも前のも毒耐性がないな。

体内で毒作ってるのに大丈夫なんだろうか?

それともスキルなんか無くても耐えられるのか?

まあ、弱点になりそうではある。ちょうど蛇毒を試したかったし

やってみるのもありかもしれない。

もし使えたら遠距離武器になりうる。

次に地形について。これも確認しておいたほうがいい。

あたりは俺が人だった頃の背丈の2倍ほどの木がいくつも立っている。

俺が来た道の先は木ばかりだ。

相手には逃げ道が無い。後ろから先制を取れるかも?

いけるかな?スピードとか分かんないからな。

やってみる価値はあるでしょ?

木とかを倒して攻撃するのもありかな?

どうやって倒すのか?それが難点だな・・・・・・・・・・・。

他には・・・・・・・・・・。参考までにあの蛇

前のよりうろこが薄い。攻撃も通りやすいはず。

これならいける。


こうして狼になって2回目の戦いを開始するのであった。作戦は立てた・。前回は勝てたがかといった今回勝てるとも限らない。

実際相手は格上な訳で正直俺が元人じゃなければ勝てないんだろう。

でも勝てる確率がないわけじゃないんだからやるしかない。

この検証は確実に命がけになる。それでもやらないと

先に進めない。だからやる。


と言う事で戦う覚悟を決めてるんだがそれでも安全第一と言う事で

そっと、そっと後ろから攻める事にした。

それが課題の一つであったしそもそもそれをする事で

勝率を上げないとやばい。

マジで勝てない。ホントに。多分種族的にこっちが弱いんだと思う。

レベル差はあるけれどもそれでも1ぐらいだ。

それでもステータスに違いがありすぎるのは

多分種族の問題だ。多分・・・・・・・・・・・・。

もしかして、俺個人が弱い?????無いよなそれは・・・。

まあ、いい。とりあえず俺は背後攻撃をしようとして忍んでいる。

忍んでいるって変か?うん。そうだな。そっと動いてる。

『隠密スキルLv1を獲得しました』

ナレーターさんの声が聞こえる。やばっ。

と思ったが蛇は気付いていない。

声が聞こえてると思ったんだけど・・・・・・・・・。

蛇が相当鈍いって事はないと思うので聞こえないんだろう。

まあ、お決まりっちゃお決まりだな。

・・・・・・・・・・・やっぱあっちでの記憶がある。

リンクしてるとしか思えない。あるいはあっちの世界で

生まれていたのか?でも目を覚ましたのはこっち・・・・。

もしかしたら情報だけは構築されてるのかもしれない。

そんなことは後で考えて今は隠れる事に全力を尽くす。

そして何とか蛇に背後攻撃を撃てる距離に近づいた。

よし・・・・・・・じゃあぱっと出て噛み付くか。

牙スキルの検証のために・・・・・・・。何で蛇毒を使わないかって?

