10 心肺停止

この日


コンビニで肉まんを買った


無性に何か温かい物を食べたくなってコンビニまで歩いて行った


この頃は


すでに私の免許証が失効していたのと


車の自賠責が失効していたため車を移動することが出来なくなっていた


役所の年金担当者に相談したところ


すごく嫌そうな顔をされ

「それは役所の管轄ではありませんから」

そう言って追い出された


結局

車は弁護士の事務所が借りている駐車場の一角に置かせてもらっていた。


レッカー車の手配までしてもらい移動した車


まさかこの車とこんなに長いつきあいになるとは思っていなかった



そんなわけで


コンビニまで歩いて行った帰り


私は倒れた



あとで聞いた話だけど


この時私は心肺停止状態で発見されたそうだ


薄く雪にうもれていたらしく低体温症もひどかったそうだ



私が目を覚ましたのは年が明けた1月1日



「こんな日に目覚めるなんて運がいい」


医者はそう言ってくれたけど


私の心には治療費のことが重くのしかかっていた


一応国民保険には入っているけど入院すると請求額が跳ね上がる


案の定


退院手続きをした私には6桁の請求書が渡された


年金を切り詰めて


ちょっとずつ貯めていたお金でどうにか支払えたのがせめてもの救いだった



この一件があり


弁護士が元上司にかなりきつく迫ったらしいのだが


相変わらず元上司はその場しのぎを繰り返していて


1円も支払ってくれないらしい



あとで思ったんだけど


この時、この元上司はもうすぐ私が死ぬと思っていたんじゃないかって思ってる


だから引き延ばししていたんじゃないか、と



今はもう、それもどうでもいい話

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