シュレディンガーの箱庭 レポート3

 魔王と愚者が関わった、記録上最後の宴は、いつも通り始まったとされている。

 一日目が終了し、翌日、一人目の犠牲者が出た。閉じ込められた八人の中でリーダー的役割を果たしていた米澤晶という人物だ。

 米澤がいなくなったことで、少なからず統制と理性があった集団は徐々に狂っていく。疑心暗鬼になり、犯人探しが白熱し、罪を擦り付けあい、そして殺し合った。

 それこそが、宴の主催者たちが望んだ展開だった。

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