それはもし傷が無いと効かないならダメージ無く本格的な戦闘に入り

勝つ見込みが減るからだ・・・・・・・・・・・。

大丈夫、後でやるから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ホントだって嘘つかないから。


と言う事で蛇の首の付近を噛み付く。

「ガブリ」

と、でも音が鳴るほどに強くやったつもりだ。

「キシャー」

蛇がうめく。もしくは威嚇している。

どっちか分からないけど前者だとうれしい。

後者だと効いていないということになるのでやばい・・・・。

と言う事で鑑定。

「マスネークLv3


HP50/30

MP50/50

SFP250/250

SMP350/350

スキル

蛇毒Lv4

蛇牙Lv2        」

お、半分ぐらい減らせてる。いけるかも。


なんて思っていた。でもここからがやばい。

蛇は俺を振りほどいた。そして蛇毒を連射。

俺は、振りほどかれてから1,2秒動けなくなりその間に

1発ヒットしてHPが減少した。

もっと言うと1になった。レベルアップがあったため

ステがあがりそれによってレベルアップによる多少の変化は耐え抜いたが

今回もとっさによけてギリ尻尾に当たったぐらいですんだ為生き抜けたと言える。

つまりやばい。回避に失敗した時点で死ぬ。

俺は全力で隠れる。それでも蛇毒が付近にあたりもう隠れきれないといえるだろう。

こうなったら蛇毒を使うしかない。さっき攻撃した首元に当てる。

ただ当てようとするのには一瞬の判断が必要だ。

放った後も放ったときに来るであろう蛇毒をよけなければならない。

「グルウ」

ふう、という代わりにそう息を吐く。

1、2の3。

俺は即座に蛇毒を放つ・・・・・・・・・・・・。

頼む当たってくれ・・・・・・・・・・・。

その願いが通じたのか首にヒット。蛇はおそらく大きなダメージを受けた。

それと共に毒が体に回りおそらくダメージが入っていく。

後はよけるだけ。放たれた一発の蛇毒を俺は・・・・・・・。

俺は蛇毒で向かい打った。勿論威力じゃ勝てない。

そこで斜めに撃って軌道をずらした。

そして回避したのだ。危ない危ない。

さて、じゃあ毒がどう表示されてどれぐらいダメージを与えるのか見たいし

鑑定行ってみよう。

「マスネークLv3 毒


HP50/10

MP50/50

SFP250/250

SMP350/350

スキル

蛇毒Lv4

蛇牙Lv2        」

20減っている。なるほど名前の横に出るんだな。

お、1減った。継続ダメージもある、と。

何秒で減るのか見る為に蛇を鑑定で見続ける。

もう既に蛇は動けない。多分体中に痛みが回ってるのだろう。

お、1減った。時間にして約5秒。感覚だけど・・・。

うーん。このまま変に動かれても嫌だしいっその事ちゃっちゃと

殺してやるか。

俺は狼爪で蛇に攻撃する。同時に鱗も切る。

という目的があるのも確かだ。

『捕食スキルから強欲スキルLv1が派生しようとしています。

習得の為にはソウルポイント100が必要です。

使用しますか?』

ナレーターさんの声だ。

強欲?派生?多分強欲も使えると思う。

何でって何となくってのもあるけど七大罪の一つだし

暴食が使えるって事は多分使える。

ただ、100でゲットできるものなのか?という問題がある。

100が多いのかも分からないしそもそもつかっちゃってるから無い。


が、蛇をちょうど殺せたときナレーターさんが言った。

『ミニマムレッサーウルフがLv2からLv3になりました。

レベルアップのため各ステータスにポイントが加算され

ソウルポイントを入手しました』

まあ、ソウルポイントがレベルアップによって100増加とは限らない。

が、鑑定を素早く見てソウルポイントがあるのを確認した。

100しっかりとある。

さて、習得するか?さて・・・・・・・習得するか?

普通に考えて使えるのだとは分かっている。

その分それを100でゲットできてしまう事への

恐怖を感じる。

例えば、七大罪系スキルを持てば持つほど体に何らかのデメリットがあるとか

いくつも持つと自我が保てなくなるとか・・・・。

ありそうなので怖い。ほんとに洒落になんない。

そんなことがあったらここに来た目的を果たせない。

・・・・あ、因みにここに来た目的とかも何故か頭に入っている。

やっぱり今までの人格のやつらとはどこか違うみたいだ。

まあ、そんなこと今考えてもどうしようもない。

話を戻そう。強欲スキルについてだ。

今、言ったようにデメリットをあげたが暴食も強欲も

実は簡単にゲットできるスキルで名前だけそれっぽいやつにしてあるって事もありえる。

今まであった2対の蛇とウサギも種族的に覚えない、

もしくは種族が違えど覚えるけど適性があるスキル以外は

覚えるのが少し大変、って事であるならうなづける。

・・・・・・・ただ問題は暴食の効果なのだ。

食った相手のスキルを奪う。そんな強力すぎるスキルを

普通簡単にゲットできるのだろうか?

今でさえ、レベルは低くても相手のスキルを奪うことでこうやって

しっかり戦えているほどのスキルだ。

多分これが無きゃ罠を仕掛けておかないと蛇は倒せなかっただろう。

つまりそんな貧弱種族でさえ平均モンスターに匹敵してしまうわけで

おそらく使い続ければ下手な蛇より蛇毒が強くなったり

そのほかにも種族固有スキルをほぼ全種類獲得できてしまうのだ。

しかも相手がひたすら頑張ってゲットしたレアスキルとかも・・・・。

それを全生物とはいかなくてもかなりの生物がゲットしたら

この世界は大変な事になる。

スキル量が多くなって同時に情報量が多くなり大混乱だ。

そんな危険を持っているスキルをそんな簡単にゲットできるのだろうか?

それを考えるとやはり七大罪系スキルは限られた生命体のみが

ゲットできると考えたほうがいい。

更にそれを考慮するとその七大罪系スキルを二つも

しかもLv3にして覚えるのは危険なんじゃないか?

