お湯ラーメン3(惨)

桜雪

第1話 ミニ四駆大会にて

私が18歳のころである。

小学生の間ではミニ四駆ブームがあった。

小学生が電動駆動のミニカーを改造して速さを競うのである。

さすがに興味はなかった。

中には親子で楽しんでるような家族もいたりして、そのパーツの量は膨大で

素人が見てもさっぱりわからない。

高価なパーツもあり。コレがそんなに価値あるの?といった具合。


ブームだけあり近くのショッピングセンターで、その大会があったのだ。


1階中央のエントランスに設置されたコースに群がる子供、親子。

2階でクレープ片手に眺めていた。

司会者まで用意されており、なかなか本格的なイベントである。


ボケーッと見ていると、1台異様に早い車がいた。

1位になると、名前が呼び上げられる、

~~君1位、タイム〇〇秒、ワァーッみたいな感じなのだが、

1人だけ~~さんなのである。


ん?と思って良く見てみると、明らかに身長の違う大きなお友達が混じっている。

~~さんである。

ぶっちぎりに早い!

そして予選から勝ち抜いていくのだが、勝つたびに右手を高々と挙げて微妙な拍手を貰っている。

大きいお友達は、小学生のお友達を蹴散らし圧倒的な速さで優勝した。

主催者のメーカーの人のほうが若いんじゃないか?というくらいのチャンピオンは

司会の女の人からトロフィとミニ四駆を貰い、ガッツポーズでご満悦である。

司会も、ぎくしゃくした空気感に包まれた会場でやりにくそうに回している。


「うわぁ~」

会場みんながそんな顔をしていた。

もちろん私もだ。


『File No1 ミニ四駆大会にガチで挑む大きいお友達』

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