6 別室

翌朝


出勤した私は再び上司に別室に連れ込まれた


再び私の前には「承諾書」が置かれ


サインするよう強要された


私はうつむいたまま黙っていた


この日


トイレもお昼も許されることなく


私はまた夜の9時までこの部屋に監禁された


「明日はサインするように」


そう私に怒鳴る上司


その声を聞きながら私は帰宅した


この日も


私は一睡も出来なかった



出勤し


別室へ連れ込まれる日が続く


金曜日


今日を耐えしのげば、明日と明後日はこの監禁から解放される


「明日もいつもどおりにくるように。この書類にサインするまで君に休みはないと思え」


その言葉に私は目の前が真っ白になった



その日


私は意識を失い救急車で病院に運ばれた



重度の過労により緊急入院した私


搬送された病院の先生に事情を説明したところ労働基準局に連絡してくれたらしい


詳しくはわからないけど


その翌日


私に3ヶ月の病気休暇を取るようにとの連絡が来た


書類手続きはすべてしておくので



同僚から連絡があった


印鑑は


あの一件以来持ち帰ったはずだけど


あの上司なら勝手にどこかで買ってきているかも……そう思った


病院よりも


慣れた環境の中でのんびりした方がいいとの先生のすすめもあり


1週間で退院した私は自宅に戻った


翌日


再び上司が家にやってきた


またあの監禁が始まるのか


恐怖に震えた私


そんな私に上司は


「お前が急に休みだしてみんな困っている。仕事を片付けてから休め」


そういい、無理矢理職場に連れてきた


そこで


私はあの別室に連れ込まれた


仕事でもなんでもなく


その上司は私に延々愚痴を言った


お前のせいで私は怒られた

お前のせいでみんな困っている

お前のせいで職場はめちゃくちゃだ


延々愚痴を言われ続け


私は夜の8時過ぎ、ようやく解放された



帰宅する私に


「まだ残務があるだろう、明日も朝一でくるように」


そう怒鳴った



その後


呼び出されては愚痴を言われ


ただ愚痴だけを言われ続ける日々が3ヶ月続いた


その3ヶ月目


「3ヶ月しっかり休んだだろう? 明日からしっかり出勤しろよ」



その夜


私は帰宅途中の道路で倒れ


再び病院に運び込まれた



私が公務員を辞めたのは


この翌月のことだった

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