何か裏があるとしか思えない。

何か裏があると思うべきだ。何か裏が無ければおかしい。

と言う事でその「裏」を探るべくいくつかの説を挙げてみることにした。


           説1.異世界からの使者というボーナス

俺はこことは別の世界から来たわけで戦闘にも普通なら慣れていない。

俺、というよりこの体は色々戦ってきたみたいだから慣れてはいないけど

初めてでもないため何とかなっている。

しかしもし予期せぬ出来事で来てしまった・・・・・

とか言う人の場合危ない。戦闘に慣れているはずも無い。

そこでこういったボーナスを与えている・・・・・と。


           説2.並列進化によるボーナス

確か並列進化には危険が伴うはずだ。更に俺の場合波長が一致している。

つまりそのボーナスがあってもいいはずだ。危険の伴う状況を超えればそういうボーナスがある

というのもお決まりだ。だから有り得る。

更にもう一つ言うなら一つの種族につき若干習得の難易度にボーナスがあり

並列進化で二つの種族のボーナスがありこうなっていたりするかもしれない。


           説3.運が良かった

これらのスキルはランダムでその結果俺の運がめっちゃくちゃ良くて

こうなったのかもしれない。まあ、スキルがランダムってのは無きにしも非ずだろう。


           説4.暴食のおかげ

確か捕食スキルは暴食スキルによってゲットしたアビリティ暴食を獲得した事でゲットした。

そしてそこからの派生なら全て暴食のおかげで本来暴食はレア、って事もありうる。


           説5.狼のおかげ

実は狼系の種族がレアで狼系種族限定スキルなんじゃないか?

実際ここでは狼にはあったことないし有り得るんじゃないか?

説4の暴食のおかげ説もこれと絡み付いてくるし。

暴食自体が狼種族の固有スキルだとすればそれと関わって強欲がゲットできたのかもしれない。


と、まあここまで考えた。

しかし答えが出るはずは無くもういっその事どうにでもなれ

と、半ばやけくそで習得した。

『強欲スキルLv1を獲得しました。』

ナレーターさん声が聞こえた。俺は鑑定をする。

「ミニマムレッサーウルフLv3


HP14/14

MP8/8

SFP130/70 

SMP130/130

スキル

鑑定Lv1

牙Lv4

工作Lv2

多重人格連携  

毒耐性Lv1

狼爪Lv3

毛皮Lv1   

弱点察知Lv2

蛇毒Lv3

暴食Lv1

捕食Lv1

強欲Lv1

隠密Lv

アビリティ

暴食        」

どうやらアビリティは無いようだ。今のところアビリティは無いが多分効果を一度発揮すれば

入手すると思う。暴食のときもそうだったから。

ただ、どうやって発動するのか、という問題がある。

これは別にアビリティを増やしたいどうこうじゃなくて

折角100も使ったソウルポイントを無駄にしたくないし

使えるスキルならばしばし使っていきたいからだ。

「ギュルル・・・」

お腹がなる。今までそこまで大きく音がなったことはないんだが

狼になったせいかお腹がすくと結構大きな音がする。

それに、結構お腹がすいている。体がってのもあるけど

精神的に・・・・・・・・・・・。

何せここに来て狼になってから始めてのしっかりとした

対戦だからな。

今までは、というかその前の2戦は人だったりトラップにかかった獲物を倒したりしていた。

今考えてもそっちのほうがいいと思う。

と言う事でどこかに篭城しようかと考えている。

勿論ずっとじゃなくて一時的にだ。スキルの検証もあるしレベルアップもしたい。

レベルアップだけなら外で動いたほうがいいけれど

検証となると動けなくした獲物のほうがいい。


さて、俺は強欲スキルの検証の前に蛇を食うことにした。

前記したようにお腹がすいていたしそれに倒したらその死体は一口でも食わないといけない。

・・・・・・・よく考えると暴食についても色々調べたい。

さっきは出なかったけどどれぐらい食べればいいのか、調べておかないといけない。

理由としてはもしも数対を相手にした場合に1体1体倒して

スキルを盗んでいったほうが楽だからだ。

もっと詳しく言うとそういう時に少しでいいならぱっと食べれるけど

結構いっぱいならそういった戦法は使えない、ということが分かる。


と言う事でほんの少し、サイズにして俺に今の牙ぐらい(約4立方センチメートル)

の大きさの蛇の肉?を口に入れる。

・・・・・・・・・・・・・・不味い・・・・・・・・。

何ていうことは分かってるので我慢我慢。

耐えろ自分!!!!!

