第2話 大型玩具店にて

ドラゴンボール。

今も人気の作品である。


その日は小雨が降っていたことを覚えている。


「コレ買って~」

子供が母親に駄々をこねている。

2階が某大型玩具店だ、こういう光景は珍しくないだろう。

私はジュースを飲んでいた。

ココの自動販売機にはドクターペッパーがある。

私の小学生時代からの愛飲ドリンクだ。


「ダメ!」

母親の厳しい一言が通路に響く。

母親の迫力に押されたのか、泣き始める子供。

シクシクではない、ウワァーという迷惑な泣き方だ。

(ウソ泣きなんだろうな~)

そんなことを考えながら眺めていた。


「買ってよ~、僕、頑張るから~約束するよ~」

「ダメ!帰るわよ、見るだけって言ったでしょ!」


(見るだけで済むわけないじゃん、予想済みでしょうが)


「お母さんとの約束守れないの!もう連れてこないよ!」

「いやだ~うわぁ~ん」


(コレあれだな、生殺しってヤツだね)


子供が指さしているのは、〇に亀の文字入りオレンジの武闘着である。

(憧れるんだよな~、子供のころって、俺も仮面ライダーのベルト欲しかったな~)


「ちゃんと修行するよ!強くなる!かめはめ波も出せるようになるから~」

「ダメったらダメ!」

「うわぁ~ん、もっと修行して、スーパーサイヤ人になるから!約束するから!」


(地球人には無理だぜ……スーパーサイヤ人は……)


『File No2 種族の限界を修行で超えようとした夢想家』 

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