『暴食スキル発動。マスネークLv3のスキルが

ミニマムレッサーウルフに統合されます。』

ナレーターさんが言う。予想通りなら蛇毒のレベルが上がって牙のレベルが上がって・・・・・。

となるはず・・・・・・・・・・・。

『蛇毒と蛇毒が統合されました。蛇毒スキルのレベルが5になりました。

牙と蛇牙が統合されました。牙スキルのレベルが6になりました。』

前から思っていたのだがどうやら統合されたからといって完全にレベルが足し算されるんではなく

おそらく取り入れられるほうのスキルが取り入れるほうのスキルの熟練度に変換されて

統合されるのだと思う。

それと、前は、うまく足し算になっていたけど今回の例があるので

スキル自体が統合によって変わるときボーナスがついたりするのかも知れない。

もしくは牙系スキル自体がすぐにレベルが上がるようなスキルなのかもしれないが・・。

まあ、先のことは考えなきゃいけないけどとりあえず今は

レベル5を目指すっていう目標があるからそれに向かって奮闘しよう。

今回の戦いで俺自身にレベルも3になったし格上を倒せば

レベルは案外早く上がるみたいだ。

まあ、命をすり減らすような戦いではあるけれど・・・・・・・・。

・・・・・・・・コホン。とりあえず分かった事をまとめよう。


      分かった事1  

暴食スキルは少しでも相手を食べればよい。

      分かった事2

スキルによる統合は完全にレベルが足し算されるんではなく

おそらく取り入れられるほうのスキルが取り入れるほうのスキルの熟練度に変換されている。


といったところかな?まずまずの成果だ。

強欲についてはまだ分からずだが予想としては相手がいないと出来無そうなので

今考えても仕方が無い。



とりあえず実感した事。

蛇は不味い。とりあえず検証をしなければならない。

検証、それについておさらいしておこう。

やらなければならないことをいくつにまとめる。

1.強欲スキルの効果について

→これが一番重要。どんな効果なのかわかんないと使いようが無い。

もし発動でアビリティゲットできるならステに補正がかかるらしいので

とっておきたい。

2.今思いついたんだがアビリティについての検証もしたほうがよさそうだ。

実際、アビリティとスキルが併用されるのはあんまり見ないし

同じような認識でいいと思っていたためアビリティがあると知ったときはびびった。

ただ、前の感じだと何かスキルをやったりするとゲットできる的な物なので

ソウルポイントで習得は出来ないようだ。

レベルも無いという点は多重人格スキルと同じだがその多重人格も

スキルなためそのスキルがスキルの中で特別だとしか考えられない。

なぞが多くなっていくので一つ一つ解決していかないと後が大変だ。

後のことは考えるけれどあんまりメインには考えないという方針だけど

なぞを残しまくるのはさすがに問題だと思う。


と、まあとりあえずこんなところか。そのほかに考えていた牙系スキルと

蛇毒については何となく分かった。

と言う事で今から分かった事を整理しながらさっき考えていた

家、というか拠点というか微妙なもの・・・・・・。

とりあえず命名、簡易拠点を作る事にする。巣、という表現が正しいんだろう。

俺、狼だし。人なら家とか拠点って言うけど狼だとな・・・・・・。


そういえば狼で思い出したんだけど俺、狼になって多少手足に違和感を感じたりはしたけど

体の大きさが変わっても動きにくいって事はなかったんだよな・・・・・・。

まあ、波長が重なってたらしいからそのせいかもしれないけど

何か、4足歩行とかに体が慣れている気がする。

爪の使い方も牙の使い方も狩りの仕方も若干様になってるし・・・・。

何か前からこうだったっていうか懐かしいっていうかそんな感じ・・・。

まあ、生き抜く上ではそのほうが有難いけど正直不思議だ。

と言う事でそれもなぞの一つに追加だ。

分かんなくてもいいかもしれないけど実際今までの戦い、鑑定が役に立っていると思う。

相手のレベルとかステ、スキルが見れるのは対策する事につながる。

それはつまり勝ちやすくなるのだ。

そこで俺は知識は戦いにおいて最強の武器の一つであるのだと思った。

だから知らない事をうやむやにして考えずにいると後で痛い目を見ると思う。

・・・・・・・・・・いや、分かんない事もあるからさゆっくりだよ。

少しずつ・・・・・・・・・・・。

だって分かんない事多すぎるしそんなの無茶苦茶長い目で見て

考えないと分かるわけないって・・・・・・・・・。

・・・・・・コホン。まあ、そんな訳だから俺についても考えていこうと思う。


それにしても巣って・・・・・・・・。

前は、草とか木で作ったけど今回はがっつり長い間いるつもりなので

木をしっかりと加工して石とかも加工して丈夫に作っていきたいと思う。

出来れば草とかでベッドを作りたいところではある。

ここ数日ほぼ一睡もしていないからな・・・・・・・・・。

もう眠くて眠くてしょうがない。

だって、ここ数日生きるか死ぬかの環境の中にいるんだよ。

精神的にも肉体的にも耐えられないって・・・・・・・・。


まあ、そんなわけで今は石を拾っている。

木をかき集めるのは後で。結構どこにでもあるからな。

それに比べ石はというと大木の隅とか物陰の中とかにしかない。

それに結構色んなところで需要あるから取れるだけとる。

ていっても口でくわえるのと転がすのの2箇所しか持つところが無いので

多くても4つぐらいしか一回に運べない。

そのため何往復もしなければならない。

俺は石を探して大木の根のところに向かい石を2つほどくわえようとしたそのとき。

石の下に隠れていた小型な虫が発見された。

その虫を見た瞬間鑑定が発動する。

「ゲッジダンゴLv2

HP10/10

MP0/0

SFP500/500

SMP10/10      

スキル

隠密Lv6

酸Lv3          」

は?モンスター?何でこんなところにいるんだよ。



思いがけぬ形で狼になってから3戦目の戦いが始まってしまった。

しかもおそらく相手は自分と同じぐらいの力量だ。

HPも俺と大体同じだしMPが0だけどその分SFPが滅茶苦茶高い。

500とか、Lv5のほうの蛇より高い。

ただ、また分かるようにSMPが異常に少ない。

随分偏っているようだが七大罪系や鑑定スキルは無い。

スキルであるのは隠密と酸。

・・・てか隠密レベル高っっ。

酸もそれなりに高いしやばいかも。

隠密はまあ、見つけてるからもう大丈夫だけど多分そのせいでいることに直で見るまで

感じすらしなかったんだと思う。

酸については予想するに蛇毒に似てるものだと思う。

俺は虫が嫌いだがこいつは虫の中の虫。

ゲジゲジしてるダンゴ虫だ。え、分かんない?

とにかくゲジゲジしてるんだ。

見れば思うはずだ。

うわ、ゲジゲジしてるって・・・・・

まあ、とりあえずこいつと戦ってレベルを上げていきたい。

だから戦わなければならない。相手に戦意が無くとも。

確実に相手には戦意が無い。何せ隠れていたんだから。

だからといって見逃すわけにはいかない。

虫は嫌いだ。ゲジゲジしてるこいつも嫌いだ。

嫌いだが、ふれたくないが殺るしかない。

鑑定でこいつが俺と平均すると同じぐらいのステだと判明した。

まあ、実際SFPの量が多いので相手のほうが格上ともいえる。

ただレベルはこっちが上だ。勿論今までの戦いでレベルやステが全てじゃない事は理解している。

でも、多分一撃毒を食らわせれば殺れる。

何せこいつのHPは俺並。俺はかすっただけで瀕死する。

ヒットすればまず死ぬだろう。勿論牙でかぶっといっちゃったりすれば

こいつは小さいので生かせたままのむことも出来る。

ただ、そんなの生理的に無理だし爪でやるのも触るってだけで拒否反応が現れる。

だから唯一の遠距離武器である蛇毒を使う。

考えながら俺はゲジゲジダンゴ虫(本名は違うらしいけど)

に蛇毒を放った。

「ギ・・・・・・」

変な奇声が鳴った後でゲジゲジは死骸へと化した。

禍々しいとすら思ったやつを一瞬で消し飛ばした。

実際死骸は残ってる。食べなきゃいけない。それは分かってる。

強くなるためだ。強くなるため。

『強欲スキルが発動しました。ゲジダンゴLv2のステータスを統合します。』

ナレーターさんが言う。え?強欲スキル?

ステータス統合?どういうこと?訳分からん。と言う事で

鑑定を使ってみます。

「ミニマムレッサーウルフLv3


HP24/24

MP8/8

SFP630/50  

SMP130/130

スキル

鑑定Lv1

牙Lv4

工作Lv2

多重人格連携  

毒耐性Lv1

狼爪Lv3

毛皮Lv1   

弱点察知Lv2

蛇毒Lv3

暴食Lv1

捕食Lv1

強欲Lv1

隠密Lv1

アビリティ

暴食             」

・・・・・・・・・・ステータスが増えてる。

HPが10も増えてる。確かゲジゲジのHPの総量と同じはずだ。

レベルは上がらなかったけどSFPが完全に増えている。

だからといって同省も無いぐらい急におなかがすいたとかはなく

さっきまでと同じレベルの空腹度だ。

つまりおそらくSFPの総量はお腹がすくスピードをさげるっぽい。

それでも現在の満腹ゲージは50またしてもぎりぎりだ。

『条件を満たしました。

アビリティ「強欲」を獲得しました。

アビリティ強欲獲得ボーナスにより各ステータスにボーナスが付きました』

お、どうやらアビリティを獲得したようだ。

やっぱり発動する事が七大罪系の条件だろう。他にアビリティあるかしらないけど

多分あるだろう。さすがに二つや七つってことはないはず

多分だけどな・・・・・・・・・・・・・・・・・。

一口だけ。ホントにほんの少し。

『暴食スキルが発動しました。ゲジダンゴLv2のスキルを統合します。

隠密スキルがLv5になりました』

よし、不味いの我慢しただけあるな・・・・・。

多分酸スキルもゲットしてるはずだ。

それにしても弱かったな・・・・・・・・・・・・。

酸・・・・・・・・・・・・・・・?もしかしてこれで石溶かして溶接とか出来るんじゃ?

実際はどうか知らないけどでもここは魔法の世界だし出来てもおかしくない。

よし、家&ウルフランチャー携帯版の作成に使えるぜ・・・・。

とりあえずめでたしめでたしかな?

・・・・・・・・・・・。

「がさがさがさ」

そんな音が周囲に響く。音の発信源はすぐ近く。

しかも多分一つじゃない・・・・・。この音は何なのか?

それはある意味で分かりきっていた事なのかもしれない。

ただ、やばい・・・・。それだけは分かっていた。何故か?

そんなの簡単だ。本能が悟っている。

俺は周囲を見渡す。半ば確信をもちながら。

その確信とはあるやつらが居ることだ。そして結果的にいた。

四方八方に|敵(ゲジゲジ)がいる。数は見えるだけで14。

更におそらくその隊の後ろに15匹のゲジゲジがいる隊がもう一つある。

こうして俺の予感は当たった。

どうやら今殺したげじげじは前にいる隊のほうのやつだったらしい。

だから14と15。そしてあそこまでの殺気・・・・・・。

俺は蛇毒をゲジゲジの軍団に撃ち始める。


一匹一匹確実に一撃で死ぬ。よけるという事はあるが、それでも

しっかり何発かで当たる。

それだけなら勝てそうだ。実際今2体目を殺した。

しかし、それだけじゃない。相手も酸攻撃をしてくる。

よけられはするが四方八方から撃たれる為既に1発当たっている。

その攻撃で5ほどやられた。

『酸耐性スキルLv1を獲得しました』

ナレーターさんが言う。が、そんなことにかまってられない。

俺は確実に蛇毒を当てようとする。

現在の満腹ゲージは400。さっきのゲジゲジが不味いけどお腹にたまったので

フル回復しそれでも毒を使い続けるごとに10削れていく。

このままじゃジリ貧になる。

俺はそう判断した。そしてもういったいのゲジゲジを蛇毒で殺してから決意する。



相手総数26。その過酷な状況下で俺のステータスは確実に上がっている。

何せ初めに見たときに今見えている14体は最低でもさっきの

ゲジゲジと同じステータスであると分かっているからだ。

つまりそれから3体殺しHPが30ほど

満腹ゲージは1500アップしている。

見えてはいないが攻撃力も少しづつあがっているはずだ。

なら、この手しかない。

俺はそう思いゲジゲジの内の一匹に突撃する。そう。

爪での物理攻撃だ。

さすがに丸呑みはきつい為手でふれるのを我慢する。

よけようとするげじげじを俺は無慈悲に掻き殺す。

狼対ゲジゲジ軍団の戦いはそして始まったのだ。相手の残り25体。

俺は数にして5体目のゲジゲジを倒し、すぐさま次のゲジゲジに向かって突っ込む。

過酷な、過酷な戦いだ。接近戦をしては来たが後ろからであったり

毒も使ったりしていた俺から思うとこれは今までで一番疲れるであろう戦いのはずだ。

勿論遠距離戦も疲れた。しかしそれ以上に接近戦は疲れる。

まず近づく為回避をうまくしなければならない。

勿論いつももそうだが今回はより一層集中しないと一度当たったら挙句の果てに

囲まれて撃ちまくられるって事もある。

さすがに酸攻撃もスタミナを使うだろうから何発も撃てないだろうが

それでも数発当たれば危ない。強欲スキルで増加した分は底上げできる為回復してる。

だから殺し続ければ回避が数回失敗しても問題ない。

が、危険が少しでも伴うなら確実に回避したい。俺は今まで多くの格上と戦ってきている。

だからこそ分かる。どんな相手でも侮ってはいけないと。

侮りこそが死を招くのだと。それを知っていて、そしてここでは死ねない。

やらなければならないことがある。だから侮らない。

勿論同格の相手20匹以上が相手だ。侮る必要が無い。侮る要素が無い。

でもどこかでこのゲジゲジが弱いからいくら数で来ても負けるはずが無い。

などと思っていた。だから今一度心に渇を入れる。

そして始めのやつを入れて6体目のゲジゲジとの戦闘が始まった。

まず相手のゲジゲジは俺の突進をうまく回避した。勿論俺は逃がそうとはせず

手を広げて引っ掻く。しかしそれをもこのゲジゲジは回避した。

2発連続での回避だ。これは痛い。俺は地に足をつけそのゲジゲジを攻撃する。

今度はしっかり狙って・・・・・・・・・・・。

『強欲スキルが発動されました。ゲジダンゴLv2のステータスを統合します』

ナレーターさんのその声が聞こえた。そのゲジゲジは死んだ。

俺は次のゲジゲジに向けて突進をした。


今度の突進はうまく当たり即座にそのゲジゲジを殺した。

どうやら回避とかはスピードと運が問われるようだ。

相手総数23。俺は更に次のゲジゲジの攻撃を仕掛けた。

そのときだ。俺が勢いよくジャンプしたそのとき。やつらは酸攻撃を一斉に仕掛けた。

俺は回避できるわけも無く即座に大ダメージを受ける。

酸耐性のおかげで少し減ったらしいが8体から攻撃を受けて

35ほどダメージを受けた。数発クリティカルがあったりして結構やばい。

今、こいつらを7体殺していて1体につき10プラスされる。

そして元々のHPが14。現在が84だ。そこから35とさっき受けた5を引いて

現在HPは44。すでに約半分減っている。今までのことを考えると少なく聞こえるが

40減った事なんか今までに無い。

さすがに体に痛みを感じる。酸攻撃で毛皮が少し溶けている。

その間に8体が今一度酸攻撃をしようとしてくる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しょうがない。

俺は一番近くにいたゲジゲジを生きているゲジゲジを丸呑みした。

ううううう・・・・・・・不味い・・・・・・・。

でもこれでこいつは死んだ。HPが10増える。

『強欲スキルが発動されました。ゲジダンゴLv2のステータスを統合します』

よし、それだけじゃない。さすがにそろそろあれが来る筈だ。今回か次か

その次かで・・・・・・・・・・・・・・・・・。

俺は残り7体の酸攻撃をもろに受けた。確実に痛い。

激痛が体中を走る。でも耐えて近くにいるゲジゲジに狙いをつける。

そして俺はジャンプしてそのゲジゲジに近づき丸呑みにする。

ううううう・・・・・・・・・・・・・・ま・・・ずい・・・・。

『強欲スキルが発動しました。ゲジダンゴLv2のステータスを統合します』

これと共に暴食のアナウンスも流れるがそんなこと気にして入られない・・・・・・。

やばい・・・・・・・・・・・・。残りHPが24になっている。

さっき数体がクリティカルしたせいだろう。

もう体が持たない。ダメージ以上に毛皮は溶けて体だって皮膚はびりびりになりそうだ。

焼けるように痛い。もうジャンプできない・・・・・・・・・・・。

『ミニマムレッサーウルフがLv3からLv4になりました』

ナレーターさんがそう言う。体の痛みが消えHPも全回復する。

満腹ゲージもゲジゲジを2体食って全回復している。

俺はためらう事も無く蛇毒を使って俺に近づいているゲジゲジを倒す。

ゲジゲジたちはダメージを上げるため俺に近づいていた。

それが狙い目だ。近いのだから当たるのも早く回避する時間を与えない。

6体のゲジゲジに向かって蛇毒を放射した。

3発に1回外れたが今の俺はかなりの満腹ゲージの総量が多い。

お腹にたまりやすいゲジゲジを2体丸ごと丸呑みしているのだから数発のミスは構わない。

その結果何とかゲジゲジ6体を倒した。

その6体のステータスも俺に移る。さっきの攻撃にあわてたのかゲジゲジ6体は

一切攻撃をしてこなかった為まだ万全の状態だ。

俺は次に来る15体のモンスターに備える。



するとやはりモンスターは現れた。しかしそれはゲジゲジだったが

ゲジゲジじゃなかった。言うなれば進化系・・・・・・・・。

俺がそれを見た瞬間蛇毒を吐くと同時に鑑定が始まった。

「エッジダンゴLv1

HP100/100

MP10/10

SFP/500

SMP/100

スキル

酸Lv6

隠密Lv9         」

単純な進化系。しかしそれはおそらくかなり強い。

HPが100を超えている。

大きさも明らかに丸呑みは出来ない。

満腹ゲージは増えていないみたいだがそれでもやばい。

というか多分包囲されてさっきみたいにもろに食らったら死ぬ。

そして俺の吐いた蛇毒がゲジゲジビッグにヒットした。

だが、まるで効いていないような素振りを見せた・・・・・・・・・・・・。

まさか、蛇毒が効かない?いやでも毒耐性は無かったはず。

なのにここまでびくともしないのか?まさかそんなに防御力が高いのか?

だとしたらどうやって勝てばいいんだよ・・・・。しかも1体じゃなくて15体もいるのに。

俺が絶望しているとゲジゲジビッグは15体そろって酸攻撃をしてきた。

かと思えばやつらは酸の弾を俺の頭上5メートルほどに撃った。

すると酸の弾は酸の雨になった。酸性雨なんかより酸の全然強い雨に・・・・。

なんてチームワーク。個々だけじゃない。チームとしても強い。

そして俺にも手加減すらしていない。

こんなの・・・・・こんなの勝てない。勝てるはずが無い。

俺は何とかその雨を回避した。回避したといっても回避しきれず30%ほど

当たっている。その結果164あったHPは一気に100に減った。

これは今まで出最高レベルのダメージだ。

勝てない、でも勝つしかない。頭を使うんだ・・・・・・・・・・。

蛇毒がからきし効かない。多分爪や牙でも多くはダメージを与えられない。

だったら・・・・・・・・・・・・・・・・・?

だったらあわせ技を使えばいい。爪とかでつけた傷に蛇毒を思いっきりぶちまける。

傷口にレモンだって痛いんだ傷口に毒なんて痛いなんてもんじゃない筈だ。

ダンゴ虫程度に耐えられるはずが無い。


俺は一番近くにいたゲジゲジビックにとびつき爪で引っ掻いた。

ゲジゲジビック何事も無いかのような素振りでこちらを見る。そしておそらく酸を吐こうとしている。

俺はおかまい無しに傷口に蛇毒を何発も撃つ。撃ちまくる。その勢いで距離を置けるほどに。

「ギーーーーーーーーーーーーーー」

気持ち悪い悲鳴を上げるゲジゲジビックに俺はとどめの一撃として

首元に噛み付いた。そして少し肉をえぐる。

俺より大きいゲジゲジビックだが肉は硬くやはり不味い。

しかし飲み込む。それと同時にゲジゲジビックは死ぬ。

『強欲スキルが発動しました。エッジダンゴのステータスを統合します。

ミニマムレッサーウルフのLvが4から5になりました。

暴食スキルが発動しました。エッジダンゴのスキルを統合します。

酸と酸が統合されました。酸スキルがLvマックスとなりました。

酸スキルが強酸スキルに変化しました。強酸スキルLv1になります。

隠密と隠密が統合します。隠密スキルがLvマックスとなります。

隠密スキルから迷彩スキルが派生されました。』

ナレーターさんの長々しい言葉を聴きながら俺は次にゲジゲジビックにとびかかった。

今度は相手もいきなり攻撃してきた。酸攻撃だ。俺は何とかよけながら考える。

もっと効率の良い方法はないかと。それが見つからないと酸性雨の攻撃でいつかくたばる羽目になる。

酸・・・・・・・・・・・・・・・・そうか酸だ。こいつらは酸耐性持ってないしな。

もしかしたら強酸は効くかも。やってみる価値はある。

俺は今狙っているゲジゲジビックに向けて強酸を吐く。

「ぎーー」

詩にはしないが40ほどダメージを与えている。

これならいける・・・・・・・・。

俺は酸をよけながら強酸を2発当て、ゲジゲジビックを殺した。

どうやら他のやつらは驚いているようだ。

まあ、狼が自分たちが使っているスキルの上位技を急に使ったらビビッて当然だ。

それをいいことに俺はもう一体のゲジゲジビックに噛み付いた。そして傷に向かって

強酸を発動する。ダメージにして100だ。

傷口にレモンとはまさにこれの事だ。1発で死ぬとは・・・・・・。

ドンドンゲジゲジビックたちを恐怖であおる。

その結果ゲジゲジビックたちは酸性雨の連続発射を始めた。

しかし目が慣れてきて更には450以上のHPとなった俺には恐れるに足らない。

俺は回避しながら次のゲジゲジビックに向けて強酸を3発当てる。

ゲジゲジビックは死ぬ。俺は更にステータスが強化される。

すると今度は各々で酸を俺に向けて撃ってきた。しかしそれなら好都合で

かなりの数倒した俺は既に分かりはしないが実感としてスピードが滅茶苦茶上がっている。

だから回避はたやすい。俺はもう一匹のゲジゲジビックに・・・・・・・・・・・。





そして俺のゲジゲジとの戦いは終わった。

結果俺は勝ちそれどころか全てのモンスターのスキルとステータスを入手した。

現在の俺のステータス↓

「ミニマムレッサーウルフLv7

HP1670/1670

MP160・160

SFP7630/7630

SMP1770/1770

AT2000

DF5000

SD1500

MN500

鑑定Lv2

牙Lv5

工作Lv2

多重人格連携  

毒耐性Lv1

狼爪Lv5

毛皮Lv4   

弱点察知Lv2

蛇毒Lv4

暴食Lv1

捕食Lv1

強欲Lv1

強酸Lv4

隠密Lv10

迷彩Lv1


アビリティ

暴食      

強欲            」

因みに、鑑定のレベルも色々見たおかげで上がりそのおかげで

アタックとかも見れるようになった。

んで、やっぱり強欲強すぎる。すでにゲジゲジビック15体分の強さ持ってしまった。

でもまあいいけど。とりあえず各個体ごとに少しづつ食った。

まあ後は検証かな?

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